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<黎視点>
それから半月ほどが経った
僕らの生活は木霊さんが来たことで
少し賑やかになった
木霊さんは
薪集めや料理や洗濯などをよく手伝ってくれて
とても助かる
たまに僕やコウが
読み書きや簡単な計算を教えている
彼女はすぐに理解する賢い子で
勉強も好きなようだ
だんだんと
人らしい彼女が戻りつつある
しかし
問題はやはり感情だ
喜怒哀楽の「哀」
悲しみは特に彼女が出さない感情だ
コウは彼女の人らしさを取り戻そうと
彼女を驚かせて泣かせようと試みた
イタズラをしていたが
見事に失敗
むしろ、木霊さんに説教される結果となった
「哀」ではなく「怒」の方に成功したかもしれないが
175歳のコウが
9歳の木霊さんに叱られるのは
かなり滑稽だった
トントントン
僕と木霊さんは夕飯の準備をしていた
僕は鍋の火を見て
木霊さんは食材を切ってくれている
明日
黎
明日
明日
黎
明日
明日
黎
黎
明日
明日
明日
黎
黎
黎
明日
黎
黎
明日
黎
黎
黎
黎
朝起きて
黎
黎
黎の父親
黎の母親
家族と食事をして
黎
仕事をして
里花
黎
たまに恋をして
里花
里花
タッタッタ
黎
黎
黎
黎
黎
黎
黎
黎
黎
村の方を見ると
煙が上がっているのが見えました
黎
タッタッタ
村は燃えていました
黎
黎
男1
黎
突然、男が襲いかかり
僕はとっさに近くにあった鍬で反撃した
男1
男2
男2
男1
男達は逃げていった
僕は男達を追わずに家に向かった
黎
両親は息絶えていました
黎
黎
黎
黎
黎
黎
黎
黎
黎
黎
黎
黎
ドクン
黎
黎
角が今のように生えて
そのときから僕は鬼になりました
黎
黎
黎
黎
黎
黎
黎
黎
黎
黎
黎
黎
黎
黎
黎
黎
黎
黎
黎
黎
気づけば僕は何も無い
真っ暗な空間にいました
神は僕に罰を与えたのです
僕はその暗闇の空間で
死ぬことも眠りに落ちることも許されず
一刻一刻を身にしみて感じながら過ごしました
人の肉を喰わない日々が続いたことで
僕は徐々に正気を取り戻しました
そして、気づいたのです
僕の罪を
僕が殺した人は確かに悪人だったかもしれない
でも
僕がその手で彼らの罪を裁く権利など
僕には無かったと
彼らが更生し
光の道に進んだかもしれない可能性を
僕が切り捨てていいものでは無かったのだと
それに気づいた僕は
自分の罪を悔やみ
神の祈りに続けました
そうして
ガラガラガラ
黎
光が差しました
黎
黎
僕は空を見上げた
僕を照らす神は
僕が鬼になってから80年経っていること
暗闇の牢獄に60年入れられた事で
僕の罪は許された事を伝えられ
僕はこの森の管理を命じられたのでした
黎
黎
黎
黎
明日
明日
黎
黎
黎
黎
黎
黎
明日
黎
黎
明日