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希望

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希望

3 - ー仲悪いほど仲が良いー

♥

32

2022年02月27日

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理玖

あのさ、、

莉子

理玖

さっきは言いすぎた。

理玖

ごめん。

莉子

理玖

言った言葉は取り消せない事はわかってる

理玖

でも

莉子

もういいよ

理玖

え?

莉子

もう、いいって。

莉子

あの時は私カッとなってムカついちゃったけど

莉子

よくよく考えたら

莉子

私君に恨まれるようなことしてたから

莉子

仕方ないなって。

理玖

莉子

そりゃあそうだよね、

莉子

変なあだ名つけたヤツがこれから

莉子

一緒に生活するなんて

莉子

やだよね。

莉子

ごめんね、私本当はあの後謝ろうとしたんだけどさ

莉子

病気の症状悪化して学校行けなくって

莉子

謝れなかった。

理玖

…あのさ、

理玖

ずっと考えてたんだけど

理玖

アイキモって名前つけたの本当にお前なの?

莉子

うん、そうだよ。

莉子

なんで?

理玖

いや、俺美玲と付き合ってるじゃん?

莉子

あ、まだ付き合ってるんだ

理玖

うん。

理玖

だから本当はあだ名付けたの美玲だけど

理玖

お前が嘘をついて美玲を庇ったのかなって思って

莉子

ごめん、私そんなにいい子じゃないよ

理玖

じゃあ本当に…

莉子

うん。

莉子

なんかあの時は、私より軽い症状なのに

莉子

君が「俺病人だから」って偉そうにしてるように見えて

莉子

ムカついちゃったの

理玖

は?俺そんなふうに…

莉子

君はしてなかったつもりかもしれないけど

莉子

私はそう感じちゃったの。

莉子

あの時、まだ自分の病気を理解できてなかったから

莉子

普通に学校行ける子が羨ましくて…

莉子

…すごく羨ましくて…

理玖

……

彼女はこういう時落ち着いて話す

感情を押し殺してるような

そんな話し方をする

だからさっき声を荒げた時は

とても驚いた

理玖

…それでも僕は許さない

あぁ

俺はなんてひどいヤツなんだろう

彼女の理由を聞いてもなお

許すことができないなんて…

莉子

莉子

それが普通だよ

理玖

えっ?

莉子

えっ?

理玖

えっ?

莉子

ふふっ

莉子

なんで君が「えっ?」なの笑

莉子

君が言った事認めてあげたんだから

莉子

驚かなくても笑

理玖

いや…

理玖

えっと…

理玖

その…

皮肉を込めて言ったのに

予想外の言葉が返ってきて

俺は心がモヤモヤした

莉子

さ、部屋戻ろっか

莉子

もうすぐ月が登ってきちゃう

理玖

うん…

君と俺は立ち上がる

莉子

仲悪いほど仲良くなるんだってー

理玖

それ、矛盾してない?

莉子

ふふっ

理玖

それを言うなら「ケンカするほど仲がいい」だろ?

莉子

そうそう

莉子

だから

理玖

莉子

だから、仲良くしよ?

理玖

え?

莉子

しよ?っていうか、

莉子

仲良くしてくれたら嬉しい…

理玖

仲良く…

理玖

俺友達付き合いあんまわかんないけどいいの?

莉子

えっ…

莉子

も、もちろん

理玖

ふーん

理玖

じゃあ、仲良くしてやるよ

莉子

してやる?

理玖

理玖

仲良くします

莉子

ふふっ

莉子

意外と素直〜

彼女はスキップして扉の方へ向かった

俺の口角が少し上がった気がした

喜代

2人ともーご飯ですよー

莉子

お腹すいたぁ

理玖

(病院のご飯か)

理玖

(まずそ)

喜代

まずくないですよー

理玖

!?

喜代さんが微笑みながら

机に食器を置いていく

莉子

バレバレ

莉子

君って顔に出るよね〜

理玖

はぁ?

理玖

やんのか?

莉子

いいわよ

莉子

喧嘩してやろうじゃないの

喜代

はいはーい

喜代

病院でタイマンはやめましょうねー

莉子

理玖

食器の蓋を開ける

莉子

うわぁ!

