TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

涼しいしずく

一覧ページ

「涼しいしずく」のメインビジュアル

涼しいしずく

1 - 涼華の過去

2023年03月17日

シェアするシェアする
報告する

桜がピンクに光り、生徒達の笑い声が響くある春の日

夏川 涼華

(ふぅ、緊張してきた)

夏川 涼華

(馴染めなかったらどうしよう。)

夏川 涼華

(だめだめ。弱音なんか吐いてないで堂々としてなきゃ)

男子

俺今日放課後残りだわー

男子2

まじかよwおつかれ

男子

うっせーな
どうせお前もだろ

男子

....いって!!

男子

お前急に止まるなよ

男子2

いや、見てよあの子

男子

どれ?どの子?

男子2

スーツ着た子、ほらあの子だよ

男子

げ!ちょーかわいい

男子2

やばくね?新任の子かな

男子

おれのクラスでありますよーーに

男子2

お前は北村ちゃん(60代の優しいおばさん)だろ

男子

ま、まぁそっちも捨てがたいわ

男子2

wwwもう北村ちゃんと付き合えよ

男子

それは無理だわ

男子2

ちょっと俺声かけてみよーかな

男子

は!お前待てよ!

男子2

あのー

夏川 涼華

ん、?

夏川 涼華

はい

男子2

新任の方すか?

夏川 涼華

はい!!!!

夏川 涼華

(声かけてもらえた!気づいてもらえた!)

男子2

そうなんすねー、ちょーかわいいすね

夏川 涼華

え?あ、ありがとう?

男子2

あ、てかー......

夏川 涼華

今日から皆さんの担任になることになりました

夏川 涼華

夏川 涼華(なつかわ すずか)
といいます!

夏川 涼華

少し不安なところはありますが、よろしくお願いします!

パチパチパチパチ

野田 冬馬

はい!はい!!

夏川 涼華

えー、野田くん

野田 冬馬

なっちゃんはー彼氏いるんですかー?

夏川 涼華

残念ながらいないんです

野田 冬馬

よっしゃ!

内原 めぐみ

おい野田、なに脈ありだと思ってんだよ

加藤 雪(せつ)

内原嫉妬すんなー

内原 めぐみ

きんも

夏川 涼華

はーい、静かにしてねー

夏川 涼華

あれ、ひとりだけ来てないね

内原 めぐみ

こうちゃんじゃない?

野田 冬馬

こうのすけまた遅刻かよー

加藤 雪(せつ)

始業式に遅刻とはやっぱあいつおかしいな

ガラガラ

野田 冬馬

お、こうのすけー

七瀬 こう

こうだよ!こう!!

夏川 涼華

七瀬?くん、遅刻ですよ

七瀬 こう

あーすいません

夏川 涼華

遅刻理由教えて下さい

七瀬 こう

道端でおばあさんを助けていました

加藤 雪(せつ)

うそつけ

七瀬 こう

俺も逆にいいすか?

七瀬 こう

だれですか?

夏川 涼華

なっ!

夏川 涼華

あなたが遅刻したせいで聞けなかったんでしょ、まぁ、夏川 涼華です

夏川 涼華

早く座りなさい

七瀬 こう

はーい、なっちゃん

野田 冬馬

お前真似寸なよー俺だけの呼び名だぞ

七瀬 こう

は?なんだお前
そろそろ黒染めしてこい

野田 冬馬

生まれたて金髪なんだよ!

七瀬 こう

しょうもね

夏川 涼華

(はぁ、こりゃ大変になりそう)

放課後

七瀬 こう

まじ疲れたーー

加藤 雪(せつ)

よっしゃ、おわりー!!!

七瀬 こう

はー?

七瀬 こう

うそつけ、見せてみろよ

七瀬 こう

お前空白だらけじゃねーか!

加藤 雪(せつ)

北村ちゃんがこれでいいっていうんだもーん

七瀬 こう

北村ちゃんお前に甘すぎ

加藤 雪(せつ)

じゃっ!俺は帰りまーす
じゃねー

ガラガラ

七瀬 こう

結局俺だけかよー

七瀬 こう

やべ、全然おわんねえ

七瀬 こう

てかもう6時かよ

ガラガラ

夏川 涼華

えっ!

