あの花火の日から数日、今日も学校から帰って来た弥生とバスケの練習をしている…
弥生
文月
弥生
2日後には試合が迫っており弥生も鬼気迫る様な雰囲気で練習うに打ち込んでいる。 そんな彼女に少しでも力になれたらと俺も多少腰が痛くても我慢して練習に付き合う。
練習はなるべく試合を想定して1on1ばかりをやっていた。
文月
弥生
文月
弥生
今度の試合は地区の準決勝で弥生はスタメンに選ばれているそうだ。
文月
弥生
弥生
文月
文月
弥生
弥生
文月
弥生
文月
弥生
文月
文月
弥生
文月
文月
文月
弥生
そして弥生は大きく息を吸い込んだ。
文月
俺の言ったことを素直に聞いてくれるのは嬉しいが流石に今やるのはまずいと弥生を止めようとしたが遅かった…。
弥生
皐月
弥生の叫び声に家の中から大慌てで皐月さんが飛び出してきた。
皐月
弥生
文月
皐月
流石に娘の叫び声に驚いた皐月さんは俺達にそう怒鳴って家の中へと戻っていった。
弥生
文月
お互いに目を合わせクスクスと笑い、夕飯の支度ができたとすぐに戻ってきた皐月さんに言われその日の練習は終わりにした。
そして試合当日。
俺は去年最後の試合を見に行ったきりで二度と足を運ぶ事はないと思っていたバスケの試合会場に来ている。
会場は太陽の熱と試合をしている選手達や観客の熱気で蒸し風呂の様になっていた。
文月
懐かしい会場の空気を全身で感じながらぽつりと呟きスマホで時間を確認する。 その動きをどこかで見ていたかの様に弥生からメッセージが飛んできた。
「もう会場にいる?すごく緊張してきた…。」
それだけの文面から弥生の緊張感が伝わってくる様な気がして俺はできる限りの返事をすることにした。
「もう着いてるよ、今すぐリラックスしてって言っても無理だと思うからゆっくり深呼吸して気持ちをほぐして。」
「わかった!それじゃあいってきます!」
「楽しんでね!」
そう送り返して俺は先に来ていた皐月さん達に呼び止められ一緒に観戦することにした。
ダム、ダム、ダム、キュッ!キュッ!
体育館に響くボールをつく音、バッシュの靴底と床が擦れてなる甲高い音、そして1プレー毎に湧き上がる歓声。
弥生達の試合は追いつ追われつの大接戦のシーソーゲーム状態で最終クォーターを迎えていた。
皐月
文月
得点は30−31で弥生達が負けている。 しかし、この得点差ならすぐに追いつけるし追い越すこともできる。
スタメンだった弥生は今ベンチに下がり次の出番が来るのを必死に応援しながら待っている。
皐月
文月
そして、残り時間5分に相手側のファールがあったタイミングで再び弥生がコートに戻ってくる。
ベンチにいる間何度か観客席を確認していた弥生はコートに戻る直前、俺達が座っている席の方を見てコクコクと頷き大きく息を吸い込み。
弥生
会場中に響き渡るぐらいの咆哮をあげた。
弥生の叫びにベンチにいたの仲間達がどよどよとしているのが見えたが弥生が仲間達にオッケーサインを出してコートに入る。
皐月
真横の席から弥生の数倍は騒がしい大声が聞こえるが今は試合に集中する事にした。
弥生が入ってからも接戦は続いていた。 得点は32-31で弥生達が巻き返しリードしている。
そして残り15秒を切ろうかというところで一瞬の隙を突かれスリーポイントを決められてしまいギリギリの所で再び32-33と逆転を許してしまう。
皐月
文月
だか、まだ10秒以上ある。
俺も何度か経験があるから分かるが1点差の残り時間はコートにいる人間にとってはかなり長く感じる。
ワンゴール入れて逆転する事だって不可能では無い。
文月
俺は文字通り手に汗をかき痛いぐらい拳を強く握りしめていた。
弥生
そして、最後のワンプレーが始まる直前弥生と目が合いニッと笑うのが見えた。
文月
