稲荷崎高校の夢

放課後いつもの様に治が教室まで迎えに来たが、今日は🌸も一緒に体育館へと足を向ける。

少し離れた場所から監督に手招きで呼ばれ、返事をしながら小走りで向かう🌸

パッと右手を上げる監督に2人ともペコッと頭を下げた。

挨拶をして去って行く北の後ろ姿をただぼーっと見つめる🌸

北の掛け声に全員が大きく返事をする。

数分後

想像よりも多い荷物に驚きながらも準備を進める🌸

その準備は1人でこなすにはそれなりに疲れる仕事だった。

腰を抑えながら苦い顔をして話す監督に苦笑いで返す🌸

今日の練習は試合形式で行う予定で、その準備もしなければならない。

丁度その頃アップが終わりぞろぞろと戻ってくる部員達

監督の掛け声で皆一気に試合体制に入る

笛の音と共に始まる、始めは治からのサーブで試合がスタートする。

体育館のギャラリーに居る🌸

先程監督に｢試合中俺は記録をするから🌸は上で撮影して欲しい｣と頼まれたのだ。

これからのレギュラーメンバーを決めるべく、試合を繰り返して見極めるそうで

監督やプレイヤーが試合を見返せる様に撮影もしたかったとの事。

皆の試合を上から眺めているだけの🌸

その光景は遠くからでも分かる程に皆本気で戦って居るのが伝わる。

全国レベルの強豪校

練習はもちろんハードで生半可な気持ちでは到底続けられるものでは無い。

双子が半ば強引に入部させたマネ業

🌸自身、本気で頑張れる程乗り気では無かったのだが

部員の真剣な姿を見て、このままではダメなのだと諭されてしまう。

皆の試合を上から見て、🌸は撮影しながら固く決意をする。