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月がポッカリと浮かぶ真夜中。 夜風を切って、コンテナ街の上を 駆け抜ける集団がいた。
砂上流気
西
土方
流気の後ろを走っていた二人は右と左に分かれて行く。
走っていると叫び声が聞こえてきた。
足を進めるたびに、 その声は近づく。
悪魔
上空を飛ぶヘリコプターが照らすスポットライトの真ん中にそれはいた。 人間の世界でありながら、人間とはとても思えない風防をした怪物がそこにいた。
怪物の近くまで来た所で、流気は腰に差した刀を鞘から抜く。 コンテナから飛び降りながら、怪物に刀を振りかざした。
悪魔
バァン!
左右の方向から向かわせた彼女の部下が銃を怪物の方へと発泡し、見事に的中した。
膝をつく怪物
悪魔
砂上流気
悪魔
砂上流気
悪魔
砂上流気
そう言って、流気は刀を構えた。
刀を構える流気のオーラが変わったことに怪物も気がついたのか、片膝をついたまま身構えようと後ろにさがろうとした。
その瞬間、流気の刀身がキラリと妖しく煌めいた。
一線が放たれる。
いつの間にか、怪物の後ろに立っていた流気は刀をブンと振り、血を払うと、懐から出した紙で、刀身を拭った。
グチュリと音を立てて、怪物の上半身が地面へとずり落ちた。
砂上流気
自分の近くに来ていた部下にそう言うと、流気は踵を返す。
────砂上流気 人魔境界線保安局局員
怪物の正体は悪魔という。 悪魔は魔界より来る異種族。
両者の間には明確な法律が在ったわけではないが、暗黙の了解として両境界の渡航は禁断とされてきた。
そんな中、不正渡航してきた魔族を狩り、人間界の秩序を守る。 それが人魔境界線保安局局員の仕事だった。