璃音
やってしまった。心配してくれた人の手を叩くだなんてありえない。最低だ。
?
璃音
今すぐ逃げ出したかった。 苦しかった。
?
璃音
いるま
すち
らん
暇72
雨乃こさめ
みこと
璃音
璃音
らん
璃音
すち
雨乃こさめ
暇72
そう言い、2人が出ていってから帰ってくるまでは特に会話はしなかった。猫を触ったり、座ってみたり、傷をなぞったり。
雨乃こさめ
らん
すち
璃音
無言で手を差し出す。 包帯が巻かれて、最後に軽くポンっと叩かれた。
すち
璃音
らん
璃音
暇72
璃音
らん
璃音
雨乃こさめ
皆俯いてしまう。
璃音
いるま
らん
みこと
璃音
柵をのぼった。そして、反対側にたった。
雨乃こさめ
璃音
我ながら馬鹿なことを言っているのは分かった。 でも本当に助けたいと思っているのかは分からない。
らん
誰も、何も言わない。 言えない。 自分の命を犠牲にしてまで人を助ける人はなかなかいない。
らん
無理やり、頑張ってるのがわかった。 足はかすかに震えている。 誰もがわかる。ここから落ちたら絶対に死ぬ。生き延びるなんてできるわけが無い。
いるま
暇72
雨乃こさめ
みこと
すち
らん
璃音
らん
璃音
いるま
璃音
璃音
璃音
小さく掠れた声は誰にも届くはずない。
私はみんなが行った方とは逆の非常口の方から工場を出た。
璃音
昔来た懐かしい場所。 お母さんはお父さんと離婚してから変わったと思う。
回想
幼い頃の璃音
昔のお母さん
幼い頃の璃音
昔のお母さん
優しくて美しくて、面白いお母さん。毎日週に2回一緒にお菓子を作った。小学生になってもずっと作ってくれた。
幼い頃の璃音
○○
昔のお母さん
○○
一緒に遊んでいた○○ちゃん。 でも○○ちゃんが誰なのか顔も思い出せない。 ただ頭の中に文字が浮かんでくる。 何を喋っていたのか。 何をしていたのか。 それだけが分かる。 声も、姿も分からない。
幼い頃の璃音
璃音
柵にもたれかかり、私はらんくんと会った時を思い出した。
璃音
すち
璃音
私は柵に背を向けて、振り返った。
璃音
暇72
すち
璃音
どうしよう…
暇72
なつくんは正面に立ち、柵に手をついた。 いわゆる壁ドンみたいな。
璃音
すち
暇72
璃音
私の威勢の良さに驚いたなつくんが油断した時になつくんを突き飛ばし、柵を乗り越えた。
すち
暇72
もう落ちたことを確認して目をつぶろうとした時だった。
グッ
すち
すちくんが手を掴んでいた。 片手で私の体重を支えるのはきついんだろう。少し顔を苦しそうにしている。 それを見て我に返ったようになつくんも手を伸ばす。
暇72
すち
電話の奥の声は聞こえないけどこっちに来るのはわかった。
璃音
すち
暇72
すち
雨乃こさめ
すち
ツルッ
すち
暇72
すちくんの手の力が少し抜けた。そして、なつくん側に突然体重がかかったから、なつくんも手を滑らせてしまった。
璃音
バシャッ ゴボゴボゴボゴボ
璃音
バシャッ
また1つ水音が聞こえた。 その音の主を確認する前に私は意識を失った。
暇72視点
璃音の姿が完全に水の中に 消えてしまった。あまり水面は高くないけど、少し前に雨が降ったから川の水は増えていた。
すち
暇72
バシャッ
雨乃こさめ
らん
いるま
みこと
俺は川を指さした。
暇72
らん
暇72
いるま
みこと
いるま
らん
雨乃こさめ
らんは突然柵を乗り越えようとした。
いるま
らん
暇72
みんなが来たことの安心感で頭から抜けていた。 流れはあまり早くないこの川なら後から来た皆もすちの姿が見えるはずなのに見えない。
みこと
いるま
らん
みこと
雨乃こさめ
みこと
暇72
らん
いるま
雨乃こさめ
雨乃こさめ
いるま
みこと
河川敷はさっきのところよりも浅い…
暇72
いるま
雨乃こさめ
バシャッバシャッと川の中を歩く。 靴に冷たい水が入り、寒い。 まだ、腰だ…大丈夫…
暇72
そろそろ上半身が水に入り切ってしまう…
暇72
遠くから救急車のサイレンが聞こえてくる。
…ちゃん…
暇72
ひま…ちゃん…、!
暇72
すち
暇72
すち
バシャッ
すち
ぐいっ!
足もつかないくらいの深さにいるすちを俺の高さまで、引っ張る。
暇72
すち
暇72
すち
暇72
すち
暇72
すち
いるま
雨乃こさめ
らんが川に入ってくる。
暇72
らん
グイッと手を引かれて、やっと岸に着いた。
暇72
すち
みこと
らん
いるま
雨乃こさめ
暇72
みこと
雨乃こさめ
数分後
いるま
らん
いるま
暇72
らん
いるま
らん
いるま
雨乃こさめ
みこと
いるま
璃音
らん
璃音
救急の人
いるま
救急の人
らん
コメント
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続きが気になる!どうなっちゃうんだろー無事な事を祈る(*>人<)