普通にワンゴール入れられれば逆転でからな状況で弥生にボールが回ってくる可能性は大いにあった。
ふと、俺に笑顔を見せた弥生がこれから何をやろうとしているかが分かった気がした。
そして、コートにボールが投げ入れられ試合が再開する。
残り時間弥生達は諦める事なく素早いパスワークで敵陣まで切り込んだ。
弥生
そして、弥生がゴール手前で手を上げパスを求めた。
残り時間7秒…。 パスを受け取った弥生に弥生をマークしていた選手が立ちはだかる。
弥生
その選手に対して弥生は左側へと進むようにフェイントをかけ隙ができた右側へ進む。
そして、数歩助走をつけて左半身をゴール側右半身を反対側にして軽く跳び上がる。 そして最大限上に伸ばした右腕の先に持ったボールをジャンプの勢いと右手のスナップを使ってゴールに向かって放り投げる。
それは俺がもっと得意としていて初めて弥生に見せたシュートだった。
ガッ!ボールは少し高さが足りなかったのかゴールリングに触れ少し上に跳ねる。
しかし、その跳ねたおかげもあってかボールはリングを通過してカシュッ…と静かな音を立ててネットを揺らした…。
電光掲示板を見れば残り0.4秒。 勝負は弥生達の勝利で決した。
勝敗が決まってからは会場は大盛り上がりだった。 ギリギリの逆転劇に割れんばかりの大歓声。
決勝点を決めた弥生はチームメイト達に飛びつかれたりして喜びを分かち合っていた。
俺は弥生達が控室に戻っていったタイミングで会場を離れ家に帰っていた。
家に帰ってからいつものように勉強をしていると弥生からメッセージが着て今日も夕方の練習がしたいとの事だった。
試合の後だから今日は休んだ方がいいと返すと試合の感想も聞きたいから今日がいいと返事がきた。
夕方、弥生から帰宅したとメッセージを受け取り彼女の家に向かう。
「用意してから向かう」と返事をするとすぐに既読がついたが弥生からの返事はなかった。
そして弥生の家に着いた俺が庭へと向かうと縁側に弥生の姿が見えた。
弥生
しかし、弥生は縁側でスマホを握りしめたまま静かに寝息を立てていた。
縁側に座って俺を待っている間に寝てしまったのだろう。
そんな弥生を起こす事はせずに隣に腰掛けて弥生の寝顔を見る。 好意を持っているせいもあるかもしれないがその寝顔がとても可愛く見えつい笑ってしまった。
弥生
文月
もうすぐ街に帰る事を考えそうポツリと呟いた。
弥生
文月
俺のこぼした呟きに弥生が答える。
文月
弥生
文月
なんとかはぐらかそうとする俺に弥生が言う。
弥生
文月
弥生はしっかりと俺を見据えて問いただしてくる。
急な展開にテンパってしまっている俺だが弥生が手を小さく震えさせながら俺の服の裾を掴んでいるのに気付いてあの花火の夜に決めた覚悟が戻ってきた。
そして、その手を握り俺は弥生の目をしっかり見つめ告げる。
文月
弥生
弥生は満面の笑みでそう即答してきた。
そして、急に恥ずかしくなったのか顔を真っ赤にして顔を伏せ続ける。
弥生
文月
弥生
皐月
いつもの様に皐月が夕飯の時間を告げに二人の元にやってきた。
しかし、皐月は目の前の光景に言葉を途中で止める。
皐月
皐月は胸ポケットに入っていたタバコを一本取り出して火を付ける。
皐月
皐月
そう言って皐月は家の中へと戻っていく。
カナカナカナと山の方から多くの蜩が奏でる蝉時雨の中。
皐月の去った縁側には幸せそうに手を繋いで眠る二人の姿があった。
…fin
コメント
25件
良かったー\\\٩(๑`^´๑)۶////
わんちゃんバットエンド来るかと思ってたけど ハッピーエンド!すごい面白かった! 青春恋愛最高!←それしかいってないね
良かったねぇ…良かったねぇ…(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`) 恥じらいもなく叫んでみたいw