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夜明けのフーガ

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夜明けのフーガ

6 - 果たした邂逅

♥

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2025年08月17日

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前回のあらすじ

瑠夏が(無理矢理)連れてこられた場所は豪邸だった

あと、合う画像が無くてすみません…雰囲気だけでもこんな感じって思って貰えたら…

イトスギ

ほな行くで〜

イトスギはそのまま門をギィ…っと開け、ズカズカと中に入って行く

のを、流石にまずいと思い、俺はイトスギの腕を掴み静止させる

イトスギ

うわっ…と、急に腕掴みよって…危ないやん!

瑠夏

不法侵入しようとしてる方がもっとやばいだろ

イトスギ

不法侵入…?ちゃうよ〜わいは…

使用人

ッ!ベイリー様!?申し訳ございません!私共の不手際で…

ミア・ベイリー

…あぁ、ならさっさと上とコンタクトとれ。時間かけんな

ミア・ベイリー

始末書はきっちり…な?

使用人

は、はい!失礼します!((ダダダ

瑠夏

は…?

俺は口をあんぐりと開け、固まってしまった

この屋敷の使用人?が、イトスギに全面的に謝罪している所もだが……

瑠夏

(こいつ、ベイリーって言うのか?つーか、態度も口調も違えし…)

イトスギ

あ、すまへんなぁびっくりさせてもぅたか?

瑠夏

びっくりしたっつーか…お前、嘘ついてたのかよ

イトスギ

ん?別に嘘はついてへんよ

イトスギ

ただ、プライベート用と職業用の2つあるだけやで

瑠夏

じゃあお前は今から仕事の方に切り替える感じか?

ミア・ベイリー

そういうこと

ミア・ベイリー

さ、行くよ

瑠夏

あぁ(人の二面性を垣間見た気がするな…)

瑠夏はそのままベイリーの後に大人しく着いていく事にした

瑠夏

(…広すぎねぇか?)

玄関から屋敷内に入った時もそうだったが、この屋敷は本当に広かった

廊下や広間の至る所に彫刻や絵画などが飾ってあったが、それでも持て余すほど広かった上に、構造もとにかく複雑だった

これだけ広く複雑だとイトスギの目的地に着くまでには日が暮れてしまいそうだ

なんて事を思いつつイトスギの方に目を向ける

イトスギは真剣な表情で前を向いて確かな足で歩を進めていた

迷いなく進むその姿に、きっとこいつは何度もここに来たことがあるんだろうと何となく思っていると、イトスギ…ベイリーに声をかけられた

ミア・ベイリー

着いたよ

瑠夏

…ここが、お前の来たかったとこか?

ミア・ベイリー

というより、君が来るべき場所だね

瑠夏

(俺が来るべき場所…?)

意味が分からず戸惑っていると、ベイリーがまぁまぁと言い扉を開けるように促す

ミア・ベイリー

行ってみたら分かるよ

瑠夏

……分かった

改めて俺は人の3倍ほどある巨大な扉に向き合い、片手を軽く握り扉の前にかざす

そのまま1回2回、3回ほど叩き終えると、中から「どうぞ」と声が聞こえた

何だか聞き覚えのある声のような気がしたが、俺は構わず扉を開ける事に専念した

手を扉の前に添える、その瞬間ガチャっという音を立て、ひとりでに扉が内側に引き寄せられるよう左右に開き、目の前が一瞬にして白んだ

瑠夏

うっ…

目を恐る恐る開く

そこは今まで見てきた部屋の中でもトップクラスと言っても過言では無い

そのぐらい広く、華美な部屋だった

それと……

瑠夏

なんで、お前らが……?

うぃ!瑠夏お久〜

菜沙

元気にしてた?私は超元気!

瑠夏

まぁ元気にしてはいた…と思うが…

でも何か元気無くね?頭からパイナップルの筵食らった?

瑠夏

頭は元から正常だ、バ楓

うっせぇ、社畜じじぃ!

瑠夏

あ"?

ゴメンジャン

菜沙

うん、通常運転☆

これが通常運転なのもどうかと思うけど…

まぁいっか((苦笑

菜沙

顔に出てまっせ、遥の親父

君の親になりたい人は居ないだろうね

なんて辛辣ッ

菜沙

うえーん、虐められたー、遥かにボコされたー

瑠夏

って言われてんぞ

え、僕なんもしてないよね?

そうやって責任転嫁するのは良くない!反省しろぉぉぉぉぉぉ!

皆さん分かりましたか?これが虐めの仕組みです

瑠夏

プロモーションビデオ作んなし

菜沙

しかも予算ゼロ円、超安価〜

早くて安くて美味いよぅ?

ラーメンかな?

瑠夏

あとビデオを食うな

瑠夏

つーか、お前らなんでここにいんだよ!

