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A new story begins
呪術師は常に人手不足。
今日も私は戦地へ駆り出される
人間の負の感情から生まれた呪霊を人間が祓う。
なんて皮肉な矛盾だろう
呪霊
羽 瀬 月 乃
羽 瀬 月 乃
彗月呪法──── ・彗(スイ)・玥(ゲツ)・海月(ミヅキ)の 3つを使える ・彗 式神のクラゲを召喚する ・玥 呪力で作った月の刃を飛ばす ・海月 彗と玥の混合技
正直、私は呪いを祓うことなんてどうでもいい。
祓った所でどうせ次から次へと湧いてくる。
次の瞬間、頭に強い衝撃が走った。
羽 瀬 月 乃
視界が歪んだ。同時に視界が紅くなる
あーあこれは死んだな
こんな簡単に死が来るんだ
もうどうでもいいや。どうせあの目的で死ぬんだ
目の前が暗くなって
私の意識は深海に沈んだ。
苦しい。
痛い。
辛い。
早く楽になりたい。
そんな感情が溢れてくる
結局私は生まれた時から海の底に居たんだ
もし…普通の家に生まれてたら
幸福に満ち溢れた人生だったのかな
生まれ変わったら…
いや、無理だな、
私はこの世界で1番幸福を望んじゃいけない
そんな人間なんだから
あぁ大勢に囲まれて死にたかったなぁ
でもそんなの駄目だな
汚い血が流れているんだから大勢の人に囲まれて 死ぬなんて叶うわけが無い。
何でもっと強くなれなかったのかなぁ
五条先生。いいなぁ…
あの人が居たら皆、安心して生きられるよね
私もそんな風に成れたら良かったのに…
……す……て、
誰かの呼ぶ声…?
残念だけど私はもう無理だよ
…た…け…て。
誰……?
…たすけて、
重い瞼を開けるとそこに居たのは自分 自身の姿だった
声の正体は私自身だったのだと気づいた。
そこに居るワタシは私の手を引っ張って明るい方へ連れていこうとした。
羽 瀬 月 乃
ワタシ? ¿
羽 瀬 月 乃
ワタシ? ¿
羽 瀬 月 乃
ワタシ? ¿
瞬きをした時、そこに居たワタシは居なくなって いた。
…せ…!
誰かの呼び声…?さっきとは違う…
…羽瀬!
…!
その時には既に私は光の方に手を伸ばしていた
〇〇✕✕年 8月3日 仄暗い水の底で私は自分自身と会話した。 こんな経験は生まれて初めてだった。 でも気づいた時にはワタシは居なくなっていた。 ワタシは私の本心を教えてくれた。 幸福を望んでも良いのかなって思えた気がした。でも望むのは地獄で罪を償ってからそう思った。 呪術師は常に死と隣り合わせ─────。 身をもってそう改めて思った。
Continued next time