これ以上ここにいたら、 みっともなく泣いてしまうと思った僕は、 急いで家に入った。
同時に、 バタン!!と大きな音を立てて閉まるドア。
僕はドアにもたれながら、 その場にしゃがみこんだ。
JUNGKOOK
タガが外れたように、 瞳からとめどなく溢れ出した涙。
誰もいないのに、 昔からの癖で、 声を押し殺しながらひたすらに泣いた。
あのままテヒョニヒョンの前にいたら、 なんだかとんでもないことを口走ってしまいそうだった。
…ねぇ、テヒョニヒョン。
今すぐ、 全部吐き出したい。
__寂しい…辛い…って。
V
本当はテヒョニヒョンの前で、 一緒に泣きたい…。
でも、 そんなこと言ったら、 テヒョニヒョンはますます僕を嫌いになる。
JUNGKOOK
もう、 どうすることもできない。
どうしようも…ない。
何年も会いたくて、 テヒョニヒョンとの再会の日を待ちわびた。
本当に本当に、 ただただ会いたかっただけ…。
JUNGKOOK
JUNGKOOK
僕の消えそうな声は、 静寂に埋もれ誰の耳にも入らない。
張り裂けそうな心臓付近をギュッとつかみ、 声を押し殺して、 僕はただ泣くことしかできなかった。
______
J-HOPE
SUGA
現在、体育の授業中。
ホソクとユンギは、 先程の50mと1000mの計測に疲れてしまったみたいで、 運動場に座り込んでいる。
JUNGKOOK
僕はぐったりしている2人に駆け寄って、 持ってきたお茶を手渡した。
J-HOPE
SUGA
よほど喉が乾いていたのか、 いい飲みっぷりの2人に思わず笑みが漏れる。
昨日はあれから泣き疲れて、 何もせずに寝てしまった。
JUNGKOOK
JUNGKOOK
それにしても…
昨日、 ホソクとユンギはテヒョニヒョンのこと知ってるみたいだった。
というより、 僕以外の5人はもともと仲がいいような雰囲気を感じた。
JUNGKOOK
恐る恐る聞いた僕に、 2人は不思議そうな顔。
J-HOPE
SUGA
言いにくそうに言葉を濁す2人に、 僕は唾を飲んだ。
JUNGKOOK
2人は目を合わせてから、 気まづそうに僕を見る。
SUGA
沈黙を被る、 ユンギの言葉。
予想外のセリフに、 思わず口をぽかんと開ける。
J-HOPE
J-HOPE
続いてホソクが、 焦ったように早口でそう言った。
JUNGKOOK
JUNGKOOK
もうテヒョニヒョンのことを話してしまおうかと思ったけど、 僕は先ほどの2人の言葉が引っかかった。
JUNGKOOK
JUNGKOOK
その真意が聞きたくて、 あえて幼なじみだと明かさず聞いてみた。
2人は再び顔を合わせたあと、 俯きながら口を開いた。
J-HOPE
……え?
