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伊集院
八乙女
五十嵐
日向
優里編#血塗られた再会
桜宮大学病院の救急入り口に、高級外車が横付けされる。運び込まれたのは、日本医師会長の息子。15年前、優里の父を「医療ミス」の捏造で自殺に追い込んだ急先鋒の息子だった。
病院長
色めき立つ病院長を 優里はゴミを見るような目で見据える。
伊集院
優里はオペ着を脱ぎ捨て、医局の暗がりに消える。 一人になった優里の手には、父の遺品である『血のついた黒いメス』が握られていた。
伊集院
復讐の炎が 優里の理性を焼き尽くそうとしていた。
優里が執刀を拒否したことで、病院内はパニックになる。そこへ、太陽が優里の私物に紛れていた「あるノート」を持って、優里の前に立ちはだかる。
日向
(優里が太陽の胸ぐらを掴み 壁に押し付ける)
伊集院
日向
伊集院
八乙女
五十嵐
太陽の叫びに、優里の瞳が揺れる。 そこへ、優希と優奈が静かに現れる。
五十嵐
八乙女
患者の容態が急変。心停止まであと数分。 優里は無言で立ち上がり、太陽が持っていたノートを奪い取るように受け取ると、オペ室へ向かう。
オペ室の空気は、 凍りつくような緊張感に包まれていた。
優里は、かつて父が「失敗した」と言われ禁忌とされた最高難度の術式を宣言する
伊集院
優里のメスは、まさに「死神」が魂を奪い返すかのような速さと正確さ。 優奈は、優里の思考の0.1秒先を読み、完璧なタイミングで針を渡す。 優希は、優里のわずかな出血も見逃さず、影のようにサポートに徹する。 見学席の太陽は、祈るように叫ぶ。
日向
ついに、止まっていた鼓動が力強く跳ねる。 それは15年前、優里の父が辿り着けなかった「希望の音」だった。
オペ終了後、駆けつけた会長に対し、優里は血のついた手袋を足元に叩きつける。
伊集院
夜。病院の屋上には、静かに雪が降り積もっていた。 優里は一人、缶コーヒーの熱で凍えた手を温めている。そこに太陽が駆け寄る。
日向
伊集院
優里は初めて太陽の肩を不器用に叩く。
日向
その時、スマホが震える。 送り主は、九条冴子。 画面には、15年前の「真実の隠し場所」を示す地図が送られてきていた。
伊集院
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