TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

数分後

尚則

!、

尚則

あれ?敬浩くん…ここって。

敬浩

ここ?

敬浩

ここは

敬浩

ちょっと前から気になってたお店だよ。

尚則

えっ。

敬浩

敬浩

どうかした?

敬浩

…こういうお店、嫌だった?

尚則

ここ…

尚則

尚則

僕の行きつけのお店だ。

敬浩

ええっ!

敬浩

マジで?

敬浩

じゃあナオ、ここによく来るの?

尚則

うん。

尚則

ここ、背が低くてもスタイル良く見える服が沢山あって気に入ってるんだ。

敬浩

そうなんだ。

尚則

うん。

敬浩

ナオが退屈しないかなって思ってたから、よかった〜。

尚則

尚則

退屈なんてしないよー。

尚則

今こうしておしゃべりするだけでも、僕、とっても楽しいんだから。ニコッ

敬浩

!…

敬浩

敬浩

(かわいい…)

敬浩

じゃあ…

敬浩

一緒に買い物する?

尚則

うん!

尚則

一緒に服見て、買い物しよ。

敬浩

うん!

尚則

尚則

…。

尚則

尚則

(敬浩くん、このお店が気になってたんだ…)

尚則

(お気に入りのお店だから、なんか嬉しいな。)

敬浩

敬浩

…あ。

敬浩

これいいな。

(濃い緑のカーディガンをとる)

尚則

その色、流行ってるよね。

敬浩

うん。

敬浩

長袖だから秋用のやつかな?

敬浩

ライン入ってるのがいいね。

敬浩

有力候補に加えたとこ。

尚則

うん。

尚則

尚則

今日買うのは上着?

尚則

上着を買うならさっきのマネキンが着てたやつも似合うと思うよ。

敬浩

マネキンの?

敬浩

右と左のどっちのやつ?

尚則

左のやつ。

敬浩

あ、あれかー。

敬浩

あれなー…柄シャツに合わせるとオシャレなんだけどな。

敬浩

俺柄シャツとかあんまり持ってないし

敬浩

うーん…。

敬浩

敬浩

敬浩

うわっ。

尚則

カチャッ

(敬浩が近くにあった服を手に取る)

敬浩

これ…

敬浩

ナオに似合いそう…。

尚則

尚則

コレ?

敬浩

うん。

敬浩

かわ…かっこよくない?

敬浩

黒襟がおしゃれでさ、ナオっぽいじゃん。

敬浩

…どうかな?

尚則

尚則

うーん…。

尚則

そうだなー……。

尚則

尚則

やめとこうかな。

敬浩

えっ。

尚則

コレ…

尚則

尚則

春樹がこの前着てたから。

敬浩

敬浩

春樹…?

敬浩

(誰だ…)

敬浩

敬浩

敬浩

あー。

敬浩

ナオの従兄弟さんだっけ?

尚則

うん。

尚則

春樹もよくここに来るんだ。

敬浩

へぇー。

敬浩

服とかの話もするんだ。従兄弟同士仲いいんだね。

尚則

あ、ううん。

尚則

話すんじゃなくて

尚則

よく一緒にここへ来るんだ。

敬浩

えっ!?

尚則

僕と春樹

尚則

お互い服の好みが似てて、何度か同じ服を買っちゃったことがあって、

尚則

一緒に買いに行くことで、同じ服を買わないようにしてるんだ。

敬浩

…。

敬浩

…そんなに被るの?

尚則

うん。

尚則

めっちゃ被るよ。

尚則

春樹と僕は双子なのかっていわれるくらい好みが似てるからね。

尚則

この前なんか

尚則

通学鞄のキーホルダーが偶然同じだったりしたこともあったんだよ。

敬浩

敬浩

ふーん。

敬浩

…。

敬浩

敬浩

((((((イーーーーッ!!!))))))

敬浩

(((((お揃いキーホルダーとかカップルかよ!))))))

敬浩

((((俺めっちゃ嫉妬するんだけど))))

敬浩

(意味わかんない、)

敬浩

(春樹さん、アノ人俺より先にナオとそんなカップルじみたことをしてたの?)

敬浩

(それはごめん、)

敬浩

(完全に俺が悪いけど)

敬浩

(((めっちゃ許せない…。)))

敬浩

(俺もそういうのナオとしたい!)

敬浩

((ナオとお互いに似たようなものつけたい…!))

敬浩

(顔のタイプと体の形が違うから、似合うかどうかは分からないけど…)

尚則

じゃあ僕、あっちで靴見てくるね。

敬浩

うん…。いってらっしゃい。

尚則

うん。

尚則

尚則

(さて、)

尚則

(さっきの続きでスニーカーでも見よっと。)

尚則

尚則

尚則

(あっ、この靴はなに…?)

尚則

(とってもかっこいい、普段使いに良さそうだ)

尚則

尚則

尚則

(しかもこれ、身長が高くなるやつじゃない!?)

尚則

(試しに履いてみよっと)

敬浩

敬浩

(ナオ、靴履いてる…?)

尚則

おお…

尚則

(履いてみてもいい感じ!)

