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命のロウソク

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命のロウソク

1 - 命のロウソク

♥

22

2019年09月29日

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少女side

私は、部屋の隅で膝を抱えて、 顔をうずめていた。

私には、 学校にも、家にも、 居場所が無いの。

親から虐待を受けて、

クラスメイトに虐められる。

耐えられないよ………

もう、この世界に、居場所がないの。

この世界に、お別れしたい。

消えてしまいたい………

………死んでしまいたい。

そう、強く願った。

まふまふ

…こんにちは。

聞きなれない声がして、 私は顔を上げた。

真っ白の髪に、真っ赤な目。

少女

………天使さん?

天使。 その名前がぴったり似合う、 本当に綺麗な人だった。

少女

私を、天国に
連れていってくれるの……?

彼は目を丸くすると、微笑んだ。

まふまふ

う〜んとね、

まふまふ

半分正解で、
半分不正解かなっ!

少女

……?

まふまふ

確かに僕は、君を
天国に
連れていくことが
できるんだよ。

まふまふ

でもね?

まふまふ

僕は死神なんだっ!

''死神''なんて名前には、 似ても似つかない、 太陽のような笑顔だった。

少女

それでも……いいよ。

少女

早く私を、
天国に連れてって…?

一刻でも早く。また、 辛いめに会う前に。

天使さんは、少し眉を下げる。

まふまふ

う〜ん……

少女

……出来ないの?

まふまふ

……出来るよ。
僕は、死神だから。

少女

じゃあ、お願い!

少女

私を、殺して。

まふまふ

………うん。

少女

うふふっ、
私、今すごく嬉しいの!

少女

もうすぐで、
この世界からお別れ
できるんだもの!

自然と笑顔になれるなんて、 いつぶりだろう。

まふまふ

……そっか。

少女

ねぇ、どうやって私を
殺してくれるの?

少女

わがままかもしれないけど、
痛くないといいなぁ……
なんて…

まふまふ

痛くないよ。

まふまふ

ふぅって、
息を吹きかけるだけだから。

少女

それだけで、
天国に行けるの?

まふまふ

うん。僕はね、
''命のロウソク''の
火を消せるんだ。

少女

命のロウソク?

まふまふ

そう。1人ひとつずつ
持っててね、

まふまふ

そのロウソクが
燃え尽きて、
火が無くなったら、
寿命なの。

少女

……うん。

まふまふ

僕はその火を、
意図的に消すことが
出来るんだ。

少女

そうなんだ。素敵ね。

まふまふ

……うん、ありがとう。

少女

………それじゃぁ、お願い。

天使さんは私の目を、 手のひらで覆う。

すごく、暖かかった。

まふまふ

それじゃあね。

まふまふ

来世は、どうか、
幸せに………

少女

うん、ありがとう。

少女

あなたに会えて、
良かった……

ふぅっと、暖かい風が吹いた。

体の奥から何かが抜け出た気がして、 ふわっと、

軽くなった。

生まれて初めて、幸せだった。

まふまふside

少女の身体から、力が抜ける。

僕は少女の身体を受け止めて、 横たわせる。

まふまふ

………ごめんね。

まふまふ

こんな風にしか、
出来なくて。

そらる

………また泣いてんのかよ。

まふまふ

まふまふ

そらるさん………

彼は、死んだ人間を天国に送る 死神だ。

そらる

本当は、目を手のひらで
覆う必要ないんでしょ?

そらる

泣いてるところを
見られたくないんでしょ?

まふまふ

………そうですよ。

まふまふ

だって、これからこの世に
お別れするのに、

まふまふ

見送る人が泣いてちゃ
ダメでしょ?

そらる

………うん、そうだな。

そらる

まふまふは、優しいな。

その言葉だけで、 僕の心は僅かに軽くなる。

死神とは思えないほど、 彼は、優しい。

まふまふ

まふまふ

ねえ、そらるさん。

そらる

何?

まふまふ

これ以外の救い方って、
ないんですかね………?

まふまふ

僕達は、命を奪う事でしか、
彼女達を救えないんですかね……?

そらる

…………

まふまふ

本当は、この子達が、
これから楽しく
人生が送れるように………

まふまふ

手助けしてあげられるのが………

まふまふ

一番なのに……

そらる

そらる

俺らは、死神だからな……

まふまふ

死ぬ瞬間に幸せだなんて、
本当は思わない方がいいのに…

まふまふ

僕達には………

そらる

まふまふ。

顔を上げると、 そらるさんが僕を抱きしめてくれた。

そらる

まふまふは、悪くない。

そらる

俺らに出来る最大のことは、
これが限界だ。

そらる

だから、自分を責めるなよ……

僕は、ゆっくりと そらるさんの背中に手を回す。

まふまふ

……ありがとうございます。

1人でいい。

たった1人でいいから。

そらるさんみたいに優しい人が、

幸せにしてくれる人が、

この子達にもいたら。

救われたのかな。

僕みたいに。

僕はそっと、 意識のない少女の頭を撫でた。

まふまふ

………ごめんね。

もう一度そう言って、 彼女を天国に送った。

ノンカフェイン

どうも、ノンカフェインです

ノンカフェイン

はい、またまた思いつきで
書いてしまいました笑

ノンカフェイン

小さい頃読んだ本に、
命のランタンの
火が消えたら、
死んでしまうっていう
お話があって、

ノンカフェイン

何となくそれを
イメージして
書きました。

ノンカフェイン

自殺してしまうなら、
幸せに
死んでほしいなー………
みたいな……?

ノンカフェイン

思いつきにしては、
長いお話に
なっちゃいましたね笑

ノンカフェイン

そろそろ皆さんも
疲れてきちゃいそうなんで、
この辺で。

ノンカフェイン

ここまで読んでくださって、
ありがとうございました!

この作品はいかがでしたか?

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