振り向いてよ、俺に

竜胆 視点

第一、兄貴は心配しすぎなんだよな…

ほら、こんな風に俺に似合う服 選んでくれてるし、普通にいい人じゃん

その時の兄貴は 何か獲物でも 見ているような鋭い目をしていた

…もしかして兄貴…三途さんの事 嫌いなのか…？

…何か…悪いことしちゃったかな…

…いや、でも…三途さんいい人 そうだし…

何か色々考えてたらトイレ 行きたくなってきた…

蘭 視点

…三途春千夜…

絶対竜胆の事狙ってる

それを疑いもしない竜胆も竜胆だけど…

俺の竜胆なのに…

俺がジっと見つめていたからか、 涼しい顔でそう話しかけてくる

うざ、ムカつく くっそムカつく

一応礼儀正しく行っとかないと そう思い、得意な笑顔でそう返す

誰が此奴に好き好んで礼儀正しく しなきゃいけねぇんだよ…！！！

その目!!!そのゴミを見るような目を やめろ！！！！！

あ"~~………マジで速く帰りてぇ…!!!

"無駄に"睫毛長くて"無駄に"顔整ってんのがマジでくそ腹立つ！！！！

その睫毛ひん抜いてやろうか…

春千夜 視点

何か此奴…すんごい見てくんだけど…

………

まさか此奴ら…

……いや…んな事有り得ねぇよな…

…まぁ…竜胆とLINEは繋げた…

これから色々仲良くしていけば

竜胆の心身ともに俺のものに…

そう考えると楽しみで仕方がない

だが、竜胆を俺のものにする為には…

この男が邪魔だな (灰谷蘭)

殺しは流石にしたくはない、 捕まる可能性があるのに加え

下手したら竜胆の心を傷付ける 可能性がある

ﾁｯ…ほんっとめんどくせぇ…

此奴が居なけりゃすぐ俺のモンに 出来るってのに…

…取り敢えず、まずは竜胆との距離を詰めねぇとな

俺がトイレから帰ると、見つめ 合ってる2人が居た

love so sweet流れてる？

love so sweet流れてるよね？

…お巫山戯は辞めておこう

え、取り敢えずこれ 入らない方がいい？

え、俺こういうの分かんねぇよ

取り敢えずトイレに戻ろう、 うん そうしよう

戻ろうしたらバレたんだけど… 嘘でしょ

2人は俺の方を見て微笑む 正直に言わせてくれ、怖い

かなり恐怖を感じた

こんな空気は流石の俺も無理 そう思い、次は違うところにでも… そう提案する

良かった……

…あ、でももう時間的に 帰った方がいいのか？

でも三途さん…

………

でも…三途さん沢山動かす訳には いかないよな…

兄貴は別として

はっや、ちょ最後まで言わせて

三途さんは少し考えた素振りを見せ

同意してくれた

俺はぺこりとお辞儀をする

…何か元気無いな

…！！もしかして…嫉妬！？

この慌てよう…まさか違かった系…？

うわ待って恥っず

へらっ、と笑う兄貴を見て 何故か少し安心した自分が居た

"好き"なんて言葉、いくらでも 言ってやるのに

そんな事を思いながら、俺達は デパートを出た