理玖

…へぇ

サケとお味噌汁とご飯がメニューだ

莉子

和食大好き

理玖

俺焼き魚嫌いなんだよね

あーまた出たよ俺の皮肉

正直に美味しそうって言えばいいのに

魚が好きではないのは事実だけど。

莉子

はぁー

莉子

文句ばっかり

理玖

っるせーな

理玖

骨が苦手なんだよ

理玖

喉に詰まった事あるし…

喜代

骨は全て抜いてますよ

喜代

100%骨なしです

理玖

!!

莉子

っはは

莉子

君の負け

理玖

喜代

じゃあ食べたら下げにくるので

喜代

ごゆっくり

ガラガラ

喜代さんが部屋から出て行った

莉子

いただきます

莉子

んーおいしぃ〜

理玖

いただきます

理玖

(もぐもぐ)

理玖

(もぐもぐ)

莉子

どう?

理玖

…悪くない

莉子

ね〜美味しいよね〜

莉子

(もぐもぐ)

理玖

……

理玖

はぁ

理玖

(ムカつくヤツだ)

その後は無言で食べ続けた

食べ終わった後

莉子

お腹いっぱい

私は本を読み始めた

もう7回も読んでる本

理玖

ごちそうさまでした

理玖

……

理玖

その本さ、

莉子

ん?

理玖

めっちゃボロボロじゃない?

莉子

うん、何回も読んでるからね

理玖

どんくらい?

莉子

んー7回は読んでる

理玖

…へぇ

私は彼ににこっと笑う

莉子

……

理玖

…なんの

莉子

え?

理玖

なんの本?

莉子

えーっと

莉子

「君の膵臓を食べたい」

理玖

あー

莉子

あ、知ってるの?

莉子

有名だよねー

莉子

なんかこれ読むと自分もやりたいことして生きようって思えるんだよね

理玖

俺はこの話嫌い

莉子

…え、どうして?

彼に向かってニコッと笑う

理玖

主人公の女の子がワガママすぎて

理玖

うざいし

理玖

見ててイライラする。

莉子

で、でもやりたい事をハッキリ言って

莉子

死ぬまでにやろうとするのは

莉子

素敵じゃない?

理玖

全く。だってフィクションでしょ?

理玖

世の中やりたい事を好きにやれてたら

理玖

戦争とか起こらないしね

莉子

……

すごくイライラする

なんでこの人は

人が言ったことに対して

否定しかできないのだろうか。

本当に私はこの人が嫌いだ。

理玖

なんで睨むの?

理玖

自分の感想を言っただけなんだけど

莉子

…もういい

本をしまって

カーテンを閉める

そして自分のベットの明かりを消す

莉子

(付き合ってらんない)

莉子

(もう寝よ)

理玖

はぁー

理玖

…めんどくせ

イライラが増して

涙が出てきた

理玖

…俺も寝よ

カチ

部屋が真っ暗になった

夜中の2時頃

俺は物音がうるさくて起きた

五十嵐

ーーー!!

喜代

ーー!

理玖

(…うるせーな)

起き上がる

理玖

(今何時だと思ってんだよ)

莉子

ゲホッゲホッ

莉子

ゲホッゲホッ

喜代

莉子ちゃん!

理玖

(何か、あったのか?)

カーテンをそっと開ける

莉子

ッハァハァ

五十嵐

おい莉子!!聞こえてるか!

莉子

ゲホッゲホッ

若い看護師

ど、どうしましょ…!

喜代

とりあえず動かせるベッド持ってきて

若い看護師

は、はい!

莉子

ゲホッゲホッ

五十嵐

莉子!!

俺はその慌ただしい光景に

目が離せなかった

莉子

ガハッ!!

五十嵐

血を吐いたぞ!!

五十嵐

喜代!

喜代

はい!

喜代

莉子ちゃん、もう大丈夫よ

喜代

私たちがいるからね

莉子

っ…ハァハァ

莉子

ゲホッゲホッ

五十嵐

莉子ちゃん、ちょっと我慢しててな

ガタガタ

理玖

(ベッドが揺れてる…)

莉子

ガハッガハッ

理玖

(違う…!)

俺が震えてるんだ

目の前にいる人が死んでしまうかも

しれない

その場面に

俺はとても震えてるんだ。

若い看護師

ベッド持ってきました!

五十嵐

よし

五十嵐

喜代さん

喜代

はい!

五十嵐

莉子ちゃんを治療室へ

莉子

ゲホッゲホッ

喜代

わかりました!

五十嵐

今回は肺専門の先生にお願いする

喜代

佐藤先生ですね!わかりました!

