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な
ふらつく足取りで歩く、12時前の真っ暗な道
今日の様な酷く疲れた日は彼に会いに行く
迷惑だって分かってる、それでも
癖づいたものはそう簡単に辞められない
力無い腕を上げ、インターホンを押す
どたどたと忙しない足音が聞こえてくる
がちゃ
ゆ
ゆ
ゆ
俯いたまま小さく頷く
まともに返事も出来ない自分が少々嫌になる
ゆ
な
ゆ
な
暗い部屋に卑猥な声と音が響く
そう、俺は……
メンバーである彼に抱かれているのだ
最初はこんなつもりでは無かったのだが
どんどんのめり込んでいって、
この快感が忘れられなくなっていった
此の時は嫌なことも面倒臭いことも
全部考えなくて済む
先程まで湧き出て止まらなかった嫌な思考も
行為中は全て忘れられる
俺は行為自体の快感より、
『何も考えなくていい』
という思考に沼っていたのだ
ゆ
な
嗚呼、申し訳無い
少しでも勢いが緩むと嫌な感情が湧き出てくる
こんな事をさせてごめん
ずっと迷惑掛けてごめん
上手くできなくてごめん
こんな俺でごめん、って
その感覚が嫌で嫌で、俺は彼に懇願する
もっと、もっと、って
此の最中も思考は止まらない
ただ忘れたくて、考えたくなくて
彼の苦しい顔を無視して
俺は彼に身を委ねた
な
ゆ
真夜中、横で規則的な寝息を立てる彼を眺める
先程まで俺と繋がっていた彼は
自分も所属するグループのリーダーである
数ヶ月前に突然家に押しかけてきて
初めて身体を重ねた
勿論抵抗もした、だが…
拒否した途端に泣き出して
お願いお願いとしがみついて懇願してきた
いつもと様子が違うことは明らか
何か訳が有るのだろうとも思ったが、
そんな事をすれば本人の身体にも負担だ
そんなの重々承知だと言われたが
それでも拒否し続けた
その後、少しでも安心してもらおうと同じ布団で寝た時に
自身の下でする水音に気がついた
俺は無理矢理抱かされていた
抵抗虚しく彼の中に果て、一連の流れを終えてしまった
それが事の発端で、その関係がそのまま続いている
ゆ
どうにか、これ以外に方法は無いのだろうか
ゆ
ゆ
ゆ
いつも通り彼の姿は無い
一件、ごめんねと通知を残し家を出たらしい
仕事があると行って俺が起きる前に家を出てしまう
まともに話が出来ないまま関係だけが続く原因の1つだ
ゆ
一度彼に理由を尋ねた事がある
だが、彼自身も不安定だったのか上手く答弁できず
途中から呼吸さえ上手くできなくなってしまい、
荒い呼吸のまま行為をせがまれ、その夜は普段より一層激しいものとなった
ああなっては身体的にも精神的にも、1番よくない
そう思ってそれ以降は余り踏み込めずにいる
身体を重ねずとも彼の心を軽くする方法があるといいのだが、
ゆ
ほ
り
し
ゆ
いつも通りないこの居ないディスコ内で惚気話が始まる
昨晩本人を抱いたばかりで少々居づらい
し
ほ
り
ゆ
そうだ、
彼は愛されてる
それが自覚出来ないのか、否定しているのか、
彼は自らを傷つける
未だ他のメンバーには話せていない
本人の意思を大切にしたいと思うから
でも、
本当に限界が近づいている様なら、話そうと思う
俺は1人で彼を救うことは出来ないから
ゆ
今日は俺らは休みで、
各グループのリーダーのみが集められている
コラボの話を進めたいんだとか
ゆ
そんな事を考えていると携帯の通知音が鳴った
な
な
ゆ
ゆ
な
ゆ
ゆ
な
な
最近頻度が増えてしまっている気がする
忘れたい、忘れられない事が多すぎて
全てが嫌になる
先程も震える手を必死に動かして連絡した
アニキはどんな日でも心配する様な返信をしてくれる
そんなものも純粋に信じることが出来ない
そんな自分に腹が立って仕方ない
でも、死ぬのは怖い
そんな自分勝手な思考で人に迷惑を掛けてる
最低だな、俺
な
な
な
な
ゆ
動きが止まらない
頭で巡っていた思考の数と腰の動きが比例する
あぁ、この感覚
頭の中が空っぽになる
気持ちがいい
な
身体の力が抜け、彼に体重を預ける
ゆ
ゆ
彼の優しい声色に身を委ね、静かに眠りに落ちた
な
ゆ
きっともう限界だ
最近頻繁に連絡が来るようになっていたし
何より、行為中泣いていた
本人は気づいていないのかも知れないが
もうとっくに、身体も心も限界なのだろう
な
寝ながら涙を流す彼を見て、俺は決意した
ゆ
そっと涙をぬぐって
ほ
り
し
い
ゆ
話題が途切れる瞬間を見計らう
ゆ
い
ゆ
それから事のあらましを話した
画面越し、文字のみだが驚きが隠せないのが分かる
り
ほ
し
い
い
ゆ
ゆ
い
し
り
ほ
ゆ
い
ほ
り
し
ゆ
い
数日後
うるさくインターホンが鳴る
ゆ
い
ゆ
先程ないこから連絡があり、急遽まろを呼んだ
もうそろそろ着く頃だろう、
本人には申し訳ないが全てを話してもらおう
そんな時もう一度家の中に鈴音が響いた
な
アニキに連れられ家に入ると、まろがいた
なんで?アニキが話したのか?
思考を巡らせ、黙って俯いていると相棒が口を開いた
い
な
半ば強引に座らせられ、尋問が始まった
い
ゆ
もう言い逃れ出来ないと、全てを話すことにした
ゆ
い
悩みの種の数々、そしてその行為に至った思考の経緯
そして、過去のこと
小さい頃、義父に無理矢理掘られた記憶
気持ち悪かったが、他の事を考えていなかったのは確か
あの感覚が忘れられていなかったのだ
気づけば流れていた涙を優しく拭ってくれた
な
ゆ
ゆ
い
そんな言葉に身を委ね、俺は大人しく眠りについた
な
ほ
し
ゆ
ほ
り
い
な
な
あれから皆にも話は回り、俺は回復していった
定期的にメンタルケアをしてもらい、あの様な行為は減ってきている
本当に申し訳ないことをした
ただ、それと同等に感謝の気持ちも止まらない
ゆ
な