スノ生活 - 短編 -

みんな帰ったんですよ。

俺に気遣って。

まあ、舘さんは気付いてないだろなあ。

俺が舘さんのこと好きだって。

ニコッと笑って俺の頭を撫でる。

ずるい。

また俺だけ好きになってく。

別に片想いでもいい。

舘さんと一緒にいれるなら。

でも本当は伝えたくてうずうずしてる。

俺の性格的に言わないと気が済まない。

ああ、言ってしまいたい。

そう思ったことが何度も何度も…

不意に俺の方を見た顔すら かっこよくて。

遠回し過ぎんだろ俺…

ダサッ。

…終わった。

そりゃ嫌だよな（笑）

気持ち言う前に失恋した。

言わなきゃ良かった。

やっぱり自分の心の中に 留めておくべきだった。

できるだけ、普通を装わなきゃ。

失恋ってこんな気分かあ。

マジでしんどいな。

よりによってなんで舘さんを 好きになったんだろ…

ジャーーー

手を洗いながら舘さんが聞いてくる。

舘さんの事でね！！！

ジャーーー。キュッキュッ。

手を洗い蛇口を捻る。

は？この人傷抉る気！？

てか舘さん…

怒ってる？

昔のちょっと威圧感のある舘さんだ。

なんで舘さんが怒るんだよ…

気が無いのに俺をその気にさせた貴方に

俺がキレたいくらいですよ。

宮舘涼太です。

すると舘さんの顔が硬直する。

俺、泣いてる…？

泣きたくないのに勝手に涙が。

舘さんは大きく息をはいて その場にしゃがみ込んだ。

好きだった。

こんな舘さん初めて見た。

余裕無さそうに悶えてる姿。

超愛おしい…好き。

俺を見上げる舘さんの目は

獲物を捉えたような目をしてた。

その瞬間、俺の手首を掴み

トイレの個室に連れて行かれる。

キィーー…バタン！

しーっ。と人差し指を唇に当てると

そう呟けば唇を塞がれる。

舘さんのギャップに

俺はまた、落ちる。