今日のおかず

「いただきます」と、由伸は口いっぱいにおかずを頬張る

そう言うと、由伸は食事を再開した

本当に美味しそうに食べるな

由伸を見てるだけで腹が減ってくる

形のあったものが、咀嚼されて原型がなくなる

それが食道を通って胃に流れ込み、消化される

最後は小腸に栄養が吸収されて力の源になる

これだけの長い工程を経て人間の体は作られるんやろ？

なら、美味しそうにご飯を食べる由伸の体はきっと栄養で満たされてるはず

美味いんやろうなぁ

由伸の体柔らかそうやもん

それにいつも良い匂いするし、味も良いんやろうな

俺の手料理を食べたら由伸もっと美味しくなるんかな？

だったら嬉しいな

手間かけて作ったもんが由伸の糧になる

想像しただけで笑みが溢れる

実際に食わせればええんや

想像しただけじゃ分からんやろ？

だったら実際に食わせて味を知ればええんや

何…作ろっかな

早く味を知りたくて

今日は山岡さん家にお呼ばれしている

どうも此間話していた通り手料理を振る舞ってくれるらしい

最近来てなかったし、お邪魔がてら一緒に話したい

たわいもない会話をしながら料理が温まるのを待つ

由伸の口に俺の手料理が運ばれて行く

そこから数十分で由伸は綺麗に完食してくれた

ｶﾞﾁｬﾝ

いきなり鍵を閉め淡々と話を続ける山岡さんに異様な雰囲気を感じ取る

絶句した

「気持ち悪い」とか「最低」とか

言いたいことは沢山あるのに言葉が出ない

異常だ　こんなの

吐き気に襲われたが、山岡さんに首を掴まれ阻止される

嬉しそうに可愛い笑顔で笑い掛ける山岡さん

腰が抜けてあっさり山岡さんに押し倒されてしまった

山岡さんが優しく頭を撫でてくる

でも片方の手に握られた包丁が俺の恐怖心を煽る

お腹に冷たいモノ刺さった

ｸﾞﾂｸﾞﾂ…ｯ