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ルル
98
楪羽*yuzuriha*
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夕方。 街外れ。 人気のない工業地帯。 錆びついたフェンス。 崩れた煙突。 誰も近付かない廃工場。
その少し離れた場所に、一台の黒いワゴン車が停まる。
深澤辰哉
目黒蓮
渡辺翔太
ラウールが通信機を調整する。
ラウール
目黒蓮
渡辺翔太
深澤辰哉
通信の向こうから、少し眠そうな声が聞こえる。
阿部亮平
深澤辰哉
阿部亮平
全員
阿部亮平
深澤辰哉
佐久間大介
阿部亮平
少しだけ場の空気が和らぐ。
しかし次の瞬間。
阿部亮平
全員の表情が引き締まる。
阿部亮平
ラウール
阿部亮平
深澤辰哉
阿部亮平
渡辺翔太
阿部亮平
目黒蓮
阿部亮平
深澤辰哉
阿部亮平
渡辺翔太
阿部亮平
空気が凍り付く。
目黒蓮
阿部亮平
深澤辰哉
阿部亮平
短い沈黙。
阿部亮平
深澤辰哉
通信が静かに切れる。 目黒は廃工場を見つめた。 植物たちが風に揺れる。 目を閉じると、小さな声が聞こえてくる。
怖い。
痛い。
助けて。
植物が残した、微かな感情。 目黒の表情が変わる。
目黒蓮
渡辺翔太
目黒蓮
深澤辰哉
目黒はゆっくり地面へ手を添える。 細い根が音もなく地中へ潜っていく。 数秒後。
目黒蓮
深澤辰哉
目黒蓮
渡辺翔太
目黒蓮
三人は顔を見合わせた。 深澤が静かに息を吸う。
深澤辰哉
目黒蓮
渡辺翔太
その瞬間だった。
ガシャ――ン!!
工場の奥から、何か巨大な金属が倒れる音が響く。 続いて。 少女の悲鳴。
いやぁぁぁぁぁっ!!
目黒蓮
渡辺翔太
深澤辰哉
金属音が工場全体に響き渡る。
ガシャァァン!!
少女の悲鳴は一度きりでは終わらなかった。
やめてっ……!!
助けてぇ!!
深澤辰哉
三人は一斉に駆け出す。 朽ちた正面入口を避け、目黒が壁際へ回る。
目黒蓮
地面へそっと手を触れる。
お願い。
その一言に応えるように、壁一面に蔦が音もなく伸びていく。
ギギギ……
錆びついた鉄板を静かに押し広げ、人ひとり通れる隙間が生まれた。
渡辺翔太
目黒蓮
深澤辰哉
三人は内部へ滑り込む。 廃工場の中は暗く、埃が舞っていた。 だが――
目黒は眉をひそめる。
目黒蓮
渡辺翔太
目黒蓮
しゃがみ込み、指先で床をなぞる。 古びた床の一部だけ、微かに擦れた跡がある。
目黒蓮
深澤辰哉
その時。 通信機から声が入る。
阿部亮平
深澤辰哉
阿部亮平
佐久間大介
阿部亮平
渡辺が思わず小さく笑う。
渡辺翔太
阿部亮平
深澤辰哉
阿部亮平
佐久間大介
深澤辰哉
目黒蓮
阿部亮平
そこへラウールの声が重なる。
ラウール
深澤辰哉
ラウール
渡辺翔太
ラウール
阿部亮平
目黒蓮
阿部亮平
深澤辰哉
誰も口を開かなかった。 その言葉だけで十分だった。 Snow Man全員が最も嫌うもの。 能力者を道具として扱う者たち。 その時だった。
カツン。
渡辺翔太
廊下の奥。 誰かの足音。 三人は物陰へ身を隠す。 現れたのは白衣姿の男だった。
研究員
研究員B
研究員
研究員B
目黒の拳が震えた。 渡辺がそっと腕を押さえる。
渡辺翔太
目黒は静かに息を吐き、小さく頷く。 研究員たちは気付くことなく通り過ぎていく。
深澤辰哉
渡辺翔太
目黒蓮
深澤辰哉
三人が研究員の後を追おうとした、その瞬間―― 廊下の奥から、小さく震える声が聞こえた。
