テラーノベル
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藤澤涼架side.
目の前で元貴が泣きながら僕に縋りついた
視界がだんだん霞んでいく
元貴の顔がだんだん歪んだ
頬に手をやると、冷たく湿っている
あれ、なんで泣いてるんだろ
泣くことなんて、ない筈なのに、
mtk.
mtk.
早口で、子供が喋るみたいにして元貴が言う
元貴の腕が僕の腕を引っ張る
いいんだよ、と言いながら僕は元貴の腕を離した
そして、手に指を絡めてぎゅっと握る
ryok.
ryok.
mtk.
ryok.
mtk.
元貴が部屋に行って着替え出す
もう着替えも準備も終わっている僕はリビングに散らばる薬を拾った
沢山散らばる、黄色い錠剤
もう中身が空になっている瓶をテーブルに置いて
薬の置いている棚を覗き込む
一昨日足したばかりなのに、もう残り少ない
嗚呼
__そこまでして錠剤に頼りたいのかな
仕事が辛いこと
曲がうまく書けない時があること
誹謗中傷が酷くなっていること
何が理由かわからないけど、ちょっとでも僕に見せてくれればいいのに
僕は絶対に突き放さないし
不安なところを見せても気持ち悪いとか思わない
どんな弱くて脆い元貴も、僕は愛せる自信がある
なのに元貴は
僕じゃ無くて
いつもいつも
錠剤を選ぶ
僕は、僕は…
そんなに頼りないのかな
ーーー
hrt.
hrt.
今から一年まえ、くらいかな
元貴がソロの仕事でいない間、
若井と居酒屋で話していると
若井が急にそんなことを言い出した
は?と言いながら若井を見ると顔が若干赤い
若井は酔うとすごく面倒臭くなる
手足に力が入らなくなって、呂律も回らなくなる
それに若井が酔っている時の口の軽さはティッシュ並みである
ryok.
今のは聞かなかったことにするから、と続けると
若井は「あ、」と言いながら僕の方を見た
ryok.
hrt.
ryok.
hrt.
若井はにやにやと笑った
顔赤いよ、と揶揄するように笑う
顔が赤いのも当然だ
だって僕はずっと前から
元貴のことが好きだったから
その次の日、元貴は僕に告白してくれた
今でも覚えてる
夕日が差す通りで
元貴の黒い目はつるつるしてて、 元貴の目には確かに僕が映ってて
二人しかいない帰り道
元貴が手を握ってくれて、「好き」って。
その時の元貴のネイルの色は、黄色だった
ーーー
mtk.
一人で錠剤を眺めて
錠剤の色があの時の元貴と同じ色だな、って思っていると
元貴はもう既に着替えて後ろにいた
髪もセットされていて、すっかり仕事モードである
ryok.
mtk.
そう言って歩く元貴の背中はやっぱり少し痩せていた
栄養が取れてないせいで足取りも少しだけふらふらしている
ryok.
mtk.
ryok.
mtk.
元貴はそう言ってまた玄関にふらふら歩いていった
元貴からは薄く、でも確かに
ツンとした薬の匂いがした
こんにちは 進みが遅いのと内容が薄すぎて泣けてきます
前作♡2000ありがとうございます 感想も沢山嬉しいです。 涼ちゃん…ちょっと危ないですよね、 ちょっとしたことで崩れちゃう感じがします。 ちなみに私はそう言う感じ大好物です。 支える側が病んじゃう話が。
この作品も♡と💬よろしくお願いします
それではまた
コメント
4件
まじでこの作品大好きです︎👍🏻 ̖́-続き楽しみ似してます(๑♡∀♡๑)
わかるわかる、もう希望が見えなくて闇にしか見えない感じが好きすぎる。 あとすぐ見れなくてごめんね!!塾あったんだ、!!今度はちゃんとすぐみるね!
二人の間に希望が見えない感じ、大好き︎🫶💕1話1話と更新される度に、どんな結末になるんだろうと、ワクワクしながら読んでる😘