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左右特になし
※attention※
nmmn 捏造 不穏め ご本人様関係なし 地雷の方は閲覧非推奨
♫♪♫♪〜〜
音楽が聞こえ、目が覚めた。
また、これか、。
いつまで、いつまでこれは続くのか。
髪をかき上げてため息をつく。
ベッドに置かれたスマホを手に取る。
メッセージやらなんやらの通知がたくさん溜まっているが、そんなものは気にしない。
スマホを投げ捨て、サイドテーブルへと手を伸ばす。
手に取ったのは煙草とライター。
1本取り出し、慣れた手つきで火をつける。
一吸いして立ち上がり、リビングへと向かった。
寝室から出て、いつものようにソファーに座る。
煙草を咥えたまま、散らかった机の奥にある棚を眺める。
そこにあるのは満面の笑みで笑う彼が映った写真がある。
何日も、何日も何日も、毎日同じ光景を見ているはずなのに
見るたびに心が痛み、より一層未来などないということを実感させられる。
事件から1ヶ月が経ったあの日。
ローレンは死んだ。
ローレン
湊
反応した彼の手を握りしめた。
彼も弱々しい力で握ってくる。
ローレンが目を覚ました。動いている。話している。
だが、その幸福は一瞬で崩れた。
ローレンが泣きそうな顔になる。
ローレン
ローレンはひと言を残すと目を閉じる。
そして、彼の手から力が抜け、下へと落ちていった。
ピーーーー
病室に聞いたことない音が鳴り響く。
は??
一瞬で俺の頭は真っ白になった。
湊
力が抜け、目を閉じている彼の肩を揺する。
湊
ガラガラと大きな音を鳴らして病室に看護師と医者が入ってきた。
だが、俺にはそんなのを気にしている暇はなくとにかく目の前の彼を起こそうとする。
湊
医者
医者が俺の体をローレンから離そうとしてくる。
湊
俺がいくら名前を呼んでも、ローレンは反応しない。
彼が目を瞑ったときに溢れた涙が彼の頬を伝う。
彼の体は微塵とも動かない。ただ、無表情で目を閉じているだけだ。
俺は無理やり医者に引き剥がされ、ローレンの周りは医者と看護師に囲われた。
目の前で起こっていることが現実だと思えない。
なんで、なんでなんでなんでなんで、
湊
ずっと病室に響く警告音で耳がおかしくなる。
その音は俺に現実を突きつけてきていた。
医者
医者が指示を出す声とガヤガヤと動く音が病室を満たす。
うまく呼吸ができず、息が荒くなる。
フッと力が抜けて、椅子に崩れるように座った。
俺はまだ目の前で起こっていることを理解できていなかった。
・ ・ ・
数十分後
医者達は手を止めずに処置をしている。
ローレンの体は胸を押される勢いで動いている。
無表情で、目をつむり、自分の意思で動かない彼。
もう、、見ていられない…。
湊
俺が声を発すると医者達は手を止めた。
湊
椅子に座ったまま、震えた声で軽く頭を下げた。
そこから医者達が部屋から出ていくまで記憶は残っていない。
・ ・ ・
今、この病室にいるのは2人だけ。
ローレンはずっと付いていた器具などを全部取られ、元通りの姿に戻った。
相変わらず目を閉じている彼の手に触れる。
湊
彼の手には俺の知っている温もりはなく、感じたことのない冷たさだった。
機械音も、呼吸する音も、何も聞こえない。
静かな空間にポタポタと液体が落ちる。
温もりがない彼の手を前みたいに握りしめる。
湊
目からあふれたものが頬を伝いこぼれ落ちる。
湊
手を握ったって、声をかけたって、俺が泣いたって、無意味だってわかっているのに。
まだ希望を持っている自分が何処かにいる。
湊
もう、彼は動かない。喋らないし、笑わない。
こんな姿にしてしまったのは
ぜんぶ
ぜんぶ、ぜんぶ、ぜんぶ、ぜんぶ、ぜんぶ、
俺のせいだ
あれから数時間、俺は彼の隣から動けなかった。
いくら名前を呼んでも、手を握っても、彼は動かない。
呼吸すらしない。
医者に呼び出され話をされるまで、現実を見れなかった。
いや、話をされてもどこか抵抗していたと思う。
こうなってしまった原因だったり、なんやかんや話された。
何回か謝られた。けど、あんたは何も悪くないんよ。