SUGA
J-HOPE
JUNGKOOK
JUNGKOOK
初めて聞いた。
同時に、 あることに気づいた。
そうだ、 僕はどうしてその可能性を考えなかったんだろう。
驚愕(きょうがく)の真実に開いた口が塞がらず、 頭の中は真っ白。
JUNGKOOK
JUNGKOOK
JUNGKOOK
考えれば考えるほど、 胸が痛いほど締め付けられる。
JUNGKOOK
二人に心配をかけないように、 精いっぱいの笑みを浮かべた。
でも、 今にも泣きそうな状態で、 上手く笑えてるのか分からない。
JUNGKOOK
JUNGKOOK
どこか人のいない場所に行こうかと考え、 立ち上がる。
__ドンッ
すると、 後ろから来た誰かとぶつかってしまった。
JUNGKOOK
避ける間もなく、 地面に倒れ込む僕。
J-HOPE
SUGA
SUGA
手の甲を擦ってしまったようで、 血がにじみでていた。
JUNGKOOK
心配してくれる2人に「大丈夫だよ!」と言って、 それほど痛くないアピールをする。
J-HOPE
SUGA
どうやら、 ぶつかったのはゆかりさんみたいで、 友達から離れ、 焦った表情で僕に駆け寄ってきた。
女子生徒(ゆかり)
女子生徒(ゆかり)
JUNGKOOK
女子生徒(ゆかり)
女子生徒(ゆかり)
女子生徒(ゆかり)
JUNGKOOK
ゆかりさんは僕の手を取って、 起き上がらせてくれる。
そしてそのまま、 手を握らながら歩き出そうとする。
触られた箇所が気持ち悪くて離れようとした僕より先に、 ユンギがゆかりさんの手を振り払ってくれた。
笑顔だけど目が笑っていないゆかりさんと、 容赦なく睨みつけるユンギ。
SUGA
SUGA
威嚇するようなユンギに、 ゆかりさんが笑った。
女子生徒(ゆかり)
意味深な発言をし、 ゆかりさんが指を指した先には、 体育の先生の姿が。
大きく手を振りながら僕達を呼ぶ先生を見て、 ユンギが舌打ちをする。
JUNGKOOK
JUNGKOOK
悪い空気を変えようと、 2人にそう言った。
僕の付き添いで、 2人をさぼらせるわけにもいかないし、 そんな迷惑はかけられない。
J-HOPE
JUNGKOOK
SUGA
JUNGKOOK
笑顔で頷くと、 しぶしぶ、 といった顔で先生のもとへ走っていく2人。
そして、 残された僕とゆかりさん。
女子生徒(ゆかり)
JUNGKOOK
女子生徒(ゆかり)
JUNGKOOK
涼しい顔でかわされ、 僕は仕方なくゆかりさんと保健室に行くことにした。
_______
女子生徒(ゆかり)
テキパキ僕の傷を手当してくれたゆかりさんに、 「ありがとう」とお礼を言う。
なぜか保健室の先生が不在で、 2人きりの保健室。
JUNGKOOK
なんだかゆかりさんと2人きりというのが気まずくて、 早足に去ろうと立ち上がったけど…
__ガシッ。
JUNGKOOK
腕を掴まれ、 後ろに引かれる。
ドサッとそのままベッドに押し倒された。
JUNGKOOK
目の前には僕に覆いかぶさるゆかりさん。
これ、は…。
さすがに危ない状況だと判断したものの、 逃げ道が分からず下唇を噛む。
JUNGKOOK
女子生徒(ゆかり)
図星をつかれ、 何も言えずに視線をそらす。
そんな僕の反応に、 ゆかりさんは鼻でふっと笑った。
JUNGKOOK
JUNGKOOK
掴まれている手を振り払おうと力を入れるけど、 離されないゆかりさんの手。
JUNGKOOK
女子生徒(ゆかり)
女子生徒(ゆかり)
女子生徒(ゆかり)
JUNGKOOK
JUNGKOOK
女子生徒(ゆかり)
女子生徒(ゆかり)
耳元で囁かれ、 体にゾワゾワっとした悪寒が走った。
女子生徒(ゆかり)
JUNGKOOK
とっさにそう言ってしまい、 ゆかりさんが吹き出す。
女子生徒(ゆかり)
女子生徒(ゆかり)
今日も朝、 たくさんの男の人に騒がれているのが見えた。
けど、僕は…。
僕の心を動かせるのは、 この世にたった一人だけ。
JUNGKOOK
テヒョニヒョンが僕を好きじゃなくても、 テヒョニヒョンが僕を嫌いでも、 僕はテヒョニヒョンが好き。
大好き。
テヒョニヒョンしか、 好きになれない。
だから、 こんな軽い告白に応えることはできない。
僕の返事に口角をあげるゆかりさん。
徐々に距離を詰めてきて、 また、 耳元に息を吹きかけられた。
女子生徒(ゆかり)
女子生徒(ゆかり)
全身の血がサー…っと引く。
JUNGKOOK
脳内で、 警告音が鳴り響く。
コメント
10件
ゆかり馬路で殴ってもいいですk((ごめんなさい
ゆかりが男だったらち○こけってるわ