短編集 2

桃赤

700人ありがとうございます🐱🐶

ｷｰﾝｺｰﾝｶｰﾝｺｰﾝ

授業が終わった途端騒がしくなる教室

ガヤガヤ ガヤガヤ

友達と帰ったり、寄り道なんかしたり

生憎俺はそういう関係の友達はいないもんだから

今日もいつも通り、早く教室を出るつもりだった

君に話しかけるまでは

正直戸惑っていた

クラスの人気者な彼が

こんな陰キャの俺なんかになんの用だ

『さとみくん』君に名前を覚えてもらっていた事にも驚きを隠せない

だって俺は

君のことがずっと好きだったから

なんて言われて

彼の周りにいつもいる友達に押されて屋上まできた

いや、2人じゃねぇのかよ

思わずアニメみたいにメガネが傾いた気がする

いや、それはよくて

その後、近くにいた彼の友達に色々と絡まれた

この日は久しぶりに大勢で帰った

俺はこういう絡みが苦手だったが

君の照れている顔が可愛くて、楽しかった

家に帰っても余韻が抜けなくて

ボーっと部屋で寝転がっていた時

ﾋﾟｺﾝｯ

＜│りいぬ

さとみ│＞

＜│りいぬ

日曜日、楽しみだ

その日は本当に楽しくて

服を見に行ったり、ゲーセンに寄ったり

昼ごはんは小さい口でモグモグ食べてて可愛かったなあ……

午後はペットショップに行った

どうやら彼は犬が好きらしい

その後は少し洒落たカフェに行って……

なんて言いながら手を繋いでくれた

かわいい、また明日も会えるとか最高かよ……

朝、教室に入ろうとすると

りいぬの友達の声が聞こえた

聞こえたところで挨拶して終わりなのだが

俺の事を話してたらしい、入りにくいな

あ、写真

りいぬとのデートなんだから撮っとけばよかったな

居た堪れなくて、その場を離れた

ああ、そうだったんだ

まぁ、普通に考えて有り得ないよな、こんな俺なんかと

俺だけこんなマジになって

アイツには手も届かないはずなのに浮かれて

その日は彼と話したくなくて

午前中はずっと保健室で休ませてもらった

りいぬが?

そんなはずない

だってアイツは………

保健室のドアを見ると派手な赤色が

いや、『すまんな笑』じゃなくて

＂かわいい＂

そう思うのはまだ好きだからだろう

そう言い捨てて、ベッドに潜ってカーテンを閉めた

数分、鼻をすするような音がしたのは気のせいだろうか

わかんない

わかんないわかんない、ッ

『自分で考えたら、?』

考えても、わかんない

昨日は、、バイバイするまで笑顔だった

やっぱり、原因は今日にある、、

やっぱり、帰りにさとみくんと話したい、

息が、一瞬出来なかった

なんで、

悲しげに笑う彼が切なくて

早くこの場を立ち去ろうと思ってドアを開けようとすると

力なく服の袖を引っ張られた

変な声、出た

……え?

おまたせしました

すれちがい、、?嘘コクを前から書いてみたくて

しんやにしつれいします

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