さあや
…………
さあや
聞きたいなら
さあや
昨日君が連れて行ってくれた場所で待ってるよ
そう彼女は僕の耳元でささやいてどこかに行ってしまった
明楽
…………
明楽
何でだろう
明楽
学校じゃダメなのかな
放課後
さあや
………………
明楽
ごめんね
明楽
待った?
さあや
別に
さあや
………………
さあや
君は、幸せ?
明楽
えっ
明楽
まぁ、うん
明楽
そうだね
明楽
友達もいるし
明楽
周りの人達も優しいし
さあや
そう
明楽
何でこんなこと聞いたの?
さあや
……………さぁ
さあや
何となく
さあや
聞きたいんだよね
さあや
どうして私の感情が無くなったのか
明楽
うん
明楽
どうして?
さあや
私ね、言われたの
さあや
お母さんから
さあや
「あんたなんて産まなきゃよかった」って毎日毎日
明楽
…………………
さあや
そして、お母さんは私にこう名付けたの
さあや
鎖誤(さあや)って
さあや
れん鎖する誤り
さあや
って意味で付けたの
さあや
そしてお母さんは私が七才の時に私の前で
さあや
「産まなきゃよかったって」
さあや
いいながら
さあや
自殺したの
明楽
…………………………
さあや
そして
さあや
その時離婚して他の場所にいたお父さんと一緒に住んでいたおばあちゃんが引き取ったの
さあや
でも結局お父さんもおばあちゃんもどっかいったきり帰ってこなかった
さあや
そのあとどの親戚のところにいっても
さあや
私は要らない子だった
さあや
そのうち
さあや
どうやって笑うのか
さあや
どうやって泣くのか
さあや
どうやって怒るのか
さあや
全部解らなくなった
さあや
お母さんと居たときどんな感情を持っていたのか
さあや
わからない
さあや
私はどうしたらいいと思う
さあや
明楽君