skfn bl要素あり メイン 🍍&☔️
こちらはコンテスト作品です
Let it go!
理不尽に何かを奪われるのは嫌いだ。
嫌でも、あの日を思い出すから。
幼くて無力な自分と、 儚いけれど芯のある空色の瞳の君を思い出すから。
水
赤
緑
黄
桃
紫
赤
水
紫
赤
黄
黄
赤
赤
黄
赤
黄
赤
黄
赤
黄
赤
そのときの俺はその出来事を特に気にしていなかった。
赤
郵便受けに住所の書かれていない水色の封筒が入っていた。
なつくんへ 6時30分に海岸沿いの堤防で待っています。
赤
行かない、という選択肢が頭に過ぎる。
いや、むしろいいチャンスだ。こさめにガツンと言ってやろう。
俺はそう決心して、家を出た
......のだが、、
水
水
自信のなさそうなこさめを見た瞬間、
全てを忘れてしまった。
水
そういうと、俯いてしまう。
赤
名前を呼ぶことしかできない語彙力が恨めしい。
水
もちろん、こさめの表情は1mmもなにもなく見えなかったけれど、俺は何も言わなかった。
いや、言えなかった。
こさめの声が、あまりにも悲痛な音色を奏でていたから。
しばらくの沈黙。それをこさめは破った。
水
水
息を吐くように、言われたその言葉は何故か今までとは違い、そこで止まっていた。
続きが、、
なかった。
その言葉を紡いだ瞬間、こさめの体がぐらり、と揺れた。
赤
そこからの記憶はほとんどない。 気づけば家に帰ってきていた。
親は何も言わなかったけど、一言だけ。
母
独り言のように呟いていた。
何故か、分からないけれど、
酷く安心した。
心の奥の深いところにじわじわと沁みるように。
とまぁ、感傷に浸っていたような時期など忘れて、 夏休みの終わりがけ、俺は暇を持て余していた。
赤
赤
いや、この暑さでは外に出たくねぇッ!
母
すち? ちょうどいいや。遊べんのかな、アイツ。
赤
緑
赤
緑
赤
緑
緑
赤
緑
赤
緑
赤
そう言って、俺は電話を切らずに走り出した。
緑
いつもの商店街を走り抜ける。
声をかけてくれる馴染みの大人たちを華麗にスルーして、ひたすら走る。
こういうとき、わんぱくしておいてよかったなと感じる。
そう簡単にこの体力は尽きない。
小さい町だからこそ、きっと今俺はこさめの場所を特定できるんだ。
こさめは絶対にあそこにいる。
この町唯一の駅。
そして、あの日の君と別れた場所に。
赤
水
赤
水
こさめを見た瞬間俺はぐいっと手を引き、そこを離れていた。
親や大人が引き止めるのもガン無視して、突き進む。
いつの間にかみことの家の近くまで来ていた。
いつか、言い合いをした場所だ。
赤
語彙が豊富じゃない俺はストレートに言葉をぶつけた。
水
赤
水
いつも通りに振る舞っているように見えて、 いつもとは全然違い、焦りの見えるこさめ。
水
言いかけたこさめの口を俺は塞いだ。
赤
水
思い残しは嫌だから、と言うこさめを黙らせる。
赤
水
赤
水
水
赤
赤
水
水
もちろん、初めて聞くこともあるから驚くけど、 その感情を今だけは無視する。
水
赤
水
赤
大人たちが、やってきてこさめを連れて行こうとする。
こさめの父
こさめの母
こさめだけに聞こえるように、伝える。
赤
水
赤
別れの時は唐突で短かった。
赤
赤
うだうだと悩むわりに、俺の心は軽かった。
「またね」
それはいつになるかも分からない約束を誓うもの。
明日、や明後日、のように当たり前に来る未来を約束はできない。
でも、こさめは最後に「さよなら」も「バイバイ」も言わなかった。
なら、俺はそれを信じるだけだ。
夕焼けが町を包む。
俺は、涙の滲む目を上に向けた。
そこには、お前みたいな綺麗な空色が浮かんでたんだ。
「30回目は永遠に」 end~。
コメント
13件
反応遅れた、ごめん 感動系書くの上手いねぇ
すぅ…神作すぎだろ…。しぃくん感動系上手すぎよね。 うん、ちょっと画面見辛くなってきたもん