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夜朧地方・夜朧城
読者さん
流石にやることがないと暇ですねぇ……
読者さん
たまには都会の喧騒から離れて
読者さん
静かな場所でゆっくりするのも
読者さん
……
読者さん
……
読者さん
……
読者さん
（いや……）
読者さん
（今の言葉はマズかったか？）
夜朧はとても田舎だ
彼女はそれを気にするのだろうか
言ってから気がつくものもある
読者さん
それにしても
読者さん
昼ご飯食べたあとだから眠くて仕方ない
聖奈
お昼寝くらいしかやることはありませんね……
聖奈
こんな雨では外に行くこともできませんね
外は相変わらずの土砂降り
傘を指して歩く待ち人は数多あれど……
濡れるのを嫌う自分にはなんとも度し難い
聖奈
あ……あの
読者さん
ん？
聖奈
無理に我慢しなくても良いのですよ？
聖奈
お手伝いは終わってしまったので……
聖奈
その……
聖奈
夜朧にいる道理は
読者さん
確かにここは暇かもしれないですね
読者さん
……
読者さん
……
読者さん
……
読者さん
時間つぶしに戸棚の本も見ようとした
読者さん
難しすぎて自分にはサッパリわかりませんわ
読者さん
けれど
読者さん
こういうのも悪くはないかな……って
聖奈
そうですか？
聖奈
もし嫌になったらいつでも気兼ねなく移動用のお扉をお使いくださいね
読者さん
嫌にはならないさ
読者さん
もしかして気を使わせちゃったかな……？
聖奈
愛染に住んでいるなら夜朧はつまらなくありませんか？
読者さん
そんなことはないと思う……
聖奈
な、何もない場所ですが
聖奈
せめてごゆっくり
読者さん
そりゃどうも……
とは言うものの
暇すぎる
寝るかスマホしか娯楽がない
読者さん
（これで電波通ってなかったら地獄だったわな）
聖奈
しかしもうすぐで八つ時です
聖奈
美味しいおやつでもいかがですか？
聖奈
お茶もありますから気分は晴れるでしょう！！
聖奈
……
聖奈
……
聖奈
……
聖奈
外は相変わらずですけど
読者さん
おやつかぁ
読者さん
良いねぇ
聖奈
今日は何でしょうね
聖奈
菊花様が今日美味しいものを持ってきてくれると連絡がありまして
読者さん
なんだろ？
読者さん
菊花さんって健啖家だからなぁ
読者さん
なんかスゴイもの持ってきてくれそう
聖奈
それはとても凄いのですよ
聖奈
さて……楽しみに備えて私はお仕事をもうひと踏ん張りです
読者さん
お手伝いできることは？
聖奈
残念ながら……
聖奈
はうぅ……
読者さん
うむ……
読者さん
見てもサッパリわからない書類を手伝おうとした自分も悪かった
読者さん
自分は堂々と開き直って昼寝でもしておきます
聖奈
それがいいでしょう
聖奈
食べてから横になると消化に良いので
近くにあった座布団を枕にする
高さよし
柔らかさよし
読者さん
そのまま豚になったら出荷よろしく
聖奈
了解しました
聖奈
ではしばらくの安眠をお楽しみください
静かな部屋に筆の音
雨の音……
そして呼吸の音だけが響く
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作品ページ
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