深い深い海の底に、サンゴの壁とコハクの窓のお城があります
そのお城は、人魚の王さまのお城です
王さまには六人の王子がいました
その中でも、とりわけ一番末の王子は容姿が美しかったのです
その肌は雪のようにすきとおり、目は深い海のように青くすんでいます
人魚たちの世界では、二十歳になると海の上の人間の世界を見に行くことを 許されていました
末っ子の王子は、お兄さんたちが見てきた人間の世界の様子を、 いつも胸ときめかして聞いています
ヘチャン人魚
そうするうちに、一番末のヘチャン人魚もついには二十歳をむかえ、 はれて海の上に出る日がきました
喜んだ姫が上へ上へとのぼっていくと海には、 たくさんの明かりをつけた白い船が浮かんでいました
たくさんの船が浮かんでる中、最初にヘチャン人魚の目に入ったのは 他の船よりも一際大きい船でした
ヘチャン人魚
それは王女の船で、その日は、王女の誕生日でした
ヘチャン人魚は船を追いかけると、甲板のすき間から、 そっと中をのぞいてみました
船の中はパーティーをしていて、にぎやかな音楽が流れるなか、 美しく着かざった人たちがダンスをしています
その中に、ひときわ目をひく美しい少女がいました
それは、パーティーの主役の王女です
そのパーティーは、王女の二十歳の誕生日を祝う誕生パーティーだったのです
ヘチャン人魚は自分の鼓動がいつもより大きく、そして、 いつもよりも強く鳴り響くのを感じました
なにより、ヘチャン人魚は今まで感じたことのない、 不思議な感情に困惑していました。その中で、、、
ヘチャン人魚
ヘチャン人魚はポツリとそう言いました
音楽と共にフワフワとなびく王女様の茶色い艶やかな髪、 この日のために洗練されたかのような煌びやかなダンス
そして、誰しもが目に留まるであろう、清楚かつ、 高尚さが溢れ出た美しい顔
ヘチャン人魚は、生まれて初めて恋をしたのでした
それも、人間を相手に....
ヘチャン人魚
ヘチャン人魚は夜になっても、うっとりと王女のようすを見つめていました
と、突然、海の景色が変わりました
稲光が走ると風がふき、波がうねりはじめたのです
ヘチャン人魚
水夫たちがあわてて帆をたたみますが、嵐はますます激しくなると、 船は見るまに横倒しになってしまいました
船に乗っていた人びとが、荒れくるう海に放り出されます
ヘチャン人魚
ヘチャン人魚は大急ぎで王子の姿を探しだすと、 ぐったりしている王子の体を抱いて、浜辺へと運びました
ヘチャン人魚
人魚姫は王女を、懸命に看病しました
気が付くと、もう朝になっていました
すると、どこからか端正な顔立ちをした青年が走ってきたので、 ヘチャン人魚はビックリして、海に身を隠しました
青年は王女に気が付いて、あわてて人を呼びました
王女はそのとき、息を吹き返しました
ジェミン
ジェミン
王女
王女は目の前にいる青年を、命の恩人と勘違いしてしまいました
ヘチャン人魚はションボリして城に帰ってきましたが、 どうしても王女のことが忘れられません
ヘチャン人魚
ヘチャン人魚は人間になって、王女の傍にいたいと思うようになりました
そこでイ・スマン大魔王のところへ出かけると、 人間の男にしてくれるよう頼みました
イ・スマン大魔王はヘチャン人魚の願いを聞くと、こう答えました
イ・スマン大魔王
イ・スマン大魔王
イ・スマン大魔王
イ・スマン大魔王
イ・スマン大魔王
ヘチャン人魚
ヘチャン人魚
ヘチャン人魚
ヘチャン人魚
イ・スマン大魔王
ヘチャンは家族からも周りの人魚たちからも褒められ続けた 美しい声が犠牲になるとしても、王女への気持ちは揺らぎませんでした
ヘチャン人魚は浜辺で人間になる薬を飲むと、ぐっすり眠ってしまいました
しばらくして、目が覚めると、傍に、あの王女が立っていましたが、 ヘチャン人魚はもう声が出ないのです
王女
王女
王女は、純粋無垢で美しい笑顔を向けて見せた
王女はそう言って、お城に連れていき、ヘチャン人魚と友達かの様に、 毎日遊びました。 ある日、王女が嬉しそうに言ったのです
王女
王女
王女
王女の心は、命の恩人と思いこんでいる、あの浜辺で会った 青年に奪われていたのです
ヘチャン人魚は、「助けたのは僕です。」と叫びたかったのですが、声を出すことができません。 ヘチャン人魚は、ただ悲しそうに笑っただけでした
やがて王女と青年は、結婚式をあげることになりました
二人は船に乗りこむと、新婚旅行に向かいます
王女と結婚できなかったヘチャン人魚は、次の日の朝、 海の泡になってしまうのです
しかしヘチャン人魚には、どうすることもできません
ただ、船の手すりにもたれているばかりでした
そのとき、波の上にヘチャン人魚のお兄さんたちが姿を見せました
お兄さんたち
お兄さんたち
ヘチャン人魚
ヘチャン人魚はナイフを受け取ると、王女の眠る寝室へと入っていきました
王子はベッドですやすやと眠っています
ヘチャン人魚
ヘチャン人魚は王女のひたいにお別れのキスをすると、 ナイフをひといきに突き立てようとしました
ヘチャン人魚
でも、ヘチャン人魚には、愛する王女を殺すことができません
ヘチャン人魚はナイフを投げ捨てると、海に身を投げました
波にもまれながらヘチャン人魚は、だんだんと自分のからだが溶けて、 泡になっていくのが分かりました
そのとき、海からのぼったお日さまの光の中を、 透き通った美しいものが漂っているのが見えました
ヘチャン人魚も自分が空気のように軽くなり、 空中にのぼっていくのに気付きました
ヘチャン人魚
すると、透き通った声が答えます
"ようこそ、空気の精の世界へ"
"あなたは空気の精になって、世界中の恋人たちを見守るのですよ"
ヘチャン人魚は、自分の目から涙が一雫落ちるのを感じながら、 風ともに雲の上へと昇って行きました
おしまい
アンデルセン/ 《人魚姫》
Tim子
Tim子
Tim子
Tim子
Tim子
コメント
1件
おとぎ話系もいいね イスマン大魔王はさすがに笑ったw