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ねこねこにゃんこ
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#〔インターネット少年/少女〕
狸野 ゆゆせ
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朝比奈ひかりがスマートフォンを見つめていたのは、昼下がりの少し静かな時間だった。 部屋には何の音もしない。 ただ、画面の向こうでレイとのトーク画面だけが、やけにまぶしく見える。
月城レイ:ちょっと時間ある?
その一文が届いたのは、数分前のことだ。 ひかりは、送られてきたメッセージを三回くらい見直している。
朝比奈 ひかり
ひとりごとみたいに呟いてから、すぐに返事を打った。
朝比奈ひかり:あるよ。どうしたの?
既読はすぐについた。 でも、返事は少しだけ遅い。 ひかりはその沈黙に、なぜか胸が落ち着かないのを感じていた。 13話目で、レイはたしかに言いかけた。 「俺、ひかりのこと――」 その先を、聞けないまま終わってしまった。 そして、最後にこう言ったのだ。
今度な その“今度”が、今なのだろうか。 考えながら待っていると、ようやく返信が届いた。
月城レイ:外出れる?
朝比奈 ひかり
ひかりは思わず声に出した。 配信の打ち合わせでも、通話でもなく。 外。 それだけで、胸の奥が少しだけざわつく。
朝比奈ひかり:出れるけど……外って、どこ?
少しだけ間があってから、次のメッセージ。
月城レイ:駅前のカフェ。今度な、って言っただろ
ひかりの指が止まった。
朝比奈 ひかり
思わず笑ってしまう。 でも、それと同時に、少しだけ緊張もしていた。 何を話すのだろう。 あの続き、なのだろうか。 それとも、ただの気まぐれなのだろうか。 けれど、ひかりは結局、こう返した。
朝比奈ひかり:行く! 何時? 月城レイ:三十分後
朝比奈 ひかり
もう一度、ひとりでツッコんだ。 でも、嫌じゃない。 むしろ、少しだけ嬉しかった。 ちゃんと、覚えていてくれた。 ちゃんと、実行してくれた。 それだけで、今までと少し違う気がした。
駅前のカフェは、午後の人出でそこそこ賑わっていた。 ひかりは店の入口で辺りを見回し、すぐにレイを見つける。 黒っぽい上着を着て、片手をポケットに入れたまま立っているその姿は、配信画面の中の“月城レイ”より少しだけ現実感があった。
朝比奈 ひかり
ひかりが近づくと、レイは顔を上げた。
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
そう言うと、レイは少しだけ笑った。
月城 レイ
ふたりは店に入り、窓際の席に並んで座る。 テーブルは小さい。 だから、思ったより近い。 ひかりは、メニューを見ながら少しだけ落ち着かない気分でいた。
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
レイは注文を決める前に、少しだけひかりを見た。
月城 レイ
その言葉で、ひかりは息を飲んだ。
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
レイは、少しだけ視線を外した。
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
ひかりは、思わずメニューを握る手に力が入る。
朝比奈 ひかり
レイは少しのあいだ黙って、それから小さく息を吐いた。
月城 レイ
朝比奈 ひかり
ひかりの心臓が、少しだけ跳ねた。 やっぱり。 やっぱり、何かあったのだ。
月城 レイ
レイが少しだけ眉を上げる。
月城 レイ
朝比奈 ひかり
ひかりは、思わず声を上げた。
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
レイは、ひかりの反応を見て、小さく笑った。 ひかりはその笑い方を見て、少しだけむくれる。
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
そんなやり取りをしているうちに、注文した飲み物が運ばれてきた。 ひかりは温かいカフェラテを受け取り、少しだけ手を温める。 沈黙が落ちる。 でも、それは嫌な沈黙じゃなかった。 むしろ、何かが始まる前の静けさに近い。 レイはカップに手を添えたまま、しばらく何も言わなかった。 ひかりも、急かさない。 やがて、レイがぽつりと口を開いた。
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
ひかりの指先が、少しだけ止まる。
朝比奈 ひかり
レイは、ひかりを見ていない。 窓の外を眺めながら、できるだけ自然に言葉を選んでいるようだった。
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
少しだけ間が空いた。
月城 レイ
その一言に、ひかりはカップを持つ手をぎゅっと握った。 大事。 その言葉が、静かに落ちてくる。
朝比奈 ひかり
ひかりが何かを言いかけると、レイは少しだけ視線を落とした。
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
レイは少しだけ困ったように笑う。
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
ひかりは、何も返せなかった。 それは、告白ではない。 けれど、告白よりずっと静かで、ずっと真っすぐだった。
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
ひかりは少しだけ声を上げた。
朝比奈 ひかり
月城 レイ
レイが小さく笑う。
月城 レイ
朝比奈 ひかり
