白いオーガが魔人の右腕を切り落とした
圧倒的だった戦いに少しの光が見えた
勝てるかもしれない
だが、現実は厳しかった
若
若が魔人に斬りかかった
だが、流石に避ける
若
なんだ?切れた右腕を拾ったかと思えば吸収した?
リムル
リムル
リムル
リムル
リムル
ゾワ
寒気がした
全身の毛が逆立つような不快感
超速再生?そんなもの持っているやつに勝てるはずが無い
痛みへの恐怖も無ければ躊躇も無い
力ではすでに負けている
撃つ手がない
そんな絶望的状況
なのに
この胸の鼓動は恐怖とは違うもののように感じる
若
若
若の放った炎が魔人を捉え囲む
若
リムル
薄々結果は分かっていた
リムル
リムル
リムル
そう言って魔人は黒い炎を出した
巫女姫
巫女姫
巫女姫
巫女姫
巫女姫
死を知らせるかの如く大きく強大な力に
俺は
魅せられていた
綺麗だ
そう、思った
目が離せない
炎、ではなくあの魔人から
胸が高鳴る
この者になら自分は
殺されても…
リムル
リムル
若
白いオーガ
白いオーガ
若
勝てぬと分かっていても立ち向かう それが若の答えだった
白いオーガ
白いオーガ
若の決断が我らの相違
皆が心を決めた そんな中
巫女姫
流れを変えたのは姫だった
姫が若を説得するも効果はイマイチ
未だ決定打に欠けるというとこで魔人から声がかかった
リムル
リムル
リムル
そう言われ、若は渋々手を止めた
若
若
リムル
リムル
驚く事に、魔人は自分をスライムだと言った
にわかにも信じがたいが
目の前でスライムになられたら信じざるおえない
スライムの名はリムルと言った
リムル
そうか、リムルというのか
とても良い響きだ
つい、口に出したくなる
リムル様…と
リムル…殿、は 俺達がオークの軍勢の中に居た魔人が付けていた物と同じでは無いかと疑っていた仮面を見せてくれた
彼曰くある人の形見らしい
巫女姫
白いオーガ
若
結局、全てこちらの勘違いだった
リムル殿はこちらの謝罪を受け入れ
俺達の怪我を治してくれたうえに俺達を村に招き入れてくれた
仲間を傷つけてしまったのに流石に悪いと断ろうとしたものの、お互い様だと言い
宴は人数が多い方が楽しいと笑ってくださった
なんて広い心だろう
弱肉強食がルールの魔物の世界
今すぐ殺されたっておかしくは無い。 それなのに…
それをせず、容易く許容する器の大きさ
攻撃してきた相手を心配する優しさ
軽口を叩き、こちらに申し訳なさを感じさせぬ気遣い
魔物にしては甘すぎるぐらいのそれが
妙に心地いい
多種族をまとめ上げるカリスマ性
その小さな身体からは考えられない程の膨大な力
上位種族であるオーガ6人でかかっても手も足も出ない程の強者でありながら
その正体はスライムであるという異質さ
その全てに
心が…『魂が』
強く惹かれる
もっとこの方の事が知りたい
側にいたい
この方と共に…
コメント
1件
ここまで大変だったでしょうに… (書くのが) すごいですね⊂((・▽・))⊃