子供なら…無理もない
その歳で、何も知らず、ずっと此処にいる…
耐えられる訳が無い
だが、ということは…
おかしい、
私なら…こんな子供なんて放置して、自分のやるべき事をするだろう
でも…何故か、この子の前から足が動かない
こんな事してる場合じゃないのに…どうして、
嗚呼…そうだ、
この子には…何か、特殊な能力があるのだろう
心に直接語りかけてくるような…訴えてくるような、
だから離れられなくて、狂わされる
それから、この少女と過ごすようになった
"傍にいるだけ"と言ったが、本当にその通り
勿論こちらは何も話さないし、向こうも話しかけてこない
私には、それが凄く居心地が良かった
無駄に話さなくていい、目の届くところなら自由に動いていい
私は少し、子供を舐めていたのかもしれない
この子が話しかけてくるのは珍しかった
懐かしく思えたその声は、少し震えていたような気がする
そういえば、私はなんというのだろう
名前は、その人物の象徴となる重要な存在なのに
正直、私は名前は必要ないと思っていた
名前が無くとも、彼女、この子、あいつ、色々呼び方はあるのだから
それを少女に言うと、少女はこう言った
あぁ、まただ
心へ直接来る話し方
この話し方をされると、何故だか反論ができなくなってしまう
…私は何を言っているのだろう
そう言われても、私にこう言わせたのは貴方でしょうに
……この子は、少し苦手かもしれない
自分の名前なんて正直どうでも良かった
なんと言われようと気にしないし、名前なんて必要なかったが
また少女の力で言わされてしまった
そう言いながら、"例の一冊の本"を取り出した
ページをパラパラ捲っていき、ある1ページに辿り着く
実際にある雨の種類だ
子供がつける名前に、由来はあるのか…
…初めて、
少女を嫌悪の目で見たときでした
コメント
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さ、最後あれな、なんだ?(笑)
さ、最後...あれ? 黒雨さん優しいんだね~
最後、黒雨さん…!w嫌悪の目で見ないであげてください!中身の話ではないかもしれないじゃないですか!とにかくこの2人の絡みが可愛いことが分かりました!!