若い看護師

莉子さん、移動させました!

喜代

ありがとう

莉子

ゲホッゲホッ

莉子

…ッハァ

五十嵐

もう大丈夫だ。

喜代

莉子ちゃん、ちょっと動きますよー

莉子と医者たちは出て行った

理玖

…ッハァハァ

俺もしかして

ずっと息してなかったのか…?

理玖

…っフゥー

深く深呼吸をする

やっと静かになった

理玖

はぁ…

ガラガラ

カーテンが開いた

五十嵐

君、ずっと見てたんだろ

理玖

出て行ったと思ってたから

すごく驚いた

五十嵐

確か今日入院した子だよな

五十嵐

どうして助けなかった

理玖

…助けるも何も

理玖

俺はさっきまで寝てました

五十嵐

莉子はたまにああなる

五十嵐

だから発作が起きた時は

五十嵐

同じ部屋の人にいつもコールを鳴らしてもらってたんだ。

五十嵐

莉子は君に助けを求めたはずだ

五十嵐

無視したのか?

理玖

は?ちがいます。俺は寝てて…

五十嵐

私たちが気づくのが普段より遅かったから

五十嵐

状態がいつもより悪化したんだ

理玖

俺は…

五十嵐

確か莉子と仲が悪いんだっけな

五十嵐

なんだ?

五十嵐

その恨みか?

理玖

だからちげぇって言ってんだろ!!!

ガッ!

胸ぐらを掴む

五十嵐

…やめなさい

五十嵐

他の患者が起きる

理玖

…っ…

俺は仕方なく手を離した

理玖

すみません…

五十嵐

…はぁ…

五十嵐

…寝る前に莉子と喧嘩したのか?

理玖

…!

理玖

喧嘩っていうか…

理玖

俺があいつの言った事否定したから

理玖

あいつが怒って寝たんです

五十嵐

そういうことか

五十嵐

だから尚更助けを求められなかったんだな

理玖

…ッ

は?こいつ

俺のせいだって言うのかよ

五十嵐

君は病院が本当に嫌いなんだな

理玖

…なんでそんな話に

五十嵐

君の今日の行動を見てたらわかる

理玖

…病院は、大嫌いです

五十嵐

莉子も大嫌いだった

五十嵐

入院当時は君みたいな子だったよ

理玖

え?嘘

五十嵐

まぁ病院が好きな人の方が

五十嵐

珍しいからね笑

理玖

五十嵐

まぁ莉子と仲良くしてあげてよ

五十嵐

あの子元気そうに振る舞ってるけど

五十嵐

内心本当に寂しがりやなんだ

理玖

あいつの事、よく知ってるんですね

五十嵐

あぁ

五十嵐

喜代さんと私はあの子に

五十嵐

慕ってもらえてるからね

五十嵐

俺も喜代さんも家族のように慕ってるよ

五十嵐

でも悪魔で

五十嵐

医者と看護師と病人だ

五十嵐

だから本当の気持ちを打ち明けられてない事が多いだろう

理玖

五十嵐

だから、

五十嵐

君が彼女の心の支えになってくれたら嬉しい

理玖

俺が?

五十嵐

うん、君が。

俺が

アイツの心の支えに?

できるわけないだろ

あいつは俺を嫌ってるし

俺はアイツを嫌ってる

なのに支えになんて…

理玖

俺たち仲悪いっすよ

五十嵐

だからだよ。

五十嵐

ほら、仲悪いほど仲良いって言うじゃないか

理玖

それ、矛盾してます

五十嵐

アハハ

五十嵐

喧嘩するほど仲がいい、だな

理玖

五十嵐

おっと

五十嵐

少し長く話しすぎたかな

五十嵐

すまないね

五十嵐

じゃあゆっくり休んで

ガラガラ

五十嵐先生は出て行った

理玖

多分、俺が震えていたのに気づいて

声をかけにきてくれたんだろうな

ムカつくけど

俺が今まで出会った医者の中で

1番信用できるかもしれない

次の日の朝

莉子

…うぅ…ん…

莉子

(やばいあんまり声出ない)

莉子

(今何時だろう)

時計を手に取る

莉子

(11時!?)

莉子

(私こんな寝てたの!?)

理玖

…起きてる?

莉子

…う…ん…

理玖

開けてもいい?

莉子

…いい…よ

ガラガラ

カーテンが開かれる

理玖

あのさ、、

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