尚則

(セール中だから値段もお手頃だ。)

敬浩

ナオ、

敬浩

その靴いいね。

尚則

でしょ!

尚則

この靴ね、身長が4センチ高く見えるんだって。

敬浩

へぇー。

敬浩

身長伸ばしたいの?

尚則

うん。

尚則

これを履けば

尚則

身長170センチになって、スタイルが良く見えるし

尚則

尚則

チビチビってからかってくる春樹をぎゃふんとさせられる…!

敬浩

!…

敬浩

敬浩

(…ナオ)

敬浩

(また春樹さんの話してる…)

敬浩

(俺だって170超えてるのに…)

尚則

ねぇ敬浩くん!

尚則

スニーカーさ、黒と白…どっちがいいかなっ?

敬浩

…。

敬浩

敬浩

うーん…。

敬浩

(どっちも似合うと思うけど…)

敬浩

(春樹さんのこと考えて選ぶなら…)

敬浩

敬浩

だめ。

尚則

え?

敬浩

どっちもだめ。

尚則

えっ!?

敬浩

俺がよく行く店の靴の方がかっこいいよ。

敬浩

ナオにもきっと似合うと思う

尚則

尚則

えっ、そ…

尚則

そうかな…?

尚則

(結構いいかもって思ったんだけど…)

敬浩

!…

敬浩

(ナオ、しょんぼりしてる…)

敬浩

(ごめん、ごめんよ…)

敬浩

(俺のやきもちのせいで、しょんぼりさせてしまって…)

敬浩

(本当にごめんね。)

敬浩

(もっといいやつを今から俺が買ってあげるからね…。)

尚則

…。

数分後

敬浩

うん、

敬浩

そっちの方がかっこいいよ。

敬浩

足首が引き締まって見える

敬浩

それでいいと思う。

尚則

え…

尚則

そ、

尚則

そうかな…

尚則

尚則

(な…)

尚則

(なんかすごい場違いなお店に入っちゃった…)

尚則

(店員さんもお客さんもみんなおしゃれだし…)

尚則

(今の僕、物凄い浮いてないかな?)

敬浩

ナオ…どうかな?

敬浩

俺的にはすごく似合ってると思うんだけど…気に入った?

尚則

あ、う、うん!

尚則

靴はすっごくかっこいいと思うよ。

尚則

尚則

…でも、その。

尚則

こんな良い靴、高校生の僕にはちょっと不釣り合いというか…

敬浩

尚則

それに、

ピラッ (靴の値段が書かれたタグを見る)

尚則

ちょっと…その、

尚則

(うぬぬ…)

尚則

(((コレは靴につける値段じゃない!)))

尚則

予算オーバー、してるから…。

敬浩

!、

尚則

ご、

尚則

ごめんね!

尚則

お金が足りてたら買ってたんだけど…

敬浩

?…

敬浩

敬浩

予算?

敬浩

何言ってんの?

尚則

敬浩

俺が買ってあげるよ?

尚則

!?

尚則

はえっ!?

敬浩

その靴のお代、俺が出すから

敬浩

今日からそれ履きなよ。

尚則

だっ…!

尚則

だめだよ!尚更買わないよ!

敬浩

敬浩

えっ?

敬浩

なんで?

尚則

だっ、だって…

尚則

年下に払わせた靴を履くなんて…!

尚則

そんなこと僕にはできないよ!

敬浩

??

敬浩

俺は全然気にしないよ?

尚則

!?

尚則

いや、敬浩くんが気にしなくても僕が…

敬浩

…。

グイッ! (敬浩が尚則の肩に手を置いた後 ぐっと耳元に顔を寄せる)

尚則

わっ!?

尚則

え、えっ…?

敬浩

そんなこと気にしないで良いって言ってんじゃん。

敬浩

敬浩

俺が買いたくて言ってるんだから。

尚則

!…

尚則

で、でも…

敬浩

…。

敬浩

敬浩

じゃあ、

敬浩

この後の夜ご飯、奢ってよ。

尚則

えっ。

尚則

よ、夜ご飯…?

敬浩

俺、ナオに一日中暇ってLIN◯したじゃん。

敬浩

今日は夜まで俺と一緒にいてもらうから。

敬浩

敬浩

ね、

敬浩

それなら俺もナオもwin-winでしょ?

尚則

尚則

そ、

尚則

そうなの…?

敬浩

うん。

敬浩

win-winだよ。

敬浩

敬浩

…ねぇ。

敬浩が尚則の指をなぞる

敬浩

…ね、

敬浩

敬浩

いいでしょ?ナオ。

敬浩

ナオが夜ご飯奢ってくれたら、俺うれしいな〜。

尚則

尚則

尚則

じゃ、

尚則

じゃあそうしよっかな。

敬浩

やった、決まりだね。

敬浩

すみませーん。

敬浩

これ買って、この場で履くのでタグ買ってもらえますか。

店員

かしこまりました。

尚則

…。

尚則

尚則

(…か、)

尚則

(買ってもらってしまった…。)

数分後 ゲームセンター

尚則

敬浩くん、

尚則

靴買ってくれてありがとう。

敬浩

いえいえ。

敬浩

すっごく似合ってるよ。

敬浩

(…少なくとも)

敬浩

(1番最初に見たスニーカーよりは…)

敬浩

(なんて言えないけど。)

尚則

た、敬浩くん。

敬浩

!、ん?