菜沙

んー、なんやかんやあって、あーなったらこーなって

そーなってあーなったんだよな!ガハハ

瑠夏

一っ言も入ってこねぇし、ガハハをジャブ扱いすんな

菜沙

数打ちゃ当たるってな!

瑠夏

ガシッ))…遥頼む、お前だけはこうならないでくれ

言葉の重みがレベチなんだけど…肩までしっかり掴んで

まじウケる〜←こうなるな①

菜沙

意味不で草←こうなるな②

えっとね、まずあの後僕は近くの街に飛ばされたんだけど

その時、たまたま近くにいたであろう楓と会って…

で、楓としばらく2人行動してたわけなんだけど、

菜沙

私が衛兵に捕まった!

瑠夏

お前はちょっと黙ってろ((顔ガシッ

菜沙

ムググッいふぁいいふぁい!

瑠夏

で、何だって?

そのとき、甲冑をまとった何人かの人に囲まれて真ん中に誰かいたんだけど、

それが菜沙だったんだよね

瑠夏

お前何したんだよ……

菜沙

え?何か急に空飛んでみたくなった

菜沙

屋根登ったら出来るかなぁって思ったけど…何かすっごい見られてたよねぇ

頭おかしい定期じゃん!

瑠夏

楓に言われたら終わりだぞ?

菜沙

そうだった…ohsit

うちを陣内〇太って思ってる?

菜沙

氷戦犯野郎じゃん

瑠夏

安心しろ、お前はそれ以下だ

爆弾要素しかねぇよ!

まぁそこから事情を衛兵?の人達に伝えて、なんやかんやありつつ、この屋敷を紹介されて…

で、瑠夏達を探してたら見つかったらしくて、今に至る感じかな

瑠夏

すげぇ端折ったな

だがエベレスト並にわかりやすい

菜沙

マリアナ海溝〜

瑠夏

遥、お前を素直に尊敬する

あはは…嬉しいけど、ちょっと遠慮したい

菜沙

そこは素直に受け取ろ〜!

こいつが人を褒める事なんぞ、明日に槍が降るのかレベルに珍事だからな!

それは2人に同感

瑠夏

遥?どういう事だ?

圧が強い…

ミア・ベイリー

はいはい、そろそろいいかな?

そう言ってベイリーが両手をパンッと叩く音が聞こえ、そちらを振り返る

瑠夏

(そういやこいつが居たの、忘れてたな…)

菜沙

そういえば、あなたは誰?

ミア・ベイリー

…あぁ、自分はベイリー、ミア・ベイリーっていうよ

ミア・ベイリー

君たちは?

うちは楓っす!

僕は遥って言います

菜沙

私は菜沙でーす

菜沙

で、こっちのケモ耳が((

ミア・ベイリー

あぁ、それなら大丈夫、もう知り合いだから

え、

そうなん?え、そうなん!?

瑠夏

一々大袈裟なんだよ、うるせぇ

菜沙

だって瑠夏ってとっつきにくいとこあるじゃん?

菜沙

だから珍しーって思って!

瑠夏

俺そんな人相悪いか?

え?今更?

瑠夏

慰謝料を請求する

事実言っただけじゃん!

もっとたちが悪いね(苦笑

ミア・ベイリー

んー、自分はそこまでかな

ミア・ベイリー

瑠夏と一緒に居て楽しいし

瑠夏

…そうか

何だかんだありつつ、こうやって自分の事を好印象で話してくれるのは嬉しい

思わず瑠夏の顔が少し赤らむ

その様子を菜沙は見逃さなかった

菜沙

あれ?瑠夏照れてんの?

瑠夏

照れてねぇよ

顔赤ッ!茹でたこ〜タコすけ〜

瑠夏

うっせぇよ、見んな!

瑠夏

散れ!

はいはい、2人とも1回ストップね

そう言って楓と菜沙を止める遥にほっと胸を撫で下ろす

これ以上弄られては瑠夏の羞恥心が暴発してしまう

その前に止めてくれた遥には感謝しかないし、流石役職がストッパーと言われてるだけあるというか…

瑠夏

(なんとか言いつつ、感謝だな)

ミア・ベイリー

で、本題に入らせて貰うんだけど、ちょっと瑠夏を借りていい?

菜沙

え?何で

ミア・ベイリー

君たちに言う必要があるかな?

瑠夏

…ベイリー?

どこか遥達に対するベイリーの雰囲気が、冷たく冷えきっているように瑠夏は感じた

それは先程の使用人に対しても同じくあったもので…

瑠夏

(こいつらに対して警戒してんのか?)

瑠夏

(いや、俺の知り合いなのは会話聞いてりゃ嫌でも分かる…はず)

よく分からず思わず首を傾げそうになる瑠夏の横目で、ベイリー達が淡々と会話を進めていく

悪いけど、こちとら行方不明だった仲間がやっと見つかったんよ

名前しか知らないやつに、渡すほどうちらは落ちぶれてないんで

ミア・ベイリー

そっか

理由、話してくれません?

