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夏休みが終わって少し経った
校内は文化祭の話題が飛び交う頃
クラスでも文化祭の出し物会議が繰り広げられていた
俺はその会話を聞いている気にもなれず、 教室を静かに抜け出した
あ──れた───と──ない─いも
──てむ────いから
屋上を上る階段、 確かに聞こえた
透き通った歌声が
それは知らない歌だった
興味はあった
でも面倒事には巻き込まれたくなかったのか 何を躊躇ったのか
屋上の扉を開けることはしなかった
恐らくサビが終わった時 俺はもう扉に背を向けていた
もう一度教室に帰る気にはなれなかった
あり──た──ん─
脳内再生される歌はあの歌だった
ホームルームが終わり、 帰る頃にはもう空が焼けていた
いつもより少し、 少しだけ いい日だったと思えた
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