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１つだけ

第1話 - １つだけ

2019年06月02日

#恋愛

#短編

きままに

高校3年の時

夏菜

受験お疲れ様〜

優也

お疲れ〜

夏菜

緊張したけどなんとか乗り越えましたね！

優也

ほんとそれ！

優也

俺もう倒れるかと思ったわ笑笑

夏菜

でも、優也が勉強教えてくれて本当に助かった(*´Д｀*)

優也

俺も夏菜がいなかったらメンタル崩壊してたわ…

夏菜

お互い受かってると良いね〜

優也

これでやっとゆっくり寝られる😆

夏菜

💤

夏菜

あのさ！

夏菜

いきなりなんだけどさ、

夏菜

私と付き合ってくれませんか❗️

優也

え、笑笑

優也

ほんとに急だな笑

夏菜

ごめんね🙏

優也

俺なんかで良いの笑笑？

夏菜

うん(*´ω`*)

優也

俺さ、夏菜と中学で同じ学校になって、その頃からずっと夏菜のこと好きだった…

優也

でも、ちゃんと幸せにできるか不安で言い出せなかった…

夏菜

え、そうだったの(　ﾟдﾟ)

夏菜

大丈夫！優也と一緒なら幸せ！

優也

こんな俺で良ければ付き合ってください❗️

夏菜

はい(〃ω〃)

卒業式

優也

今日から違う学校だな…

夏菜

うん…

優也

忙しくない時でいいからメールとか通話とかしよ！

夏菜

うん！

夏菜

でも、寂しいね…

優也

また、長期休業とかで会えるから、それまでの辛抱だね👍

夏菜

うん！それまでお互いがんばろ！

優也

そうだね( ^ω^ )

大学1年夏

優也

夏菜〜

優也

いよいよ明日から夏季休業だね！

夏菜

楽しみ〜(*≧∀≦*)

夏菜

優也と温泉旅行❗️

夏菜

大学生を満喫するぞー(≧∀≦)

優也

俺も楽しみすぎて寝れないや笑笑

優也

でも、もう2時だし寝ないとやばいな笑笑

夏菜

いや、まだ一週間も先だから寝れなくなるの早いって笑笑

優也

そうだよね…

優也

よし！寝るか！

夏菜

うん、そうだね！笑笑

優也

じゃあ、おやすみ〜

夏菜

おやすみ(-_-)zzz

夏菜

あのさ、優也…

優也

なした？

夏菜

やっぱりまた今度でいいわ笑笑

優也

なんだよ笑笑

夏菜

今度こそおやすみ〜

優也

うん笑笑

翌日の朝

母

不在着信

母

不在着信

母

優也！

母

起きて！

優也

なしたのそんなに慌てて…

優也

遅くまで起きてて眠いんだよね…

母

良いから電話出て！

母

通話
37:21

6時間後…

優也の実家にて

優也

母さん！

優也

さっきの話どういうこと！

母

優也…とりあえず落ち着いて。

優也

夏菜は今どこにいるの！

母

これ、夏菜ちゃんが入院している病院の住所と部屋の番号…

6時間前、母との通話にて

母

優也、落ち着いて聞いてね…

優也

なにかあったの？

母

夏菜ちゃんが今どこにいるか知ってる？

優也

どこって笑笑 ◯◯大学に通ってるから◯◯県にいるに決まってるでしょ笑笑

母

それね、本当は違うんだよ…

優也

ん？どういうこと？

母

夏菜ちゃんには『自分から話せる時が来るまでは秘密にしてて欲しい』って言われてたんだけど…

母

夏菜ちゃんは高校卒業した後、隣町の病院に入院したんだよ。

母

生まれつき心臓が弱いのは優也も知ってると思うけど、高校2年生の時から急に心臓が弱って、高校卒業と同時に入院することが決まってたんだ…

優也

は？意味わからないんだけど笑笑

優也

だって、一緒に勉強して、大学にだって合格して…離れ離れにはなったけど、来週の休みに一緒に温泉旅行にいくって約束だってしたし…

母

理解できないのはわかるけど、今話したのは全部事実なの…

母

それで、さっき夏菜ちゃんのお母さんから電話があって、『急に病状が悪化して、もって後2日』だって…

優也

どういうこと？

優也

夏菜死ぬの…？

母

うん、多分ね…

母

だから、せめて最後に会っておいたほうが……

通話を切る優也

母

通話
37:21

現在に至る

母からメモを奪う優也

メモを片手に駆け出し

ドアを強く押し開け

駅へと走り出す

夏菜の入院する病院にて…

看護師

先生！

看護師

702号室の伊藤夏菜さんの病態が………！

医者

わかったすぐ行く！

夏菜の病室にて

夏菜の母

先生！

夏菜の母

夏菜が返事をしないんです…！

看護師

お母さん今見ますから少し離れていてください

夏菜を診る医者

夏菜の胸からは音がしない

反応のない夏菜を見て顔を覆う夏菜の母

心電図モニタから発せられる透き通るようなまっすぐな音

15:49

10分前

電車に乗る優也

優也

夏菜！ 15:39

優也

返信してくれ！ 15:39

優也

入院してるなんて嘘だろ？15:39

優也

頼む…返事をしてくれ…… 15:40

隣町の駅に着く優也

メモを頼りに病院へと向かう

優也

(夏菜…)

優也

(頼む！間に合ってくれ…!)

優也のケータイに浮かび上がる新着メッセージがあります 1分前の文字

夢中で走る優也

夏菜のいる病室のドアの前

医師と看護師が出てきた

駆け出す優也

中から聞こえる女性の泣き声

そっとドアを開ける優也

ベットに横たわる夏菜とうずくまる夏菜の母

歩み寄る優也

夏菜の母

優也くん…。

夏菜の手を取る優也

夏菜は片手にケータイを握りしめていた…

優也

夏菜…

優也

夏菜！

優也

夏菜！返事をしてくれ！

病室に響き渡る優也の声

優也に声をかける夏菜の母

崩れ落ちる優也

夏菜の母が一枚の手紙を取り出す

夏菜の母

優也くん…

夏菜の母

これ、夏菜が書いていたものなんだけど、受け取ってくれる？

夏菜の母

夏菜いっつも優也くんの話をしている時は笑顔でいられたのよ…

夏菜の母

だからね、わたしも優也くんに感謝してるわ

夏菜の母

ありがとうね

そう言って手紙を手渡す夏菜の母

手紙を受け取る優也

優也へ

ずっと騙しててごめんね… 本当は高校卒業して直ぐに入院するってことを伝えようと思ってたんだけど、怖くて言えなかった。優也は優しいから、私が入院するって言ったら悲しむだろうし、心配してくれるよね。でも、優也には楽しい大学生活を送ってもらいたかったんだ。多分これを優也が読んでる時にはもう会えないんだろうけど、最後にもう一度だけ優也と話したかったな… 最後にちゃん言いたかったな… やっぱり昨日話しておけばよかったね笑笑あの時、私と付き合ってくれてありがとうほんとはメールじゃなくて直接会って言いたかったんだけどね笑最後も手紙になっちゃったね… 優也… 私はね……

ここで文章が途切れている…

優也に近づく夏菜の母

夏菜の母

ずっと優也くんに会いたいって言っててね、

夏菜の母

看護師さんが手紙を書くことを勧めてくれたの。

夏菜の母

でも、書いてる途中に急に倒れてしまって…

夏菜に近づく母

夏菜の母

夏菜…優也くん来てくれたよ。

優也には夏菜の顔にうっすらと笑顔が見えるようにも見えた。