トントンの過去話
セイカ
セイカ
セイカ
スイ
昔の俺の名前はスイ
この名前だとこの時を思い出してしまうから名前を変えた
ここは城の中
俺はこの城の王子
そして、セイカは俺の母親だ
俺の能力はない
だから、お母さまは俺が周りに最低限舐められないように
育ててくれているんだと
そう思っていた
そしてこれが俺の「普通」でルールだった
セイカ
セイカ
セイカ
ルールは簡単
この広い庭の中に隠されたボタンが5個ある
それを制限時間内に見つけるだけだ
ボタンは、水の中、木の上、隠し通路
どんなところにでも置いてある
隠し通路は問題を解かないとドアが開かないようになっている
ちなみに俺はまだ小学5年だった
スイ
セイカ
セイカ
セイカ
セイカ
セイカ
スイ
言葉遣い、姿勢、服装、全てが完璧でないとダメなのだ
フウ
こいつは俺の勇逸の話し相手だった
どうやらフウはこの城から何らかの理由で出られないらしい
大人にはカメラでしか見えないが、子供は何もなしで見える
不思議な奴だった
スイ
フウ
スイ
スイ
スイ
スイ
スイ
フウ
セイカ
セイカ
ドアの向こうから小さくつぶやく声が聞こえる
あんなことを言われたのは初めてだった
時には優しく、時には厳しかった母親に
フウ
俺は地面にうずくまった
流れそうな涙を隠すように。
スイ
フウ
スイ
フウ
スイ
フウ
スイ
フウ
この時はまだこの部屋に窓があった
フウ
窓を開けて、夜風が部屋に入ってくる
フウの後を追うように俺も外に出る
フウ
スイ
フウ
フウ
フウ
フウ
フウ
フウ
スイ
フウ
「王子様がいないです!」
「早く探し出せ!王子様が危険だ!」
フウ
フウ
フウ
スイ
靴がボロボロになるまで遠くまで走った
明るく光る満月が俺を照らすように
俺の目は明るく輝いていた
ゾム
スイ
ゾム
ゾム
スイ
ゾム
ゾム
スイ
ゾム
俺は、顔も知らない奴に手を握られて
そのままどこかへと連れていかれた
どうやら俺は走りすぎて家の2つ隣の国まで来ていたらしい
そのまま俺はここで暮らすことにした
友達は、いつもお金目当てで近寄ってきたから
遊んでも、仲良くしても楽しくなかった
でも、ここは違ったんや
俺を仲間だと思ってくれて、
俺が知らない色々なことを教えてくれた
だから俺は、名前を変えた
あの事を思い出さないために
大切な仲間からもらった名前
だからもうあいつとは出会わないと思っていた
思っていて、今日も平和な一日が終わるはずだったんだ
なのに…
コメント
3件
続き楽しみ気になる(* 'ᵕ' )☆
m9(≧ω≦)ノァハハ最高!!!