紅マットの唇が静かに微笑んだ
頬杖を付、此方の反応を伺いながら艶やかに笑っている
自分の命の危機に迫られても美しいと感じる
この毒は思ったより厄介らしい
_ 蘭 .
_ ベ リ ー ニ .
彼女の瞳には俺しか映っていなかった
突然腹部に冷たい感覚を覚えた
鉄の音が耳に響いた
恐る恐る腹部を見下ろせば 矢張其処に銃口があった
_ ベ リ ー ニ .
視界が暗転した
直前に聴こえたのは革靴の足音
そして彼女の瞳に映ったのは 黒服の男が数人、俺の背後に立ってた
目が覚めると其処は見知らぬ場所だった
薄暗くて埃が舞っている
あの小さな窓からしか光は差し込まない
月明かりのない夜この部屋に居たら狂ってしまいそうだ
無機質な部屋 何の特徴もない
ただ一つ、あるとすれば
ほんのり血腥い臭いがするということ
鉄の扉が開いた 錆びているのか嫌な音だった
ハイヒ ー ルの足音が響く
血腥い臭いを掻き消す様な薔薇の香り
影の先から現れたのは 恋焦がれた彼女だった
_ ベ リ ー ニ .
驚く程美しい声だった
全てがどうでも良くなる程心地よい感覚
快感,快楽が思考を妨げる
_ 蘭 .
_ 蘭 .
彼女が口角を少し上げて微笑んだ
その瞳は"此奴は狂ってる"と訴えていた
俺も同感だ 俺は狂っている
君を目の前にすると尚更
_ ベ リ ー ニ .
_ ベ リ ー ニ .
_ 蘭 .
_ 蘭 .
_ 蘭 .
コメント
1件
うげーー!!好き