僕は至って普通の男子高校生。
………ではない。
僕はかなり普通ではない高校一年生の''腐男子''だ。
歩夢
よっ湊 今日もイケメンな面しやがって!!
湊
え、あ、ありがとうなのか…??
みんなから見た僕はそこそこ顔面偏差値が高いらしい。
でも腐男子だから。
歩夢
湊〜!!ここわからないから教えてくれよ〜
湊
そういう歩夢もイケメンだよね
歩夢
えっ
やばい、つい口に出してしまった。こういう所だ。
湊
あ…気にしないで。
歩夢
お、おう
ここに来てまで今更な事を言うけど、僕は歩夢の事が好き。
勿論恋愛目線で。
世間からは気持ち悪いって言われるけれど
もう慣れっこだ。慣れたくなんてないけどね。
夏希
湊君、一緒にお昼いいかな…?
湊
あ、えと、いいけど…僕と食べてもつまらないよ
夏希
いや、…あの、とりあえずいっしょに!!
湊
あ、はい
同級生の女の子からお昼を誘われた。
僕は女の子が苦手なんだ。かなり。
夏希
…あのね、お昼を誘ったのも勿論一緒に食べたかったからなのが一番だけど
夏希
話があるんだ。
湊
話?
夏希
…ドラマみたいなシチュエーションでごめんね、
夏希
私湊君の事が好きなの、結構前から。
湊
え
夏希
勿論湊君が腐男子っ…というか、女の子を恋愛目線で見てないのもしってるよ?
夏希
ただ、思いを伝えたかっただけなんだ。ずっと溜め込んでるもの嫌だし…
湊
そう…なんだ、なんかごめんね…僕が男の子を好きじゃなければ、
湊
君の告白にもokしてた筈だよ…えっと…夏希さんだっけ?
夏希
は、はい…
湊
本当にごめんね、これからもずっと友達でいてほしいな…
夏希
う、うんっ、湊君がそう言うなら!
こうしてお昼は終わった。
僕が腐男子なためになんでこうも人を傷つけてしまうのか。
どうして''こんなの''に育ってしまったのだろうか。
悩みに悩んでもノートは真っ白、頭も真っ白、何も手につかないだけ。
歩夢
湊ー!!帰ろうぜ!!
湊
うんっ!…あっ、夏希さん、じゃあね!
夏希
!…うん、じゃあね!また…明日!
振ってしまった相手と別れを告げるのは何かが痛い。
''また明日''、明日、彼女にどんな顔を見せればいいんだろう。
なんて事を考えながら歩夢と一緒に帰るけれど、
歩夢
湊?どうしたんだ?
湊
あっ、ううん、なんでもないよ!!
明日、なんて言おうかな。