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episode 2 : 助手席争奪戦と、特別な特等席
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akn side
akn
週末の早朝、駅前のロータリーで俺はブンブンと大きく手を振った。 今日のために、楓ちゃんが知り合いから借りてきてくれたというワンボックスカーが、 朝日に照らされてピカピカに輝いている。
でも、俺の目が輝いたのは車を見たからじゃない。 その横で、小さなリュックを背負ってちょこんと佇んでいる、愛しの後輩の姿を見つけたからだ。
sng
ペコリと綺麗にお辞儀をするンゴちゃん。 まぶしい。朝の太陽よりまぶしい。 白いワンピースとか、ちょっと遠足を楽しみにしている子供みたいで、 もうこの時点で今日という休日が最高のものになることが確定した。
akn
sng
akn
俺が鼻の下を伸ばしかけたその時、背後からスッと、冷ややかな視線と気配が忍び寄ってきた。
mdr
sng
いつの間に現れたのか、緑仙がスマートにクッキーの袋を差し出す。 ンゴちゃんは目をキラキラ輝かせて大喜びだ。 くそ、先を越された!
ked
俺の脳内ではある一つの「重大なミッション」が起動していた。
(――助手席。そう、助手席だ。運転する楓ちゃんの隣。つまり、ナビを大義名分として、ンゴちゃんと一番近くでずっと喋っていられる神の席……!!)
akn
kne
akn
背筋にゾクリと冷たいものが走る。 振り返ると、いつの間にか車のドアを開けていた叶さんが、 聖母のような、あるいはすべてを見透かした魔王のような、完璧な笑みを浮かべて 俺の肩に手を置いていた。
kne side
「えっ」と、あからさまに絶望した顔をする明那を見て、僕はふふ、と心の中で小さく笑った。
みんなンゴちゃんのことが大好きだから、少しでも近くに座りたい気持ちはよく分かる。 現に、レオスも緑仙さんも、明那の言葉を聞いて「え、ずるい」という顔をしている。
だけどね、みんな分かってない。
kne
ked
そう言って、僕は迷わず助手席に乗り込んだ。 明那たちが「あーあ、会長に取られた……」と肩を落として、渋々2列目、3列目のシートに乗り込んでいく。
これで、ンゴちゃんの隣をキープできるのは他の誰かになるわけだけど…… 僕は別に、独り占めしたいわけじゃないんだ。
ルームミラーの角度を、すっと後ろの席が見えるように調整する。
2列目のシート。真ん中に座ったンゴちゃんの両隣を、 明那と緑仙さんがガッチリとキープして、嬉しそうに話しかけている。 その後ろの3列目からは、レオスが身を乗り出して 「サンゴくん、車内の温度は大丈夫ですか! Patri――あ、いや、私としたことが!」 とソワソワしながら声をかけている。
sng
困ったように笑いながらも、本当に嬉しそうに瞳を揺らすンゴちゃん。 それを、運転席の副会長も優しい目で見守っている。
(ね? ここからなら、みんなに挟まれて、 世界で一番幸せそうに笑ってるンゴちゃんの顔が、特等席でずーっと見られるでしょ?❤︎)
kne
僕の合図とともに、車が滑らかに動き出す。 バックミラーに映るンゴちゃんの笑顔を見つめながら、 僕は今回の旅行を、彼女にとって絶対に忘れられない最高の思い出にしようと、静かに心に誓った。
sng side
akn
mdr
Leos
sng
車が走り出して、まだたったの十五分。 それなのに、ンゴちゃんの周りはまるで遊園地のおもちゃ箱をひっくり返したような大騒ぎになっていた。
右を向いたら明那さんが満面の笑みでドリンクを差し出してくるし、 左を向いたら緑さんが「美味しい?」って小首を傾げてくるし、 後ろからはレオスさんが怪しい機械を構えている。
ked
sng
もう、ツッコミが追いつかない! 助手席の叶さんは、バックミラー越しに 「ふふ、楽しそうだねぇ」って優しく見守ってくれているけれど、絶対これ面白がってますよね!?
(……うう、朝からみんなの距離が近くて、心臓が持たないよぅ……)
でも、差し出されたクッキーを口に含むと、驚くほど優しくて甘い味が広がった。 みんなの「ンゴちゃんを楽しませたい」っていう気持ちがこれでもかってくらい伝わってきて、 胸の奥がじんわりと温かくなる。
sng
「「「ん?(どうしたの?/サンゴくん!)」」」
sng
満面の笑顔でそう言うと、なぜか両隣の明那さんと緑さんが、カッと顔を赤くして同時に天を仰いだ。 後ろのレオスさんは「尊い……!」とか呟きながら崩れ落ちている。
sng
始まったばかりの七次元生徒会旅行。 目的地に着く前にンゴちゃんのライフがゼロになりそうなくらい、 今日もみんなの愛は限界突破しているのでした。
Thank you for watching until the end. So, please look forward to seeing how the story of the student council members unfolds. To be continued in the next episode... see you Next episode ↪︎
コメント
1件
わあ、もう助手席を巡って静かな戦いが始まってるのが面白いですね!笑 叶さんが「独り占めしたいわけじゃない」って言いながら、実はバックミラーでみんなに囲まれて照れてるンゴちゃんを眺める特等席をキープしてるの、ずるくて大好きです。車内がもうお祭り騒ぎで、ンゴちゃんの「ライフがゼロに!」ってツッコミが可愛すぎました。みんなの愛が溢れてて、読んでるこっちまで温かい気持ちになりました〜!