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つづき

2月11日、土曜日。

おれは彼と約束して、遠出する事になった。

約束の時間を少しすぎた頃、彼が不貞腐れたかのような顔でおれを出迎える。

すち

......ごめん。

おれが子犬のように少し丸くなる。

こむぎ

こんな街中に女の子1人にするとか

こむぎ

さいてーにも程があるでしょ、

彼がむすっとした表情で、そう吐き捨てる。

ふとあることを思い、彼の方を見る

すち

......へ?

こいつさっき女の子って言った...?

女の子なの...??

こむぎ

まーっちゃくん!!

こむぎ

早く行くよ!

すち

ま、待って待って待って!

すち

君女の子だったの!?

先に前を行こうとする彼を止めて、おれは尋ねる。

こむぎ

女の子だけど?

こむぎ

ふつー漢字で気づくくない?

すち

気づかないよ...

すち

そういう名前の男の子かと......

純粋な目でおれを真っ直ぐ見る彼、いや、彼女の方が正しいのだろうか。

おれが頭を抱えながらぶつぶつと呟くと、機嫌を損ねた彼女が言ってきた。

こむぎ

失礼な!

こむぎ

半分合ってるけど!!

彼女が分かりにくいぼけをかましてくる。

すち

合ってるんだ...

おれは無意識につっこんだ。

そんなことも気にせず、彼女は嬉しそうな顔でスマホの画面を見せびらかし、おれに言う。

こむぎ

ほら!予定崩れちゃう!

こむぎ

早く行くよ!

店が並ぶ街。

少し前で、スキップしながら歩く彼女。

そしてあくびするおれ。

すち

眠たい...

こむぎ

もしかして遅刻した理由それ?

おれが一言吐き捨てると、彼女がすぐ笑いながらからかってくる。

ちなみにおれはまじで眠いから寝る(?)

すち

んー......

こむぎ

ちょ、ちょちょ!

こむぎ

こんなとこで寝ないでよ!?

すち

んー...?

おれがふらふらと歩く中、

彼女はおれの周囲を警戒しながら隣を歩く。

傍から見たらただの怪しい2人、

または親子だと思われてそうな絵面。

すち

んで、どこ行くの...

こむぎ

そりゃあ焼肉でしょ!

すち

焼肉...?

こむぎ

そう!焼肉!!

そう言うと、彼女がご機嫌に焼肉店の方を指した

こむぎ

君と会った時皆で焼肉行けなかったから!

こむぎ

君とだけでも一緒に行きたいの!

そう言いながら、彼女は笑う。

まるで、1年後に死ぬ少女とは思えない。

彼女はくるりとおれに背を向け、歩き始める。

......おれはふと疑問を感じ、彼女の後ろを歩きながら問いかけた。

すち

いいけど、お金無駄遣いしていいの、?

すち

その、家族さんの為に取っておくとか、

すち

その方がいいと思うんだけど...

すると彼女は、振り返る事もなく、明るい声で話し出す。

こむぎ

えー?

こむぎ

それだと皆に変に思われるから嫌なんだよねぇ、

こむぎ

そりゃあメンバーの為に機材代とかは取っとくよ?

こむぎ

でも他のお金は必要ないから使い切らないといけないのー!

こむぎ

ほら、早く入ろ!

すち

あぁ、うん...

そう言うと、おれの手を引きながら中へ入っていく。

多分彼女には、死という非現実的な壁に、恐怖というものがないんだろう。

思えば、後10ヶ月もある。

でも、10ヶ月だ。

おれより大切な人と過ごすべきなんだろうって思う。

......まぁ、

すち

(この子が選んだ道なら、おれはどうだっていいか、)

おれは大人しく、彼女と共に焼肉店へ入って行った。

お腹すいちゃうからこれで許して

こむぎ

はいはーい!

こむぎ

ここのお店で1番高いの下さい!

とんでもない事を口にする彼女。

普通なら聞かないよ...

店員さんはそれを聞き入れると、颯爽と店の奥へ入って行った。

すち

足りなくならないか心配なんだけど、

こむぎ

大丈夫大丈夫!

こむぎ

今日は10万持ってきてんの!

彼女はそう言うと、両手を開いて10を表した。

そのあと、すぐに話題を変える彼女。

気変わる速度ジェットコースターじゃん...

こむぎ

昔の人はね!

こむぎ

どこかの臓器が悪かったら、

こむぎ

その動物の臓器を食べてたらしいの!

こむぎ

肺だったら肺、

こむぎ

肝臓だったら肝臓、って!

すち

へぇ、

正直、彼女が何を言いたいのかが理解できなかった。

結局何が言いたいのこの子は...

こむぎ

だから!

こむぎ

ぼく、君の心臓食べたいなぁって!

すち

ふーん、

すち

......へ?

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