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不確かなゲーム

11 - 森、喜久山タッグ

♥

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2023年02月27日

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はぁ…はぁ

喜久山くん…!

信じてるよ君なら…出来ると!

それまで僕は……

相馬さんを!!

相馬

ゴホッゴホッ…

相馬さん!?

相馬さんに意識が戻りつつある?

いいや戻りつつあるじゃない

僕が戻すんだ!!

相馬さん!しっかり!!

相馬

も……り…

安静にしてて下さいね…今絆創膏を!

相馬

……お

僕は相馬さんの拳を持って絆創膏を貼った

相馬

いって……!

少し我慢してください

拳の皮があちこち剥げている

この人がどれだけ頑張ったか…!

今は僕が頑張る番だ!

相馬さん…?

大丈夫ですか?

相馬

…喜久山……

相馬

森……

相馬

高橋…!!

高橋さんですか…

高橋さんはもう…!!

相馬

高橋…

この人は知らないのか

現実を受け入れるのはそう容易いことでは無い

だがいつかは知ることになるんだ…

相馬さん…高橋さんはもう…

相馬

高橋…

相馬

待ってろ…

手当てを続けよう

喜久山くんの為に

信じてる相馬さんのために

喜久山

疲れてるだろ?お前も

うるさい

喜久山

正直になれよ

うるさい

喜久山

これから楽にしてやる…!

ああああああああぁぁぁ

黙れ黙れ黙れ黙れ!!!!

ほんっとにお前らは…!!

ゴミ共があああああああああ

鬼が一歩踏み出す

動いた!!

死ねええ

喜久山

ナイフ…!

だがそんな疲れた体では流石に…

喜久山

当たらないっ!

!?

ふぅ……こえー…

実際にナイフ向けられると怖いな

だけど!

喜久山

今はこわくない!

俺は腹の横に蹴りを入れた

ぐっ!

ごはっ…

!?

鬼が痰を吐いた…?

喜久山

お前……やっぱり限界か?

そんなわけないだろ…!!

鬼は吐き捨てるように言う

コイツはもう…働きすぎてるのでは無いか

喜久山

知ってるか

喜久山

お前が最初相手にした相馬って人

喜久山

強いんだぜ

知るか…!

僕の方が強い!!

鬼は下から睨みつけてきた

喜久山

へいへい、そうだな

何を言っているのか

相馬さんに敵う奴なんていないのに

喜久山

んで……2人目の麻野も

喜久山

よく動いてたろう?

……ふぅ…はぁ

喜久山

続けるぞ

喜久山

お前はもう充分に働いたんじゃないか?

鬼は黙り込んだ

俺は距離を取ったまま腹を抑えている鬼を見ていた

ダメだ

喜久山

なんでだよ

僕は…

まだ殺してないんだ

殺さないと……ゲームオーバーだ…!

喜久山

……

喜久山

そうだよな…

鬼がプログラムなら良かったのに

タチの悪いゲームだ

お互い守りたいもの、無くしたくないものがある中

争うのだから

だから…僕は!!

鬼は立ち上がった

喜久山

動く……構えろ!俺!

喜久山

あぁ…!

喜久山

全力で来いよ!

殺す!

喜久山

やれるもんならな!

俺は眼鏡を取り出す

深呼吸して…

眼鏡を付けた

おらあぁぁぁぁぁぁ!!!

喜久山

ああああああああぁぁぁ!

相手の動きを見ろ!

柔道で習ったろ!!

喜久山

眼鏡つけた俺はひと味…

喜久山

いや、ふた味くらい違う!

それを上回る!!!!

ナイフを持っている右手

関節の動く瞬間

…今っ!!!

喜久山

縦ぶり!!

!?!?

俺は縦ぶりを予測して避ける

そして自分の間合いへ詰める!

まずはナイフを

喜久山

ごらぁ!

関節技や!!

いっ…!!

ぐっ!!!!!

鬼はナイフを落とした

お前アーマーを避けて…

喜久山

当たり前っしょ?

このまま気絶まで持っていく!

喜久山

そらっ!!

俺は更に相手をつかんだ

この体制なら…!!

まだだああああああああぁぁぁ

喜久山

!?

鬼は暴れた

こいつ……ナイフが無くても…!

ああああああああぁぁぁ

身を捩らせながら振りほどく!?

喜久山

がっ

俺は弾かれた

喜久山

俺も……まだだ!!

こいや!!!!

走って!!!ここでジャンプ!

飛ぶ!?

喜久山

おらあぁぁぁぁぁぁ!!!

さぁどうでる!?

防ぐか?避けるか?

動きをよく見ろ…

っ!!

動いた!ガードか!!

喜久山

なら1回着地してやんよ…!!

甘いんだよおぉ!!!

喜久山

!?

いっ……て…

喜久山

んが

喜久山

うっ……!

ふぅ……ふぅぅ…

まさかカウンターだったとは…

だがまだ殴られただけ…

喜久山

まだ終わってな

喜久山

探してるのは……これかい?

喜久山

俺の眼鏡!!

くっそ!!くそ!!くそ!!

俺は……目が悪いんだ…!!

それに……俺は……

喜久山

見るな!!!

お前……目が……

俺は目がおかしいらしい

生まれつき視力が悪く眼鏡をつけていた

だが眼鏡を外すと

目に十字の印が浮かんでいた

これは普通に考えれない出来事だった

通常人間の目は瞳孔は丸みを帯びている

だが俺は眼鏡をつけると十字になっていたのだ

十字マーク…?

なんだそれ…!!

君は気持ち悪いね

喜久山

やめろ

眼鏡をつけなきゃ眼鏡を…!!

また罵倒されるぞ!!!

また虐められるぞ!!

また……捨てられる

この目のせいで!!!

喜久山

はぁはぁ…!!

喜久山

うがぁぁああ

みっともない

さっきまであんなに威勢が良かったのにねぇ…!?

君のことは好きになれそうだったのに

残念だよ…!!

ここで終われ気持ち悪い人間!!!

嫌だ嫌だ

俺を否定するなダメだ

ああああああああぁぁぁ

『お前はお前だろ』

喜久山

相馬……さん……

そうだ相馬さん

あなたが俺を

救ってくれたんだ

喜久山

俺は俺だ!!

喜久山

あああああああああああああああああああぁぁぁ

俺は手を突き出す

!?

しねえぇぇええええ

喜久山

俺を否定すんなっ!!!!

痛い

どうやら拳とナイフがぶつかったようだ

自分の血が外に流れてくるのを感じる

だが俺はそんなの見えなかった

喜久山

ああああああああああああああああぁぁぁ

っ!?!?

お前そこまで動くか!?!

知ったことか

俺は今何も見えてないぞ!!

喜久山

んがあああああああああ

!!!!

なんなんだお前は!!

鬼は蹴って俺を遠のける

喜久山

がはっ……!

まだ……まだだ…!!

喜久山

俺を否定させない…!!

喜久山

相馬さんに教えてもらったように!!

ぼやけてあまり見えないが

鬼がナイフを向けているのは分かった

気持ち悪いっ!!!

俺、死ぬのか?

気持ち悪くないです……!!

突然の事だった

森が暴力を…!?

喜久山

森っ…!?お前…?

喜久山くん…!!

大丈夫!?

喜久山

相馬さんは……!?

大輝くん達に任せた!!

だから今は……!!

喜久山

だから今は……

君を助ける!!

喜久山

鬼を倒す!!
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