薬依存

こさめはあえて日が当たらない席に座らせてくれた

窓側もこさめだし

そう言って朝と同じ

少しだけパーカーのファスナーを下ろす

こさめの白い肌が目に映る

でも、そういうこさめも好き

さっきから握られているこさめの手は、少し冷たくて気持ちい

夏に差し掛かるのに、いまだに手が冷たいのだ

白い肌を焼きたくない

分かる

俺もこさめの白い肌が大好きだ

いつも触れてくれる優しい肌色

それが変わるのは確かに嫌だ

だけど、本当にそれだけだろうか

俺がもしこさめの立場だったら、

他の人に白い肌を見せたくないっていうのもある

だって焼けるとか、

日焼け止めとかそういうので解決できるし

こさめの白い肌を占領できるのは俺だけ

そういう特別感を手に入れたいのだ

だから、

嬉しいよ？

こさめが肌をあんまり見せない格好で

こさめといると心地いいな…

本当は学校なんてやめて欲しい。一日中部屋でキスとかしたいのに…

こさめは真面目だから、そういうの難しいのかな

好きな声に名前を呼ばれ、はっとする

手を繋いだままバスを降りる

その間も、こさめは歩幅を合わせてくれた

普段家からなんて出ないから、少し…というか、こさめよりだいぶ体力がないのだ

今日は特に歩きにくい

昨日太ももをえぐったからだ

手当してもらったのに、ズキズキと痛む

ひょいっ

あぁ…こういうさりげないところ

好きだなぁ

なつくん軽いな…

もうちょっと食べさせてあげた方がいいかな

昔から好きだった

なつくんのことが

幼馴染で、ずっと一緒にいて

ほんと…振られてからのコンボ綺麗だったよね…

逆に助かったけど

いつか、こさめの好きな感じのなつくんになってくれるのかな

今も好きだけど、

もっと…こさめを求めたりとか…

してくれるのかな

なつくんの手には少し分厚めの本が3冊

こういうところ ほんとに可愛い