何をされてもローレンという光を失った俺には絶望しか感じられないのだ。
そこから数週間、
葬儀やらなんやら、いろいろとあった。
ローレンには家族がいなかったから火葬のあとの収骨は俺一人でやった。
肉体が無くなり、骨だけになった彼を見て本当に全てを失った感覚がしてまた涙が止まらなかった。
全てが終わって、家に帰り、1人になった瞬間、
彼はもういないこと、
俺は独りになったこと、
俺に全てが降りかかってきた。
悲しみ、孤独感、絶望、
俺の心はそれだけで満たされていた。
ローレンがいた時は彼でいっぱいだったのに。
そこからずっっと涙が止まらなかった。
泣き疲れて、寝て、起きて、彼がいない事に気づき、また泣いて、寝て、お腹が空いたら少しご飯を食べる。
1人のご飯は本当に味がしなかった。
そしてまた涙が溢れてくるのだ。
だが、一ヶ月が経った頃から何も感じなくなっていた。
悲しい、悲しいはずなのに、涙も流れてこない。
きっとこの時から俺の心は壊れていったのだ。
そして、俺は重大な決断をした。
空は眩しいくらいに青く、澄んでいた。
そこに向かって煙を吐き出す。
上へ上へと煙が昇っていく。
新しいものを取り出すために二歩先あたりに吸っていた煙草を投げ捨てた。
落ちる音は聞こえない。
そして、胸元のポケットに入っている箱から新しいのを取り出した。
これが、最後の一本。
口で咥え、先の方を手で覆い、火をつける。
彼を感じたくて吸い始めた煙草。
本当は吸えないはずだったのにな。
少しでも、匂いだけでも彼を感じたかった。
こんなことしたって帰って来ないのに。
馬鹿なことしている自分に段々嫌気が差してくる。
全てを吐き出すように深く息を吐く。
もう吸えなくなるとさっきと同じように投げ捨てる。
遠い地面へと落ちていく。
頭の後ろへと手を伸ばして、髪を結んでいたゴムを取る。
ばさっと髪が降りてきた視界が少し狭くなる。
全く髪を切っていなかったためだいぶ伸びてしまった。
彼の髪の長さには程遠いが。
湊
湊
湊
誰も聞くことのない独り言がポツポツと出てくる。
湊
湊
湊
もし、神とやらがこの世に存在するなら、
俺からローレンを奪ったのは天罰なのかもしれない。
だけど、ごめんなさい、
俺はその天罰から逃げます。
彼がいないこんな世の中で生きるなんて、俺にはできない。
彼に触れたくて、匂いを感じたくて、
隣で歩いて、笑ってほしくて、
手を握って、抱きしめあいたくて、
くだらないことではしゃいだり、
また、前の日常が戻ってきて欲しくてたまらない。
気づけば俺の目からはまた涙が溢れていた。
久しぶりに泣いたな、。
俺の願いは叶わない。
だから、もう全部終わりにするのだ。
湊
光の入らない俺の目からは涙が止まらない
湊
俺は、全てを投げ出すために、前へと歩き出す。
湊
湊
彼に語るような一人言を呟き、
俺は地面へと落ちていった。
・ ・ ・
読んでいただきありがとうございます。
【コンプリケイティッド・グリーフ】
愛する人を失った悲しみが癒えず、心が喪失の瞬間に留まり続け、世界の意味や未来を感じられなくなってしまう状態を指す。
【同調】
同調とは、心や感情が相手と同じリズムに揃い、つながっていると感じる状態のことだ。主人公は、愛する人と再び同じ世界に戻れたと感じ、回復や再生のような安心を得ている。
【解離】
解離とは、耐えがたい現実から心を守るために、感情や現実感を切り離す防衛反応である。主人公が感じていた同調は、現実から離れることで成り立っていた幸福だった。
同調という幸福は、 解離という防衛の上に成立している。
コメント
3件
ほんっっとに最高でした…!泣 前話からの急降下でタヒネタがくると心が持たないです…(だがそれが良い) じゃあ、、前話の同調はfwの都合の良い夢ですか……?fwに煙草吸わせたのさすがに好きです、 こんな刺さる作品を書いてくださるりーさんに今年出会えて良かったです🫶🏻︎良いお年を🍀

この作品が2025年最後の作品となります。活動を始めてまだ1ヶ月ほどですが、これからも書いていきますので、よろしくお願いします! それでは、皆さん良いお年を!!