雨の日の秘密。

母「天気予報で雨が降るって言ってたから傘持って行きなさい！」

やったね、今日は雨が降る。 雨の日は好き。大好き。 だってヒョンに会えるんだから。

優しくて面白い高校生のヒョン。

雨の日だけ公園にいて、学校をサボるんだって。

今日は体育があったけどヒョンに会うほうが大事だから、公園に行く。

母「行ってらっしゃい、転ばないように気をつけるのよ！」

オンマ、ごめんなさい。 学校じゃなくてヒョンに会いに 公園に行ってきます。

タコの滑り台の中に入ってランドセルを置く。

ヒョンは読んでた本を閉じて 硝子の様な瞳で僕を見つめた。

ヒョンはよく、僕に可愛いって言ってくれる。とっても嬉しい。 僕は可愛いものが大好きだから。

ヒョンが腕を広げる。 その腕の中に飛び込むと、 いい匂いがした。

ヒョンが僕の事を抱きしめながら 耳元で話す。

ヒョンの顔はよく見えなかったけど 少し悲しそうな声をしていた。

そう呟いたヒョンを見上げると とても泣きそうな顔をしていた。