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ぬっしー
ぬっしー
ぬっしー
ぬっしー
ぬっしー
ぬっしー
溶けた欠落種の残骸から激しい煙が上がる中 , 二人がバチバチと火花を散らしていると ――物置の影からひょっこり少女が姿を現した。
???
日菜
蒼
スケッチブックをぎゅっと抱え , おどおどとした様子で佇んでいたのは……クラスメイトの小林ちゃんだった。
金髪に近い淡い髪に小さなおさげ , ぐるぐるとした特徴的な瞳をパチパチさせて , 目の前の惨状にぽかんとしている。
める
日菜
日菜の手元に一瞬で殺気が宿る。しかし小林ちゃんは , 警察に電話するでも悲鳴をあげるでもなく , どこかマイペースに首をかしげた。
小林
小林
蒼
小林
小林
独特すぎる感性とマイペースさに , 日菜も毒気を抜かれて構えを解いた。
小林ちゃんはいじめられっ子で , 放課後はいつもこうして教室を抜け出し , 誰も来ない校舎裏でひとり絵を描いていたのだ。
める
必死にごまかそうとするめる。すると小林ちゃんはトコトコと歩み寄り , ぎこちなくスケッチブックを差し出してきた。
小林
ページを開くとそこにあったのは , 異形でも狂気でもなく――夕日を浴びて綺麗に描かれた校舎と , どこか優しげな顔をしためるの素描(デッサン)だった。
小林
日菜や蒼のような「血と毒の狂気」に満ちた魔法少女たちとは違う。
ただ傷つき , 居場所がなくて絵を描いている…… この殺伐とした世界で唯一の「純粋でまともな人間」。
める
仮面を被った優等生としてではなく , ひとりの人間として向けられた素朴な好意に , めるの胸が小さく温かくなる。
小林
スケッチブックを抱え , ぺこりと頭を下げてトコトコ去っていく小林ちゃん。
日菜
蒼
二人の狂った少女に挟まれながら , めるは遠ざかる小林ちゃんの背中をそっと見つめていた。
このドロドロに壊れた日常の中で , 小林ちゃんの存在が小さな救いになるのかもしれない――そう思いながら。
ー 翌 日 の 放 課 後 ・ 2 階 の 渡 り 廊 下 ー
小林ちゃんとの出会いから一夜明け。めるは一人 , スケッチブックを抱えて歩く小林ちゃんの姿を見かけた。
しかし , その行く手を数人の女子生徒たちが塞ぐ。
ねえ小林〜。また変な絵描いてたの ? 見せてよ〜
小林
は ? 白石さん ? アンタみたいな陰キャが白石さんと関われるわけねぇだろ ! 調子乗ってんじゃねぇよ !
バシッ ! !
スケッチブックが叩き落とされ , 廊下にパラパラと白い紙が散らばる。そこには昨日描いた , めるの優しい微笑みの素描(デッサン)があった。
いじめっこたちがそれを踏みつけようとした , その時――。
蒼
ひらりと踊り場から現れたのは , 藍色のカーディガンを着崩した蒼(rey)だった。
おい……誰だよアンタ ! 他校の生徒が勝手に入ってくんなよ !
蒼
蒼の猫のような瞳から一瞬で光が消え , 氷のように冷たい殺気が露わになる。
蒼
な , 何この人……頭おかしいんじゃないの ! ?
め , めんどくさそうだし , 行くわよっ !