……遥。
目黒の動きが止まる。
遥……助けて……。
依頼人が呼ばれた名前。 その声は、鉄格子の向こうから確かに聞こえてきた。 鉄格子の向こう。 かすれた声が、もう一度響く。
……遥……。
目黒蓮
深澤辰哉が静かに手を上げ、二人を制止する。
深澤辰哉
三人は物陰から慎重に様子をうかがう。 廊下の先には分厚い鋼鉄製の扉。 その両側には武装した警備員が二人立っていた。 さらに天井の四隅には監視カメラ。
目黒が小さく呟く。
目黒蓮
渡辺翔太
深澤辰哉
渡辺翔太
通信機から阿部の落ち着いた声が聞こえる。
阿部亮平
深澤辰哉
阿部亮平
佐久間大介
阿部亮平
渡辺が思わず吹き出しそうになる。
阿部亮平
一瞬で空気が戻る。
阿部亮平
目黒は目を細める。
阿部亮平
深澤辰哉
阿部亮平
渡辺翔太
深澤辰哉
三人は静かに頷く。
阿部亮平
プツッ。
工場内の照明が一瞬だけ明滅した。
同時に監視カメラのランプが消える。
深澤辰哉
目黒が一気に地面へ手をつく。
目黒蓮
音もなく床下から細い蔦が伸び、警備員二人の足首へ絡み付く。
警備員
反応するより早く、渡辺が飛び出した。
ドッ。
一人の首筋へ手刀。
ガッ。
もう一人のみぞおちへ膝蹴り。
二人は声を上げる間もなく崩れ落ちた。
深澤辰哉
渡辺翔太
腰から抜き取ったカードを深澤へ渡す。
ピッ。
電子音。
重い扉がゆっくり開いていく。
ギギギギ……
中に広がっていた光景に、三人は息を呑んだ。
広い実験室。 無数の培養カプセル。 薬品の臭い。 そして── 鉄格子の中に閉じ込められた能力者たち。
獣人。
妖精。
鬼。
鳥人。
年齢も性別も様々だった。 その誰もが傷だらけだった。 腕には何本もの注射痕。 包帯の隙間から覗く手術痕。 虚ろな瞳。
目黒の拳がゆっくり握られる。
その視線の先で、一人の少女が壁にもたれかかっていた。
耳と尻尾を持つ獣人の少女。 風の能力者。
鈴島遥が話していた友人だった。
少女は目黒たちを見ると、かすかに目を見開く。
少女
掠れた声。
少女
その瞬間。 施設全体に、低い警報音が鳴り響いた。
ビーッ!ビーッ!ビーッ!
渡辺翔太
阿部亮平
ラウール
阿部亮平
赤い警告灯が一斉に点灯する。 天井のスピーカーから、冷たい声が響いた。
侵入者を確認。
戦闘部隊を投入します。
――実験体の処分を開始してください。
その一言で、目黒の表情から穏やかさが完全に消えた。
静かな怒りだけが、その瞳に宿る。
目黒蓮
深澤辰哉は目黒の横顔を見て、小さく息をつく。 この顔を知っている。
仲間や弱い者が傷付けられた時だけ見せる、“静かな目黒”だ。 Snow Manの中でも、最も怒らせてはいけない目だった。
深澤辰哉
目黒は視線を実験室の奥へ向けたまま、静かに答える。
目黒蓮
その一言は、誰に向けたものだったのか。 仲間へか。 それとも、檻の中で震える能力者たちへか。 次の瞬間――
工場の奥から、重装備の武装部隊が一斉に姿を現した。
コメント
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第2話、一気に引き込まれました! 潜入シーンの緊張感と、阿部ちゃん&佐久間の軽妙なやりとりの緩急が絶妙ですね。目黒が植物の感情を読む描写が特に好きで、「怯えてる」「怖い」という微かな声が設定の深みを感じさせます。 最後の「処分」の一言と警報で一気に戦慄が走りました。次が待ちきれません!