徹
俺は徹
徹
しがない高校生だ
徹
性格が暗く基本的には学校ではぼっちだ
徹
そんな俺にも楽しみがある
徹
毎週火曜に発売される週刊少年ダイジャンプを読むことだ
徹
週刊少年ダイジャンプは面白い
徹
そして俺はダイジャンプを読みながら横断歩道を渡る
ププー
トラックの運転手
あぶねぇだろ!
トラックの運転手
漫画読みながら渡るな!
徹
あ、す、すいません!
トラックの運転手
たくっ気をつけろ!
徹
怒られちゃった
徹
もしかしたら明日学校で怒られるかも
徹
(結局後日先生に怒られることはなかった)
一週間後
徹
今日はダイジャンプの発売日だ
無事に近所のコンビニで買えた
徹
ふー買えた買えた
徹
あのあと一冊だったからな
徹
あの少年よりもうちょっと遅かったら取られてたなー
徹
でもあの少年俺のこと凄く睨んできたもんなー
徹
こえーよ
徹
あ、
徹
そういえばここはこの前怒られた横断歩道だった
徹
まぁ結局怒られなかったから良かったけど
徹
今度はちゃんと信号を見た
徹
なんだ赤かよ
徹
まぁ開けて読むか
徹
はっはっはー
徹
面白いなー
徹
(げっ、さっきの少年だ)
徹
(カンテンドースリッチをやってる)
徹
(最新の機種じゃないか)
徹
(スリッチは全国でもほとんど売り切れの超人気ゲームだ)
徹
(スリッチ持ってるんならダイジャンプいらねぇじゃん)
徹
(そう思いながら対向車線の信号を確認したところ赤だった)
徹
(なので俺は渡った)
徹
(俺が歩き出すのを見た少年は俺の前を行こうと小走りで走った)
徹
(なんだよ!なんか感じ悪いなー)
ドガァーーーン
徹
え、
徹
少年に車が突っ込んできた
徹
俺は酔っ払いだと思った
徹
(後日幸い少年は命は助かったらしい)
徹
ふと信号を見た
徹
赤だった
徹
世の中には時差信号というものがあるがある
徹
右折車線のある方向の青信号が延長され、対向車線は赤になる
徹
実に便利な世の中だ