傷ついた僕らと気づかない君

俺たちはあの後、救急車を呼び、彼女組を病院に連れていった

今は集中治療室で手術を受けている

ウイーン(ドアが開く音)

いつ目覚めるかわかりません

コツコツコツコツ(医者が立ち去る)

病室に入ると、○んだように眠る彼女の姿があった

痛々しい傷たち、特に酷いのは目に巻かれている包帯

そっと彼女の顔に触れる

恐ろしい程に整った顔におびただしい傷

変われるなら変わりたい、彼女の今までおってきた傷を俺に移せたらと何度も思う

その時、俺の脳内に1つの疑問が浮かび上がる

そう、考えれば考えるほど怒りが滲み出てくる

りうらの家に入る時、父親を気絶させた

でも、今はそれだけではこの怒りは収まらへん…

僕は優しい目線でいむくんに言う

いつもなら満面の笑みで、ありがとう、と言ってくるのに今は返事がない

世界一大事な彼女を守ることさえ出来なかった僕に彼氏と名乗る資格はあるのだろうか？

いむくんは優しい、やから助けを求めることが出来んかったんやろうな……

初めは信じられなかった

でも、いむくんの今の状況を見れば一目瞭然だ

全身バキバキに折られ、包帯でぐるぐる巻きになっている

その様子を見ているうちに、だんだん○意が湧いてきた

脳裏に浮かぶのは、いむくんの父親

俺は無言でないこを見つめる

当然、ないこからの返事は無い

いつもの彼なら目をキラキラさせている！と、元気よく言ってくれるのに…

ホンマ俺…何してんやろ…w

ないこのためって思っときながら、何も出来てへんやん……

…俺、？俺なんか、？

そう、そうや…、俺だけやない…俺じゃない……

もう、俺らには

○意しかなかった