蒼の異様な雰囲気に呑まれ , いじめっこたちはチッと舌打ちをして逃げ出していった。
小林
蒼
へらへら笑いに戻った蒼が散らばった絵を拾い上げる。そこへ , 騒ぎを聞きつけた不機嫌そうな日菜とめるが駆けつけてきた。
める
小林
泥のついたスケッチブックを申し訳なさそうに抱きしめる小林ちゃん。
日菜
日菜
日菜はつれない態度を取りつつも , 小林ちゃんのスケッチブックについた泥を , 自分のハンカチでそっと拭き取ってあげていた。
小林
日菜
完璧を演じることでしか自分を保てない日菜。 命令のすべてを拒絶し毒を吐く蒼。 そして , 居場所のない世界で静かに絵を描く小林ちゃん。
狂った魔法少女たちの真ん中で , 小林ちゃんの持つ「普通で素朴な温もり」が , 殺伐とした彼女たちの心を少しずつ解かしていく。
――ピロン♪
その時 , 三人のスマホが同時に不気味な重低音を響かせた。
画面に浮かび上がる黒いノイズ。
【突発クエスト:大型欠落種の即時討伐】 ※討伐対象:校舎裏に潜伏する大型欠落種 1体 ※参加者:白石める / Rei(日菜) / rey(蒼) ※失敗ペナルティ:全員の隠したい日常の秘密(家庭の虐待・偽りの性別・契約の事実)を学校および親へ一斉送信 。
とわ
蒼
ガラスを破り , 巨大な黒い影が廊下へと侵入してくる。
める
守るべき「普通の日常」ができたことで , めるは5キロの鉄ステッキを強く , 強く握り直した――。
――バリシャキィィィンッ ! !
める
蒼
日菜
小林
める
イイ子ニシナサイ……ッ ! 先生ノ……親ノ……言ウコトヲ……ッ !
現れた欠落種は , 無数の歪んだ「人間の腕」がムカデのように連結した不気味な怪物だった。
小林
爆風と圧倒的な異形に押し倒され , 小林ちゃんが床に尻餅をつく。
日菜
める
――ガキィィィンッ ! !
めるは重さ5キロの鉄塊ステッキを力任せに振り抜き , 襲いかかってきた怪物の無数の腕を力で力任せに弾き返した
強烈な衝撃がめるの腕を痺れさせ , 制服の袖が弾け飛んで腕の皮膚が裂ける。血が赤く飛び散る。
小林
める
血を流しながらも , 必死にステッキを構え直して小林ちゃんの前に立ちふさがるめる。 その背中はあまりにも小さく , けれど泥臭い執念に満ちていた。
蒼
――ドグシャアアアッ ! !
める
r e i .
日菜の瞳が狂気に染まり , 紫色の光の鎖が欠落種の無数の腕を次々と叩き折りながら縛り上げていく。
r e y .
――ドバババババッ ! !
蒼(rey)の口から放たれた極毒の濁流が , 縛り上げられた欠落種の半身をドロドロに溶かしていく。 凄まじい白煙と悪臭が渡り廊下に充満する。
ギャアアアアアッ ! ?
悲鳴を上げる怪物。その隙を逃さず , めるは血まみれの腕でステッキを両手で握り締め , 咆哮とともに跳躍した。
m e l t .
――ドグシャアアアッ ! !
頭上から叩きつけられた5キロの鉄塊。肉が潰れ , 骨が砕ける不快な音とともに , 欠落種の頭部が床に叩きつけられて粉砕された。
黒い霧となって消えていく怪物の残骸。
戦闘が終わった渡り廊下に , 少女たちの荒い呼吸音だけが響く。 変身が解けためるは , 膝から崩れ落ちそうになった。
める
小林ちゃんは震える手でスケッチブックを強く抱きしめたまま , 呆然とめるを見つめていた。
学校で見せる完璧な優等生の微笑みではない。
血に塗れ , 服を破らし , 息を絶え絶えにしながらも自分を守ってくれた , 生生しい白石めるの姿。
小林
める
小林ちゃんのぐるぐる目の瞳から , ぽろぽろと大粒の涙が溢れ出す。
小林
小林
恐怖ではなく , 息を呑むような感動。小林ちゃんは泥と血で汚れたスケッチブックを広げ , 震える指で鉛筆を握り直した。
隠していた「痛々しい本物」を見せても , 小林ちゃんは逃げなかった。 それどころか , その歪みを包み込むように愛おしそうに見つめてくれた。
日菜
蒼
とわ
とわ
血と毒の匂いが残る渡り廊下で , 少女たちの壊れた絆に , ひとりの絵描きの少女が静かに加わったのだった――。
ぬっしー
ぬっしー
ぬっしー
ぬっしー
ぬっしー
#りうら ほとけ 初兎 ないこ if 悠佑
ちくわ🤍
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