テラーノベル
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まぶたの裏が、じわりと明るくなる
──朝
ぼんやりと、ほんのりあたたかい感覚に包まれたまま、麗央は目を開けた
麗央
視界に入ったのは、見覚えのある黒いTシャツの胸元
ふわっと漂う香りは、朔矢の匂いだった
(……ん……?)
身体を起こそうとして、ぴたりと止まる
動けない。というより──あたたかい“何か”に、がっちりと囲まれていた
麗央
ぼんやり目を動かすと、左隣のソファに零斗、右には龍牙がブランケットを羽織って寝ている
そして正面のソファ、足を伸ばして横になっていたのは蓮
浅く寝息を立てながら、こっちを向いていた
(……うそ、全員……ここで……?)
麗央の体は、まだ朔矢の膝の上
がっちりと抱きとめられたまま、ぴくりとも動かないその腕に──
あまりに自然に守られていた
麗央
喉の奥で小さく声を出すと、朔矢のまぶたがゆっくりと持ち上がった
朔矢
低くて、優しい声
朔矢
麗央
麗央は小さく首を振ると、そのまままた顔を朔矢の胸にうずめた
朔矢
朔矢の手が、優しく背中を撫でる
朔矢
麗央
呟いた麗央の声に、朔矢はくすっと笑って、髪をひとなでした
朔矢
麗央
朔矢
朔矢
その言葉に、麗央の顔がほんのり赤く染まる
麗央
かすれるように呟いた声に、朔矢は「よしよし」と笑いながら、もう一度ぎゅっと抱き寄せた
その瞬間
零斗
目をこすりながら、零斗が半目で顔を上げた
朔矢
零斗
朔矢
零斗
言いながら、零斗も近づいてきて、眠たげな顔のまま、麗央の髪にそっと手を伸ばす
零斗
小さな声。指先が、髪を一筋、やさしくなでた
(──あ……)
やわらかくて、心地よくて、朝からこんなに大事にされることなんて、人生で初めてだ
麗央の胸が、じん、と熱くなった
???
控えめに聞こえた玄関の音と、少し間を置いた足音
リビングの扉が、そっと開いた
結那
声と一緒に現れたのは、背の高い女の子
ぱっと見て、どこか朔矢と似た目元が印象的だった
朔矢
朔矢が目を細める
結那
朔矢
結那
でも、どこか楽しげに笑うゆなに、リビングの空気がゆるく和らいでいく
蓮
ソファに横になっていた蓮が身を起こし、あくび交じりに言った
結那
蓮
結那
零斗
結那
ゆるいやりとりが交わされる中、麗央はまだ朔矢の膝の上。ゆっくりと首を傾けて、結那を見た
その視線に気づいたのか、結那がにっこりと笑う
結那
麗央
結那
麗央
結那
唐突にぺこっとお辞儀する結那
麗央
ぽかんとする麗央を見て、零斗が吹き出した
零斗
結那
零斗
結那
零斗
そんな風に、自然と溶け込むゆなの存在に、麗央は少しずつ頬を緩めていった
麗央
結那
結那
麗央
結那
朔矢
朔矢の返答は即答だった
結那
朔矢
結那
朔矢
結那
そんな感じで、にぎやかだけどほんのり甘い空気のまま、朝は静かに続いていくのだった
結那
膝にブランケットをかけられた麗央が、そっと座らされる
その隣に、屈託のない笑顔で腰を下ろしたのは――結那
結那
そう言いながらも、ゆなは麗央の隣にぴったり寄って、ぽんぽんと背中を軽く叩いた
結那
結那
麗央のまつげが、微かに震えた
結那
結那
麗央
ぽつりとこぼれた言葉に、結那が目を丸くして、そしてすぐ――優しく笑った
結那
麗央が目を伏せる
結那はその横顔をじっと見つめて、ぽつり
結那
その言葉に、麗央の肩が小さく揺れた
麗央
結那
ゆなの声は、明るくて、強くて、でもどこまでもあたたかかった
結那
麗央
結那
結那が、にこっと笑う
結那
麗央がそっとゆなを見つめ返す
その瞳に、ようやく少しだけ“安心”が戻ってきていた
麗央
結那
ゆなが嬉しそうに両手をバンザイすると、麗央が少しだけ笑った
――その小さな笑顔に、結那は心の中でガッツポーズをした
(よし、今日も“麗央かわいい”いただきました)
静かな風の中、ちいさな絆が、確かにそこに芽生えていた
だいふく
結那
だいふく
だいふく
だいふく
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コメント
25件
すごい……最っ高神すぎる😇 昇天するわ
零央くんッて何歳だったっけ? 新キャラのゆなちゃんいいこ 確定!👍️