「最後に伝えさせて。先輩＿＿＿＿＿。」

入学式の春

ドンッ

廊下で肩がぶつかった青髪の1つ上の先輩

素敵な笑顔を向ける貴方に一目惚れをした春

炎天下の暑い夏

陸上部エースの猫宮先輩

汗を垂らし、必死に走る姿はとてもすてきでかっこいい

そんな私はマネージャー

無自覚な貴方にまた心を熱く奪われた夏

文化祭の秋

男女関係なくクラス全員が猫メイドのいふ先輩のクラスの出し物へ来た

男なのに似合ってるのがなんだか羨ましい

意外な一面を持つ先輩にひと心奪われた賑やかな秋

寒いクリスマス･イブの冬

大好きないふくんとの初デート

付き合ってはいないけれど、いふくんから誘ってくれた

こんな僕を誘ってくれるなんて…

期待してしまうよ…///

こうやっていじられてもやっぱり好き……

頬を赤くし、あったかく心を奪われる冬

次は僕が先輩になる春

え、生徒会長めちゃイケメンｯｯ💕

国宝級すぎるｯｯ✨💕

まじやばいｯｯ！！♡

狙っちゃうｯｯ！？♡♡

生徒会書記を務める僕は生徒会の席で座りながらいふくんを眺めている

え、今笑った？？

え、誰にｯｯ？！

私でしょｯｯ！！♡

いや私ｯｯ！！

やっぱり貴方はずるい

期待させる貴方は本当にずるい

ちょっと幼児退行な貴方にキュンとした春

蒸し暑い夏手前

バッシャーンッ！

いふくんの過激なファンに脅された

ほんと馬鹿みたい……w

人を殺す勢いで、どんどん急所を蹴って…殴ってを繰り返してくる

さすがに急所を当てられると痛い

いふくん……

いふ先輩と距離を置かなければならなくなった夏手前

秋が近づいた夏終盤

あぁ……やっぱ嫌われるよね

怖い……いふ先輩に嫌われるのがとてつもなく怖い…

不安でペンが進まない

あぁ……どうしたらいいんだろう

……猫宮先輩と距離を置いてしまった夏終盤

薄暗い部屋で1人うずくまる肌寒い秋

不登校になってしまった自分

ピンポーン

窓から家の前を見る

やっぱり今日も猫宮先輩がプリントを届けに来てくれた

でも、僕は出ることができない

怖いんだ

君はいつからか姿を出さなくなってしまった

何があったのか……いじめを受けていたのか…

冷たい風に吹かれ、君を待ち続ける秋

4時でもすっかり暗くなってくる秋終盤

君のいない机をなぞる

君の机は、傷つけられた跡や落書きを消した跡が沢山あった

気持ちが汚くグチャグチャの俺

これからは大学受験もあってなかなかほとけの家へ行くことができない

あぁ……

どうしようもできない自分に腹が立った秋終盤

正月がすぎた寒い冬

僕が祈っても意味が無いかもだけれど

傍にいれない今はこういうことしかできない

合格祈願のおまもりを買おうかと思ったが

自分が買ったって渡せるわけでもないから…やめておいた

そんな独り言を呟いて

何もかも諦め、寒さで隠した冬

流れは早く、卒業式の冬終盤

そんな叶うわけのない欲望を呟いた

こいつは……ほとけをいじめた奴……ｯｯ

こういう奴は癇癪起こすとすぐ手が出る

だから嫌いだ

バチンッ！！

思いもよらなかった。君が…

ほとけが来てくれるなんてッ

そう。俺らはこれが最後

あぁ……楽しい

僕だけしか知らないいふくんの姿

俺だけしか知らないほとけの姿

貴方/君と出会った頃の暖かさの日に

また好きになった冬終盤

𝑒𝑛𝑑