ひとりにしないで

いるまくん、やっぱ元気ないや...

もうすぐ夜が明ける時間

今日は誰が行くんだろう...

...いや、僕だ

まだ1回も出てないし、いるまくんを助けないと

いるまくんの役に立てるように...！

待っててね！お友達のみんな！いるまくん！

そもそも人格っていうのも初めてだったし人格として前に出るのは今回が初めてだった

ほんとになれるんだ...

...いるまくんの家

探検してみよ...！

僕は見ての通り初めて来た家の中を探検するのが好き

誰にもバレずに行くんだ！！

バレちゃったら探検は終わり！

言い換えるとかくれんぼ！

人間だった頃からそうだった

そういえば、ほかの人格のみんなも、死んじゃってからここに来たのかな...

僕が死んじゃったとこは学校！！

...の屋上

当時僕はいじめを受けてた

生まれつき視力が悪くて、小さい頃からめがねをかけてた

他の子はみんな、「めがねは大人がかけるもんだ」って言い張ってたな

全然そんなこと無いのに

みんなみんな「大人ぶってる」「かっこいいと思ってんの？」

大人になんてなりたくないよ、、かっこいいなんて思ってないよ、、

むしろ邪魔だった

何度か壊そうとした事もあった

お母さんに言う言い訳も沢山考えた

でも出来なかった

やらなかった。勇気がなかった

僕の家はお金がなかったんだ

それなのにお母さんが汗水垂らして働いて買ってくれためがねが、お母さんの頑張りが、なくなる気がしたから

今となってはめがねはもっと安くなっているらしい

もっと遅くに生まれることが出来てたら、僕はここにいることは無かったのかな

最初は悪口を言われるだけだった

小学校5年生に上がった頃には、暴力は当たり前になってた

その時、毎回言われることがあったんだ

「学校来んな」だってさ

そんなこと出来ないよ、

お母さんが心配しちゃうでしょ？

それでも学校には行きたくなくて、1日公園で学校が終わるのを待ってた時もあった

でもやっぱり罪悪感が強くて、、、やっぱり僕にはこの世で生きる権限が無いんだって

ふさわしくないんだって、生きるに値しないんだって、思ったんだ

そう思った次の瞬間には、屋上から飛び降りてた

あ、いつの間にか全部の部屋まわってた...

昔のことを沢山思い出しちゃってあんまり楽しくなかったや、

やらなきゃ良かったな、

和室...

お母さんと一緒に過ごした部屋も和室だったなぁ

なんでだろう、止まらないや...

スー(襖開)

お母さん...

お母さんはよく僕にハグをしてくれた

お母さんじゃないのに、お母さんが抱きしめてくれてるみたいで、

とても安心感があった

その人は、ほんとにお母さんみたいで、僕が感情任せで話してる時も、ずっと抱きしめててくれた。頭を撫でててくれた。

そして、僕なんかで泣いてくれた。

今日僕は、初めて本音で話せたんだ。

セリフをかけ

羊が逃げないように柵をかけ

ハートの中に顔をかけ

丸の中に文字をかけ

ターザンはなんて叫んだ？

うさぎをかけ

第16話ご閲覧感謝です。 是非第17話もご覧下さい✨