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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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菊池 陽真

本当、

菊池 陽真

ごめん。

菊池 陽真

負けたのは俺のせいだ

陽真は皆に向かって頭を下げた。

涌井 明里

キャプテン…

水木 光

…頭上げてください

水木 光

もっと私が早く処置してれば…

尾瀬 一颯

あんたら、何言ってんの

一颯は眉間に皺を寄せて立ち上がった。

尾瀬 一颯

陽真が1回コートを出てから

尾瀬 一颯

俺のリズムが崩れてったんだ

涌井 明里

……

私が見ている限り、

尾瀬先輩はキャプテンのことを心配しているようで

いつものプレーが出来ていなかった

涌井 明里

(それでも、尾瀬先輩のせいじゃない…っ)

尾瀬 一颯

俺のトス回しがダメだった

桐山 凌

確かに、いつもより雑でした

桐山 凌

でも俺だって

桐山 凌

決めきれない場面が多かった

志保 優成

……。

志保 優成

それを言うなら俺じゃないっすか?

志保 優成

俺の方がミスりましたし…

涌井 明里

(…だめ)

みんなの雰囲気が…

倉見 修也

俺だって

倉見 修也

みんなが崩れてくのをただ見てるだけで…

倉見 修也

声掛けとか何も出来なくて…っ

涌井 明里

もうやめ__

水木 光

やめてくださいっ

光の大きな声が部屋をこだまする。

志保 優成

いきなりうるさ…って

志保 優成

はっ?

水木 光

うっ…うぁ…

光は顔をぐちゃぐちゃにして涙を流していた。

水木 光

誰の責任とかやめましょうよ…っ

水木 光

この敗北は、みんなの責任なんですよぉっ

涌井 明里

志保 優成

なんでお前が泣いてんだよ

水木 光

だってえ

水木 光

悔しいもんっ…

水木 光

こんな負け方、悔しすぎるっ…

菊池 陽真

光……

涌井 明里

光…ちゃん…

明里の目から涙がこぼれ落ちた。

桐山 凌

明里…

涌井 明里

私だって…っ

涌井 明里

悔しい…

涌井 明里

1番近くでみんなの頑張り見てきたのにっ…

菊池 陽真

……っ

倉見 修也

…っう

倉見 修也

…くそ、悔しいよ……

修也は涙を拭った。

桐山 凌

泣いてんじゃ、ねーよ…

凌はズッと鼻をすすった。

倉見 修也

凌だって泣いてるくせに!!

菊池 陽真

…うっ…

菊池 陽真

ごめん、ごめんな…っ

尾瀬 一颯

……

泣き崩れる陽真の頭を一颯は目に涙を溜めながら優しく撫でていた。

水木 光

うぅ…

志保 優成

……

悔しくて

悔しくてたまらない

私たちは長い間、みんなで泣き崩れていた

桐山 凌

…は?飯?

倉見 修也

うん!大会終わりに今からみんなでご飯行こーよ!

修也はニコニコして凌と明里に尋ねた。

涌井 明里

…いいね!

涌井 明里

(泣きすぎてお腹も空いたし…)

涌井 明里

先輩方もどうですか?

倉見 修也

今から打ち上げ行こうって話っす

菊池 陽真

おー。いいな

菊池 陽真

一颯。お前もな?

帰ろうとする一颯の襟元を陽真は逃がさまいと掴んだ。

尾瀬 一颯

…はーい

倉見 修也

光ちゃん&志保くんもどお?

志保 優成

あ、俺は遠慮し__

水木 光

行きます!私たち行きます!

志保 優成

……行きまーす

倉見 修也

よし!じゃあ行こー!

「いただきます」

挨拶の後、皆は食事を食べ始める。

菊池 陽真

美味しいな

倉見 修也

うまいっすねー!

