僕達は小さい頃に出会った
紗良
うっ…うぅ
陸
……
陸
どうしたの?
紗良
お母さんと…お父さんに叩かれてっ…
紗良
嫌になって…うっ
紗良
逃げてきたの…
陸
じゃあ一緒に行こう
紗良
え…
陸
それとも戻るの?
紗良
そうじゃないの
紗良
誰にもそんなこと言われなかったから
紗良
ちょっと…
陸
ちょっと?
紗良
嬉し…かったの
陸
…そっか
陸
じゃあ行こう
そう言って僕は手を差し伸べた
僕達は似ていた
陸
僕も親から虐待を受けてたんだ
紗良
そうなの?
陸
うん
陸
それで家を抜け出して保護された
陸
運良く優しい家庭だったから良かったけど
紗良
私達嫌なところだけは似てるんだね
陸
まあそうなるかな
君の手はいつの間にか微かな震えがなくなっていた
色々な話をしながら誰にも縛られないで2人で線路の上を歩いた
陸
君はここで待ってて
陸
僕が出てきたら一緒に走るよ
紗良
分かった
陸
(店員は…いないな)
陸
よし
僕は金を盗んだ
その時ちょうど店員が出てきた
店員
そこで何をしている!
陸
!!
陸
逃げるぞ!!
紗良
う、うん!
店員
待て!
そして2人で逃げた
不思議と罪悪感はなかった
2人ならどこにも行ける気がした
陸
はぁ…はぁ…
紗良
っ…
カチャ
紗良
メガネが…
陸
大丈夫だよ
紗良
…そうだね
紗良
今となっちゃどうでもいいか
紗良
あぶれ者の小さな逃避行の旅ってところかな
そうして僕達は森に逃げた
陸
いつか夢見た優しくて誰にも好かれる主人公なら
陸
汚れた僕達も見捨てずにちゃんと救ってくれるのかな
紗良
そんな夢はもう捨てたよ
紗良
だって現実をみてよ
紗良
シアワセの4文字なんてなかった
紗良
今までの人生で思い知ったじゃない
陸
あぁ
紗良
自分は何も悪くないと誰もがきっとおもってるよ
陸
そうだな
陸
ありがとう
紗良
私もありがとう
紗良
あなたがいてくれて良かった
君と過ごせるのは あと少しなんだろうな
これはきっと
君と僕が一緒にいられる最後の
『カウントダウン』なんだ