尚則

…大切にするね。

尚則

友達に何か買ってもらったの、これが初めてだから。

尚則

できるだけボロボロにならないように履くね。

敬浩

…。

敬浩

ッ…。

敬浩

敬浩

(可愛い…)

敬浩

(買ってあげて良かった…)

尚則

ていうか、こんな広いゲームセンターが近くにあったなんて知らなかった。

尚則

もっとはやく知れば良かったー。

尚則

尚則

わっ!

キュッ!

(尚則がつまづく)

敬浩

敬浩

ナオ。

ガシッ!

敬浩

大丈夫?

(敬浩がナオを支える)

尚則

あ、

尚則

ごめん…。

尚則

尚則

あっ…

敬浩

尚則

(今の僕…敬浩くんと身長同じだ)

敬浩

(ナオ、どうしたんだろ。)

敬浩

(まさか…靴擦れ?)

尚則

尚則

なんだか、

尚則

ちかい…ね?

敬浩

敬浩

敬浩

ン゛ン゛っ!!

尚則

!?

尚則

敬浩くん…?

敬浩

ッ…!!

敬浩

((((((か わ い す ぎ る ))))

敬浩

(だろぉおおおがぁぁあ!!)

敬浩

(あ゛あ゛ああ!)

敬浩

((あああああああ!!))

尚則

?…

敬浩

敬浩

(だ…)

敬浩

(だめだ…)

敬浩

(((((もうこの子可愛すぎて、このままだと俺抱きしめちゃう…)))))

敬浩

((((目の前の天使を潰すくらいぎゅーってしてしまう!!))))

尚則

だ、大丈夫?敬浩くん…。

尚則

(一体どうしたんだろ?)

尚則

(まさか…靴擦れ?)

敬浩

…。

敬浩

敬浩

(可愛い…本当にかわいい…)

敬浩

(めっちゃかわいい、ぜんぶかわいい。)

敬浩

(俺の中でナオに対する可愛いが溢れてしまう…)

敬浩

(はぁー……もう、)

敬浩

敬浩

かわいい…。

尚則

尚則

かわいい…?

敬浩

!、

敬浩

(いけない)

敬浩

(また思ったことを口にしてしまった。)

敬浩

あっ、えと…

尚則

えっ、あ…

尚則

か…かわいい…?

尚則

尚則

ぼ、

尚則

僕が…?

敬浩

(少し頬を赤らめて 尚則が敬浩に尋ねる)

敬浩

敬浩

(おっ、)

敬浩

(この様子は…?)

敬浩

(ひょっとしてナオ、可愛いと言われることを嫌がらない感じ…?)

敬浩

敬浩

(…なら。)

敬浩

…かわいいよ。

尚則

敬浩

ナオはとってもかわいい。

敬浩

性格とか、顔とか

敬浩

しぐさとか…

敬浩

敬浩

とっても…かわいいよ。

尚則

尚則

尚則

(えっ)

尚則

(なに…いまの敬浩くん?)

尚則

(すごい顔を真っ赤にして言ってる…)

尚則

(僕、てっきりからかって言ってるのかと思ってたのに。)

尚則

尚則

(…今の言い方だと、まるで…)

尚則

(恋人に言ってるみたいな…。)

尚則

尚則

そ、そう…。

尚則

ありがとう…。

敬浩

うん。

敬浩

ナオ、かわいいよ。

尚則

ん…。

尚則

…。

尚則

尚則

尚則

(((アレッ!?)))

尚則

(何ドキッてしてるんだ僕!)

尚則

(イケメンのかっこいい眼差しにやられるな!自我をためて自我を!)

尚則

…で、

尚則

でも、

尚則

そうやってじっと目を見てかわいいって言うのは、

尚則

その…

尚則

僕みたいな男友達より

尚則

彼女さんとかにやった方が効果的だよ?

敬浩

敬浩

男友達…。

尚則

うん。

尚則

彼女さんとかできたらさっきみたいにやってみなよ。

尚則

即メロメロになっちゃうと思うよ。

敬浩

…。

尚則

じゃ、じゃあ

尚則

早速ゲームしよっか?

尚則

何する?シューティングゲームとかにする?

敬浩

…。

敬浩

敬浩

(…そうだった。)

敬浩

(俺とナオの関係って)

敬浩

(俺の片思いなんだった。)

敬浩

(…今さっきのナオ、ちょっと困惑してたよな。)

敬浩

(…俺、)

敬浩

(いちいち反応してくれるナオ見て、調子に乗りすぎたのかも…)

敬浩

敬浩

…なかなか、上手くいかないな。

敬浩

ナオに嫌われたくないのに。

敬浩

目の前で可愛いことされると、すぐ本心剥き出しになっちゃう…。

つづく

コンプレックス・クライシス

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

506

コメント

5

ユーザー
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