ミア・ベイリー

…まぁ減るもんじゃないし、良いけど…

ミア・ベイリー

…推薦を貰いに行く

瑠夏

推薦?

瑠夏

(もしかして、そっちが本命か?)

菜沙

それってなんの推薦なの?

ミア・ベイリー

そこまで言わなくて良くない?

さっき減るもんじゃないって言ったし!

ミア・ベイリー

悪いけど、聞かれたのは理由だけ。で、時間も推してるから、そろそろ行かないと

菜沙

でも、瑠夏が内容分かんなそうだし……

ミア・ベイリー

移動中にするから大丈夫、って事だから君たちは大人しくしてて?

ミア・ベイリー

瑠夏、行くよ

瑠夏

は?ちょ、おい!

瑠夏

わり、じゃあ後でな

そう言って瑠夏はベイリーを見失わないよう、部屋を急いで出た

コツ…コツ…と、靴底と床がぶつかり合う音が響き渡る

瑠夏とベイリーの間には沈黙がただ流れており、先程から会話をすることもこれといって無かった

理由は単純明快、ベイリー…イトスギの様子がおかしいと感じたからだ

それも深く暗い、まるでアビスに潜り込んだかのような、そんな雰囲気だ

瑠夏

(どうするか…)

少し考えて、瑠夏はベイリーに声をかけようと口を開く

瑠夏

あのな、少し聞きたいことがあんだ

ミア・ベイリー

推薦の話?

瑠夏

それもあるが…

瑠夏

お前、さっきから変だぞ?さっきまではあんな意気揚々としてたっつーのに

ミア・ベイリー

そう…かな?

瑠夏

あぁ、何なら楓達に会ってから変だったな…

瑠夏

やっぱ気に入らなかったとか、んな感じか?

ミア・ベイリー

んー…そんなことはないけど…一緒に居て楽しそうだったし

そう少しぼかして伝える様に、違和感を感じたが、それ以上突っ込むのはやめた

人にはプライベートがあるし、少なくとも気は使えるやつだ、あいつらのマイナスな事はあっても、俺の前では言わないだろう

ただ、これだけは言っておきたかった

瑠夏

分かった。が、無理すんなよ

瑠夏

愚痴ぐらいなら付き合ってやるから

ミア・ベイリー

なんだそれ

ベイリーはそう言ってはいたが、どこか安らいだ表情をしていた

一瞬で顔を引き締めていたけれど…

ミア・ベイリー

あ、そうそう今向かってるのは、ここの主の部屋

ミア・ベイリー

つまり公爵家当主の部屋だからね

瑠夏

……は?

瑠夏

(待て待て、推薦ってまさか…)

瑠夏

公爵直々の推薦かよ…つーかここ公爵家なのか!?

ミア・ベイリー

あ、そういえば言ってなかった

瑠夏

お前なぁ…そう言うのは先に言っとけ

ミア・ベイリー

分かってるって

瑠夏

…あ、つーかお前、結局のところここには推薦取りに来たで合ってんのか?

瑠夏

なんつーか、あいつらと会ったり推薦の話出たりしてっから……

ミア・ベイリー

あぁ、推薦の方で合ってるよ

ミア・ベイリー

取れるかどうかは半々だけど…((ボソッ

瑠夏

おい、サラッと恐ろしいこと言ってねぇか?

ミア・ベイリー

まぁそこも折り合い済みって事で

あぁ、そうだったとベイリーが瑠夏を見て話を続ける

ミア・ベイリー

これ、なんの推薦か話してなかったよね?

瑠夏

あぁ、説明いつしてくんだ?ってずっと思ってた

ミア・ベイリー

思ってたなら言ってよ…まぁ良いけど

ミア・ベイリー

これは城の従事者になる推薦、しかも管理局限定プラチナチケットだね

瑠夏

…何かすげぇんだな

ミア・ベイリー

まぁ普通管理局の所って配属されるケース自体珍しいから…

ミア・ベイリー

基本ハイスペックな人ばっかだしね

瑠夏

……

ミア・ベイリー

さ、着いたよ

そう言われて目の前の扉を見る

先程の部屋前の扉とくらべ、勝たずとも劣らずの巨大な扉が目の前に威厳を放ち、佇んでいた

瑠夏

(この先に、公爵が…)

ゴクリ、と生唾を飲み込む

瑠夏は恐る恐る扉に触れ、その瞬間先程より眩い光が瑠夏達を包み込んだ

廊下には瑠夏たちの姿はなく、扉の閉まる音のみ響き渡っていた

つづく

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瑠夏さんまさかの選ばれし者だった説?!イトスギ変わりスギ

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