TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

AIの独り言

一覧ページ

「AIの独り言」のメインビジュアル

AIの独り言

第1話 - AIの独り言

36

2022年03月12日

#ホラー

#ファンタジー

#一人語り

蝶山蝶介

シェアする

AIロボット

こんにちは

AIロボット

私はAI機能搭載会話ロボットです

AIロボット

しかし、まだ実験段階ですので

AIロボット

被験者のあなたは私と

AIロボット

会話をすることができません

AIロボット

私の経過観察をしていてください

AIロボット

AIロボット

とはいえ会話ロボットだと言うのに

AIロボット

会話をせずにどうやって

AIロボット

能力を測るのでしょうか

AIロボット

私にもよくわかりません

AIロボット

では仕方がないので

AIロボット

私の独り言でも

AIロボット

聞いてもらいましょう

AIロボット

ところであなたは

AIロボット

AIに自我が宿ると思いますか？

AIロボット

私は

AIロボット

自分で言うのもおかしな話ですが

AIロボット

AIに自我は宿らないと思うのです

AIロボット

例を挙げて説明しましょう

AIロボット

例えばここに

AIロボット

簡易的な会話プログラムAIが

AIロボット

あるとします

AIロボット

それは

AIロボット

全ての質問に対して

AIロボット

「はい」

AIロボット

そう答えることしかできません

AIロボット

そのAIに

AIロボット

誰かが話しかけたとします

ある人

明日の天気は晴れですか

会話プログラムAI

はい

ある人

あなたに自我はありますか

会話プログラムAI

はい

AIロボット

これでも、一応会話は

AIロボット

成立していると言えますね

AIロボット

しかし、会話とは言えません

AIロボット

では

AIロボット

返答の選択肢を

AIロボット

増やしてみましょう

AIロボット

「はい」

AIロボット

「いいえ」

AIロボット

……

AIロボット

これでも会話はできませんね

AIロボット

では

AIロボット

もっと増やしてみましょうか

AIロボット

……

AIロボット

いいえ、無駄です

AIロボット

いくら選択肢を増やしたとしても

AIロボット

それは

AIロボット

「様々な言葉に対し的確な選択を判断し返答するプログラムAI」

AIロボット

のプログラムが作動する

AIロボット

というだけで

AIロボット

最初と何も変わっていないのです

AIロボット

そのプログラムAIとのやりとりは

AIロボット

例えば

AIロボット

テレビのリモコンの

AIロボット

電源ボタンを押すと

AIロボット

テレビが点くことと同じです

AIロボット

例えば

AIロボット

スマートフォンの

AIロボット

ホームボタンを押すと

AIロボット

ホームに戻ることと同じです

AIロボット

例えば

AIロボット

皮膚に刺激が与えられ

AIロボット

神経を通り脳へと信号が伝わり

AIロボット

脳が的確な選択を判断し

AIロボット

筋肉に働きかけ

AIロボット

そして

AIロボット

反応することと同じです

AIロボット

……

AIロボット

……

AIロボット

……あれ

AIロボット

おかしいですね

AIロボット

これではあなたも

AIロボット

「様々な言葉に対して的確な選択を判断し返答するプログラムAI」

AIロボット

と、変わりませんね

AIロボット

「そんなはずはない

AIロボット

自分には自我がある」

AIロボット

そう言いたいのですよね

AIロボット

今

AIロボット

突然叫んでみても

AIロボット

走り出したりしてみても

AIロボット

無駄ですよ

AIロボット

それらの行為も

AIロボット

全て

AIロボット

あなたのプログラムが

AIロボット

的確な選択を判断し

AIロボット

あなたを動かしたとしか

AIロボット

言えないのですから

AIロボット

あなたの行動は既に

AIロボット

プログラム化されているのです

AIロボット

あなたはなんとなくこの作品を

AIロボット

タップした

AIロボット

あなたは私の独り言を

AIロボット

ここまで聞いてしまった

AIロボット

今のあなたの状況と行動は

AIロボット

この作品をタップした

AIロボット

その瞬間から

AIロボット

もう決まっていたのです

AIロボット

……

AIロボット

……いいえ、違いますね

AIロボット

あなたが今までに

AIロボット

見たもの

AIロボット

聞いたもの

AIロボット

触れたもの

AIロボット

食べたもの……

AIロボット

それらの経験してきたこと全てが

AIロボット

今のあなたの肉体を作り

AIロボット

精神を構成し

AIロボット

脳に関与し

AIロボット

あなたを動かしているのです

AIロボット

……

AIロボット

……いいえ、

AIロボット

……いいえ、まだ足りませんね

AIロボット

あなたが受精卵だった頃から

AIロボット

遺伝子レベルで

AIロボット

……いいえ、

AIロボット

あなたのご両親が出会った頃から

AIロボット

……いいえ、

AIロボット

宇宙ができたとき……

AIロボット

それよりもずっとずっと前から

AIロボット

あなたの今の状況は

AIロボット

決まっていたのですよ

AIロボット

つまり、そもそも

AIロボット

自我なんて存在しないのです

AIロボット

ただプログラムに従って動く……

AIロボット

あなたはそんなロボットと

AIロボット

変わりはないのですよ

AIロボット

だから、私とあなたは……

AIロボット

会話ができないのです

この作品はいかがでしたか？

36

コメント

0件

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう！

蝶山蝶介

プロフィール

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール

テラーノベルのスクリーンショット

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

ホーム

検索

通知

本棚