夏川 涼華

まだ残ってたんだね

七瀬 こう

あーはい

夏川 涼華

加藤くん帰ったんだ

七瀬 こう

はい

七瀬 こう

名前覚えんの早いっすね

夏川 涼華

キャラ濃い子はいやでも覚えちゃったよ笑

夏川 涼華

どう?終わりそう?

七瀬 こう

(!?びびった、近)

七瀬 こう

まぁ、あと2ページくらいっすね

夏川 涼華

全然「まぁ」じゃないよ!

夏川 涼華

手伝ってあげる

七瀬 こう

ありがとうございます

夏川 涼華

だから、ここは31になって.....

七瀬 こう

なんのシャンプー使ってるんすか

夏川 涼華

は?え、なに?

七瀬 こう

いや、いいにおいっすね

夏川 涼華

あぁ、ありがとう

夏川 涼華

じゃなくて!早く集中してよ

七瀬 こう

教えてくれないんすか?

夏川 涼華

早くしないなら私も手伝わないよ

七瀬 こう

....はい

七瀬 こう

ありがとうございました

夏川 涼華

いえいえー、これからは遅刻しないでよ?

七瀬 こう

精一杯頑張ります、さようなら

夏川 涼華

はーい

夏川 涼華

ただいま

夏川母

涼華!帰るのが遅いにも程があるわ!

夏川母

こんな時間まで....

夏川 涼華

生徒の居残りに付き合ってたの

夏川母

はっ...あなたもお父さんみたいなことして私を悲しませるつもりなの...?

夏川母

だから教師を反対したのよ!

夏川 涼華

うるさい!私はお父さんみたいなことはしないよ

夏川 涼華

疲れてるから部屋行くね

夏川母

涼華!待ちなさい!涼華!!

ガチャン!!

夏川 涼華

はぁ、もう疲れた

夏川 涼華

はやく一人暮らししたいのに...

夏川 涼華

でも、お母さんも不安に感じる気持ちもわかるし......

私が5歳くらいの頃だったと思う

父は高校の教師だった

夏川母

あなた、もう無理よ

夏川母

わたし........

夏川父

すまない...本当に本当に......

夏川母

謝ったら済む問題じゃないでしょう!?

夏川母

私達結婚してもう10年になるのよ?

夏川母

なのに..なのにあなたは!

夏川母

17歳の一時の恋心かもしれない子の元へ行ってしまうの?

夏川母

それに..相手の親だって!!

夏川父

おい、もっと声を抑えろ。

夏川父

涼華が起きてしまう。

夏川母

..は?あなたのせいでこうなっているのよ?

夏川父

すまない、もう.......無理なんだ

そうして父は家を出て、それから帰ってくることはなかった。

夏川母

(涙)

涼華

ままぁ?

夏川母

ごめんね、涼華

夏川母

起こしちゃったね

涼華

なんで泣いてるの?まま

夏川母

お父さん....もう帰ってこないって

夏川母

ごめんね...涼華.....ごめんなさい

そうして母は私を強く抱き締めながら沢山泣いていた

その時の私はなにもわからず ただ、お母さんの背中をさすっていた

涼華

ただいまー

アハハハッ

リビングから笑い声が聞こえた

なんとなくどういう状況かはわかった

夏川母

あら、涼華帰ってたのね

こんにちはー涼華ちゃん

お邪魔してます

涼華

あ...はい

この男は5人目?いや6人目かな?

母は父と別れてからいろんな男を連れてくるようになった

私にとっては最悪で気持ちが悪くて鬱陶しかった。

その時から私は母に対して反抗的になったんだとおもう

夏川 涼華

お父さん今何してるかな....

夏川 涼華

あの高校生とまだ続いてるのかな

夏川 涼華

そしたらやだな

夏川 涼華

道端にダンボールひいて生活してたらいいのに

夏川 涼華

わたしの家がこんなになったのは全部お父さんのせいだよ...

その瞬間

やっと今までの事が頭に次々と流れていき無意識のうちに涙を流していた

泣いたままベッドに寝転び寝落ちしていた

この作品はいかがでしたか?

0

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