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一番星のキミに恋するほどに切なくて。

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一番星のキミに恋するほどに切なくて。

1 - 一番星のキミに恋するほどに切なくて。

♥

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2021年10月30日

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ねぇ、亮平?

阿部亮平

なつかしい、大好きな人の声が聞こえた

阿部亮平

…マ…マ…?

阿部亮平

もういないはずのママ声だ。

亮平……

阿部亮平

「…パ…パ…?」

阿部亮平

パパの声まで…。
溢れだしそうになる涙を必死にこらえて
バッと体を起こす。
すると…。

阿部亮平

「…星が…」

阿部亮平

僕は星空の下にいた。
まるでプラネタリウムにいるみたいに、
幾千(いくせん)の星に囲まれている。
ここは…どこなの…?

亮平……

阿部亮平

「ママ……どこにいるの?」

阿部亮平

姿が見えない

阿部亮平

*人は死ぬと星になる*

阿部亮平

そんなことを前に聞いたことがある。
だから空は、星でいっぱいなんだと…。
この瞬く星の中に、ふたりはいるのかな

亮平、ごめんね……

亮平、ごめんな……

阿部亮平

2人の声が遠くなる。
謝らないで。
謝るくらいなら、僕も連れて行ってよ!!
もう生きられなくていいから……。
連れて行って……。
星空に手を伸ばす。
だけど、それはあまりに高くて、手が
届かない。どんどん高く、遠ざかって
しまう。
……触れられない……届かないよ……。
それを見つめながら絶望する。
僕は、結局ひとり……。
ツゥゥ……。
頬になにかが伝う感覚で、意識が浮上する。

阿部亮平

「……う………んっ……」

阿部亮平

まぶたになにかが触れる。
それは、なにかなぞるように頬へと
移動した。

阿部亮平

「んん……?」

阿部亮平

ゆっくりと目を開けると、目の前に
涼太さんの顔があった。
どうやら同じベットで寝ていたようだ。
涼太さんに抱きしめられるような体勢になっている。

阿部亮平

「……え……?」

宮舘涼太

「起きたか」

阿部亮平

「……うん……おはよう……」

阿部亮平

目を開けると、視界いっぱいに広がる
涼太さんの顔。そして窓から差し込む光に、今が朝なのだとわかった。
僕は涼太さんに笑顔を浮かべる。
涼太さんの手は僕の頬に触れたままだ。

阿部亮平

「……おは……よう」

阿部亮平

そうあいさつはしたものの、涼太さんはどこかとまどっているように見えた。

阿部亮平

「どうしたの?」

宮舘涼太

「なんでそんなこと聞く」

阿部亮平

「……なんとなく、涼太さん、困った顔しているから」

阿部亮平

涼太さんがとまどってるような、なにか言いたそうな顔をしていたから……。

宮舘涼太

「……あぁ、鋭いな、お前。そうだな、……、亮平、嫌な夢でも見たのか?」

阿部亮平

唐突な質問に、僕は目を見開いて涼太さんを見つめた。

阿部亮平

「……どうして?」

阿部亮平

どうしてわかったんだろう……。
僕は、パパとママの夢を見てた。
二人が亡くなってから、ときどき見ては
僕に絶望だけを残す悲しい夢。
白血病ってわかってから、見る頻度(ひんど)も増えた。

宮舘涼太

「……泣いてた」

阿部亮平

「……えっ?」

阿部亮平

僕の頬に触れている涼太さんの手に、
自分の手を重ねてる。

阿部亮平

「泣いてた……?」

阿部亮平

たしかに涙の跡がある。
その部分の肌がカピカピしていた。
今は乾いている。
たぶん、涼太さんが拭ってくれたから…

阿部亮平

「……たまに、見る夢が……」

阿部亮平

今までなら、誰にも話そうとは思わなかった夢の話……。
辰哉さんやひかるお兄ちゃんにも話したことないのに……。
涼太さんなら、僕の話を聞いても、同情したりヘンな気を遣わずに受け止めてくれる気がして、つい話してしまった。

宮舘涼太

「……やっぱり怖い夢か?」

阿部亮平

「すごく……幸せで残酷な夢だったよ」

阿部亮平

本当に幸せな夢で悲しい夢だった。
夢は、叶わない願いを形にしてくれはするけど、目が覚めると、二度と手に届かないモノだという現実に絶望する。

阿部亮平

「幸せだったから……悲しかった……」

阿部亮平

幸せが大きすぎるほど、失うときの
悲しみも大きくなる。
*永遠* なんてないのだから。
いつか必ず、終わるときが来るのを、
僕は痛いほど知っている。

宮舘涼太

「……お前の……考えていることは
わからないけれど、ひとつわかるとしたら、お前の痛みはお前にしかわからないってことだ」

阿部亮平

「うん……」

阿部亮平

僕にしかわからない。
説明したって、他人事ではないもんね
それでも涼太さんには話してしまった。
なんでだろう……。

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