ひかりは、正直に答えた。 顔が熱い。 胸の奥がじわじわして、どうしたらいいのか分からない。 レイは、そんなひかりを見て、少しだけ視線をそらした。
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
ひかりは、少しだけむくれる。 でも、そのむくれ顔すら、レイは少しだけやわらかい目で見ていた。
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
その質問は、あまりにも静かだった。 ひかりは、息を止める。 どう思ってるのか。 最近、それを考えない日はなかった。
ただの同期。 気が合う相手。 一緒にいて楽しい人。 からかってくる、面倒くさいやつ。 でも、そんな言葉だけではもう足りない気がしていた。
朝比奈 ひかり
小さく答える。 レイが少しだけ眉を上げた。
月城 レイ
朝比奈 ひかり
ひかりは、カップの縁を指でなぞる。
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
レイは、黙って聞いていた。
朝比奈 ひかり
ひかりはそこで少しだけ声を落とす。
朝比奈 ひかり
その言葉で、今度はレイが固まった。 ひかりも、自分で言っておいて恥ずかしくなる。
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
レイは、少しだけ笑った。 でも、その笑い方は、いつもよりずっと静かだった。 嬉しそうで、困ったようで、どこか安心したような顔。 ひかりは、その表情を見て、心臓がうるさくなるのを感じた。
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
レイは、カップを持つ手に少しだけ力を入れた。
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
ひかりは、瞬きをした。 レイが少しだけ言葉を選ぶ。
月城 レイ
今度は、さっきよりはっきりそう言った。 ひかりは、何も言えなくなる。 カフェのざわめきが、遠くなる。 目の前にいるレイの声だけが、やけに近い。
朝比奈 ひかり
ひかりがようやく絞り出した声は、小さかった。
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
ひかりは、しばらく黙る。 そして、少しだけ息を吸ってから言った。
朝比奈 ひかり
レイの目が、少しだけ見開かれた。 ひかりは、自分でも驚くほど正直な声が出たことに気づく。 でも、今さら引けない。
朝比奈 ひかり
その言葉は、少し震えていた。
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
ひかりは、顔を真っ赤にして、言葉を切る。
朝比奈 ひかり
レイが、そこでようやく笑った。
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
レイは、一瞬だけ口を閉じる。 そして、少しだけ目をそらした。
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
ひかりは思わずカップを握りしめた。 レイは、そんなひかりを見て、ほんの少しだけ肩を落とすように笑った。
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
ひかりは、少しだけむくれる。 でも、そのむくれ顔を見ながら、レイの口元はやわらかく緩んでいた。 ずっと言えなかったことを、少しだけ言葉にできた。 全部ではない。 でも、今までよりはずっと近い。 そんな気がした。 外はもう少しだけ明るさが薄れている。 カフェの窓に映るふたりは、前より少しだけ近く見えた。
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
レイは、少しだけ目を伏せたあと、静かに頷いた。
月城 レイ
その声は、あまりにも自然で、だからこそ胸に残る。 ひかりは、カップを両手で包んだまま、小さく笑った。
朝比奈 ひかり
レイが、その言葉に少しだけ驚いたようにこちらを見る。
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
少しだけ間があって、レイは笑った。
月城 レイ
朝比奈 ひかり
二人は、そこでようやく少しだけ肩の力を抜いた。 まだ、はっきりとは言えない。 けれど、あの“言いかけた言葉”の輪郭は、少しだけ見えた気がした。 店を出るころには、外の空気は少しだけ冷たくなっていた。 並んで歩く帰り道。 ひかりは、隣のレイをちらりと見て、すぐ視線を戻す。
レイも何も言わない。 でも、それでいい。 言葉にならなくても、今日のことはちゃんと残る。
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
レイは少しだけ笑った。
月城 レイ
それだけの返事なのに、ひかりは胸があたたかくなる。 まだ恋とは言えない。 でも、ただの同期とも、もう少し違う。 そんな関係が、少しずつ形になり始めていた。
コメント
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すがさん、第15話読み終えました……! 公園でちゃんと向き合って話すふたり、すごくよかったです🤍 レイの「大事」「ちゃんと考えてる」って言葉が、告白じゃないって言いながらもめちゃくちゃ真っすぐで、ひかりの「私ばっかり意識してるのずるい」からの「全部好き」には胸が詰まりました。 まだ恋とは言えないけど、着実に近づいてる空気が伝わってきて、続きがすごく気になります! このペース感、すがさんにしか書けない優しさだなって思いました。 次も楽しみにしてます🌙