コメント
8件
続き待ってます!
続き楽しみです!
赤葦
木兎
赤葦
一日目が終わった。
何事もなく静かに終わった。
俺はそれが何より嬉しい
まぁ。風呂まだだけど…今は炊き立ての甘いご飯を頬張って癒やされたい
赤葦
月島
月島の器に肉を盛ると眉をピクピクさせて笑顔を浮かべた
さぁ。此の後は一番最初の鬼門入浴だ。
大浴場だし、腕を隠しながら風呂なんて無理だから大人しく後で入ると皆に言って逃げた。
大浴場
赤葦
湯船に肩まで浸かり手に掬った水をぱしゃぱしゃと顔にかける。
そして少し目を瞑って明日のことを考えた。
赤葦
赤葦
頭の中で思考を巡らせているとがらがらっと浴場の扉を開く音が聞こえた。
俺は咄嗟にタオルを腕に被せて隠す。
月島
赤葦
一瞬月島にならバレても良いかなっ何て思ってしまった。
そんなのただのかまってちゃんなのに…
月島
赤葦
赤葦
そんなこんなで数日。
今日は合宿最終日。
木兎
木葉さんからレシーブが飛んでくる。
俺は少しジャンプしてボールを木兎さんに届けようとした。
前半木兎さんがしょぼくれてしまった為相手はマッチポイント。
絶対にミスれないとき俺は足を滑らせて
転んだ。
たかが一試合負けただけ。誰も死なないし、大きな大会でもない
だけど俺はその一点が酷く重く感じた。
赤葦
木兎
木兎
赤葦
赤葦
そう言うと木兎さんは不思議そうな顔をして他のメンバーに僕が外れることを伝えに行った。
赤葦
大会を控えているのに…試合後のミーティングが終わると同時に自己嫌悪と罪悪感がどっと降り注いだ。
苦しくて、息ができなかった
俺は其の儘抜けたじ今体育倉庫に居る。
使うつもりのなかった剃刀をポーチから取り出して
すぅと可愛らしい色をした剃刀を手前に引く。
心の中で木兎さんに御免なさい、御免なさいと誤りながり自分の腕を切りつける
涙がぽろぽろと際限なく溢れ出してくるところで外から「あかーし!!」「赤葦ー」と誰かが俺を呼ぶ声が聞こえてきた
涙を拭って適当に止血して、絆創膏を貼って、何事もなかったかのように試合に戻った。
木兎
木兎さんがまっすぐ天井を見つめながら言う
赤葦
木兎
赤葦
木兎
珍しく沁み沁みとしたことを木兎さんが言うものだから少し、びっくりした。
木兎さんはそれから数分今回の合宿であったことや、面白かったことを沢山話したい
木兎
木兎
赤葦
彼は少し微笑みながらすーすーと寝息を立てて眠っていた
こうやって自然に眠れるのが羨ましい
明日も早い。だから早く寝ようと俺も目を瞑った。此の儘楽しい夢の中へ…
行けるはずもなかった。
木兎さんは最後の年、俺が足を引っ張って、もし春高にもインハイでもいい結果を残せなかったら?
憧れの人にトスを上げられるようになったけれど俺のせいで木兎さんのミスが増えたら?
俺のせいでチームの雰囲気が悪くなったら?
そんな考えが何時間も頭の中でループした
ずっとずっと考えて、思考が晴れなくて、苦しくなって、また考えて
悪循環を更に加速させる
起きているのに金縛りにあっているみたいだ。体が重くて、息が苦しくて、今ここで木兎さんの隣りにいることすら少ししんどいと感じる
赤葦
俺は昼間のポーチと少し水の入ったペットボトルを持ってトイレに向かった。
赤葦
洗面台にはペットボトルの蓋、ポーチ、それと空の小さい瓶。
俺は急にしんどくなったときは切る。考え事をしてしんどくなったときはOD。
今は夜中の二時だし、一番奥のトイレだからきっと誰も来ない
そう思って、瓶を片付けず地面にしゃがみこんだ。
すると…
黒尾
赤葦
黒尾さんは一瞬「赤葦も便所か〜」みたいな顔をした後すぐに目線を俺の頭一個上に上げた。
そして、驚いたような顔でもなく、怒っているような顔でもなく、淡々と
黒尾
赤葦
そう言うと黒尾さんは笑顔でもう一つ質問を投げてきた
黒尾
赤葦
黒尾
黒尾
そう言われて俺は黙り込んだ
何も…言えないし、言うこともない。
しばらく黙っていると黒尾さんは俺の腕を引いてトイレをでると木兎さんと月島を叩き起こしてほけんしつに向かった
木兎
黒尾
黒尾
二人は立ったまますやすや寝始めた。
黒尾さんは二人の頬を一回ずつ平手打ちして、諦めたのか溜息をついた。
黒尾
赤葦
吃りながら答えると黒尾さんは何かを察して謝る
赤葦
黒尾
赤葦
黒尾
自傷の理由とか普通の人、ならどうかは分からないが俺は別に聴かれても情けないと思われる程度だったので躊躇いもせず話した
赤葦
足を引っ張っていると思うこと、自分の失敗が大きな失敗に思うこと、それから色々…全部話した
赤葦
すると
木兎
と木兎さんが子犬のように瞳を濡らして俺を見つめる
赤葦
黒尾
黒尾
黒尾
黒尾さんはまっすぐ俺を見つめるの
赤葦
今黒尾さん相手だからそこ話せた
俺のことをそこまで対して知らない人だから話せた。
木兎さんに全部話す…のは正直嫌だ…
黒尾さんと月島がわざわざ保健室から出てくれた
この空間には俺たち二人、心臓がバクバクする
なんて思われるのか、どんな反応が戻ってくるのか怖くてたまらない
そう、思いつつも俺は浅く息を吸って事実を木兎さんに伝えた
赤葦
赤葦
赤葦
赤葦