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運命

2 - 運命…2

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2020年04月10日

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『運命…2』

沙飛純side

カーテンの隙間から差し込む光。

昨日の天気が嘘みたいに空はすっかり晴れていた。

沙飛純

りり、起きて

俺の朝一の仕事、眠りにつくお嬢様の眼を覚まさせること。

莉々

んん…

莉々

おはよ……

沙飛純

ん、おはよ

まだ頭が働いていない様子。

莉々は、普段しっかりしているが、朝だけは弱い。

沙飛純

りり、髪結ぶから

そう一言かけ、りりを抱き上げて俺の膝に座らせる。

莉々は髪を肩につく位まで伸ばしている。

しっかりと手入れされている髪は、毛先が傷んでおらず、 さらさらしていて柔らかい。

いつも横の髪を持ち上げてハーフアップで結ぶ。

沙飛純

ほら、できたよ

莉々

ん、ありがとう

髪を結び終える頃には段々目が覚めてくるのが莉々の日常。

沙飛純

ほら、部屋戻って着替えてこいよ

莉々

わかった

莉々

あとでね

目が覚めても、少しツンツンしてる莉々。

彼氏としては少し寂しいんだけどな…ww

沙飛純

おう

流羽side

いつもと同じベッドで同じ時間に眼を覚ます。

でも今日はいつもと違うことが

流羽

ちょっと、ころちゃん…

隣にころちゃんが居ること。

本来は、お嬢様の立場にいる私が起こしてもらうのが普通だが、 ころちゃんは私が起きる時間にはまだ夢の中。

一緒に寝た時は必ず抱きついてくる。

流羽

もう…//

嫌なわけじゃないけど、恥ずかしい。

流羽

ねえ、起きて

寝息を立てている彼にそう語りかけるが起きる様子はない。

ころちゃんを起こすのに苦労していると、 コンコンコンとドアの音を叩く音がした。

沙飛純

さとみでーす

ころちゃんが寝過ごすことが多いから、 さとにいがいつも変わりに部屋を訪ねてくれる。

流羽

あ、さとにい

流羽

入って!

沙飛純

おー

流羽

ねえ、ころちゃんが…//

沙飛純

べったりだなww

そう、結構な力で抱きつかれていて動くことが出来ない状況だった。

沙飛純

はい、ころん

沙飛純

起きて〜

さとにいがころちゃんを持ち上げて私を楽にしてくれる。 と、同時にやっところちゃんは眼を覚ます。

心音

んあ?

流羽

ころちゃん…

沙飛純

お前、るぅ大好きすぎだろww

心音

ああ…?

起きたのはいいが、頭が働いていないころちゃん。

心音

あ!

心音

おはよ、るぅちゃん

流羽

ふふ、おはよ

やっと目が覚めた様子。

沙飛純

ったく…

沙飛純

下降りて飯食えよー

そう言ってさとにいは朝食の準備の為キッチンの方へ去っていった。

流羽

あの…

流羽

ころちゃん

流羽

着替えたいのですが…

心音

いいじゃん別に

流羽

よくないです!!

流羽

出てって!

心音

ごめんってww

流羽

もう…

莉々side

自分の部屋に戻り着替えを済ませ、沙飛純くんの待つリビングの方へ。

すると、台所に立ち朝食を作ってくれている。

沙飛純くんは心音の替わりにるぅちゃんを 起こすという役目もあるから、朝はとても忙しそう。

莉々

さとみくん!

沙飛純

莉々様

沙飛純

おはようございます

部屋の外となると敬語になっちゃうのが、結構寂しかったりする。

莉々

朝ごはん?

莉々

手伝う?

沙飛純

ダメです〜

沙飛純

りり様はそこに座っててください

沙飛純

危ないですからww

前までは、台所に入れてくれたのだが、 1度火傷をしちゃってからそれ以降入れてくれなくなった。

莉々

むう…

リビングまで朝食の香りが漂ってきた頃、 るぅちゃんと心音がやってきた。

流羽

りりねぇ、おはようございます

莉々

るぅちゃんおはよ〜

心音side

朝食を食べ終えて僕はある部屋に向かった。

心音

お母様、

心音

心音です

心音

失礼します

慣れない敬語を使い少し重い扉を開く。

あら、心音

どうしたの

この部屋はお母様が普段生活をしている部屋。

ここに来たのは、お出かけの承認を得るため。

心音

明日なんですけど…

明日?

鋭い口調で話す彼女。

きっとお嬢様としてみんなに愛されて育ったからこその性格。

心音

流羽様とお出かけをしてもよろしいでしょうか?

特に用事は無いわ

でも、19時には帰ってきなさいよ

その言葉と共にお母様は何かにメモをする。

心音

わかりました

心音

ありがとうございます

僕が外へ出ようとしたときにお母様が声をかけた。

これだけは言っておくわ

執事とお嬢様は結婚できないからね

心音

心音

存じ上げております

僕はそっと扉を閉めて部屋を出た。

部屋を出るとそこには流羽ちゃんが居た。

心音

るぅちゃん!?

流羽

ど、どうだった?

首をこてっと傾けながら心配そうにたずねてくる。

心音

オッケー、貰ったよ

流羽

ほんと!?

流羽

やったニコッ

目を輝かせ微笑む彼女。

心音

かわい…ボソッ

流羽

…///

僕はこの笑顔を執事としてではなく彼氏として護りたいと何度思ったことか…

心音

るぅちゃん

心音

明日どこ行きたい?

少し屈んで、るぅちゃんの目線に合わせる。

流羽

んー…

流羽

デートで行くような所がいい…//

るぅちゃんは顔を赤らめてそっぽを向いた。

心音

ふふふ

自意識過剰と思われるかもだが、きっと僕たちは両想い。

心音

明日、デートっぽいことたくさんしよーね

流羽

…うん!

これは流羽ちゃんも勘付いているはず。

でも、それを口に出さないのはあのきまりがあるから。

流羽

ころちゃん好き…ボソッ

だから僕たちは気づかないふりをするんだ。

続く。

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