涌井 明里

(誰も試合のことは話し始めないな…)

水木 光

桐山 凌

涌井 明里

(そういえば、先輩たちはこれからどうするんだろう)

ほとんどの3年生は

インターハイをもって引退___

涌井 明里

(やだなあ…)

桐山 凌

……

桐山 凌

すみません。

桐山 凌

なんかこの誰も話し始めない感じ嫌なんで

桐山 凌

俺が聞いていいすか

涌井 明里

涌井 明里

(凌くん…!)

桐山 凌

先輩たちは

桐山 凌

引退するんですか

尾瀬 一颯

菊池 陽真

……

桐山 凌

強豪は春高までよく3年生も残ってまけど

桐山 凌

…俺らはそれほど強豪じゃないですし

涌井 明里

……

水木 光

…私は、

光は陽真の顔を見ながら口を開けた。

水木 光

先輩たちに残ってほしい、です…

水木 光

そ、そりゃ!

水木 光

大学進学するなら絶対そっちを優先してほしいですけど!

尾瀬 一颯

……涌井さんは

涌井 明里

は、はい?

尾瀬 一颯

俺が残ったら嬉しいの?

涌井 明里

涌井 明里

もちろんです…!

尾瀬 一颯

じゃあ残る

涌井 明里

倉見 修也

えっ!

倉見 修也

そんな適当に決めていいんすか!?

尾瀬 一颯

俺進学希望じゃないし

尾瀬 一颯

元々残るつもりだった

涌井 明里

……

涌井 明里

(嬉しい…)

昔は

バレーが嫌いで部活にも顔を出さなかったのに…

志保 優成

尾瀬さんが残ってくれるなら戦闘力的な面で

志保 優成

すごい助かるっすね

水木 光

きゃ、キャプテンは__

菊池 陽真

……

菊池 陽真

迷ってる

シンと静まり返った。

菊池 陽真

…いや、

菊池 陽真

迷ってた

菊池 陽真

でも今日で決心がついたよ

陽真は1呼吸おいて、皆の顔を見渡した。

菊池 陽真

俺は__

菊池 陽真

……残る

涌井 明里

え__

水木 光

本当ですか!?

光はガタンとその場に立ち上がる。

菊池 陽真

あはは。本当だよ

水木 光

…あ、す、すみません。つい嬉しくて…!

光は少し赤くなりながらその場に席をついた。

倉見 修也

まじ嬉しいですよ!

尾瀬 一颯

……。

尾瀬 一颯

進学希望でしょ、陽真

桐山 凌

嬉しいですけど、大丈夫なんですかそれ

志保 優成

…万が一、部活のせいで第一希望の大学に行けなかったとかだったら

志保 優成

俺祟るかもしれない

水木 光

おい!そんな言い方すんな

涌井 明里

…そうだね

涌井 明里

私も無理して欲しくは無いです

菊池 陽真

無理してることはないよ

菊池 陽真

俺は…俺のせいでこんな負け方をして

菊池 陽真

部活から引退する方が無理なんだ

涌井 明里

菊池 陽真

だから春高、リベンジする

菊池 陽真

月葉にも勝って、地区大会優勝して

菊池 陽真

それで県大会、ベスト8だ

涌井 明里

…!

涌井 明里

は、はい!

桐山 凌

はい

倉見 修也

はいっ!!

志保 優成

はーい

水木 光

はいっ!

尾瀬 一颯

当然だね

涌井 明里

……

涌井 明里

(駄目だ、泣きそう…)

明里は目に溜まっている涙を手の甲で拭き取った。

倉見 修也

え、泣いてる…?

涌井 明里

な、泣いてませんっ

尾瀬 一颯

そんな俺が残ってくれて嬉しいの?

桐山 凌

は?

涌井 明里

ちち、ちが__

涌井 明里

いや、違くはないですけど

涌井 明里

みんなとまたバレーができるって思って凄く嬉しいです

菊池 陽真

…ふふ

尾瀬 一颯

…っ、だね

陽真と一颯は優しく微笑みながら頷いた。

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